「何回もCDをリピートしたのに聞き取れない・・・」
「ゆっくり話したのに、内容を理解していなかった」
そんな疑問や悩みを持っていませんか?
私は日本語教師になったばかりの頃、聞き取れない場合はCDを何回もリピートすればいいと思っていました。
しかし、何回か繰り返し聞いても、聞き取れないときは聞き取れない・・・
それには、別のところに理由があったんです!!
この記事を読めば、以下のことがわかります。
普段、学習者と話しているときや聴解の授業で、あれ?聞き取れていないのかな~と感じることがあるなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
聴解授業をするときだけでなく、学習者と話をするときも役に立つはずですよ^^
目次
学習者が聞き取れない5つの理由と対処法
スピードが速い
まずは単純に話すスピードが速い場合です。
初級の頃は、まだ日本語を聞くことに慣れていないので、スピードが速くて聞き取れない場合も多いです。
初級の聴解問題は、ゆっくりめで発音がはっきりしたものを選ぶようにしましょう。
初級の学習者と話す場合は、不自然にならない程度に少しゆっくり話すなど対応するのがいいですね。
耳が慣れてくると、徐々にスピードの速い発話も聞き取れるようになってきます。
初級の頃はある程度ティーチャートークが必要ですが、いつまでも「ゆっくり」「はっきり」話すのはよくありません。
なぜなら、学習者の耳がいつまで経っても自然なスピードに慣れないからです。
ティーチャートークとは、学習者が理解できるように語彙・文型のコントロールをしたり、ゆっくり話すことをいいます。
学習者が自然なスピードについていけるように、自然な話し方を心がけるようにしましょう。
語彙がわからない
語彙がわからなくても、聞き取れません。
学習者によっては、何かわからない語彙があったために、それ以降の聴解も聞き取りができなくなってしまう場合があります。
聴解問題で難しい語彙がある場合は、事前に語彙を確認しておくのも一つの方法です。
しかし、ただ語彙だけを確認したのでは聞き取れないかもしれません。事前に発音して音を確認するなどしてみましょう。
何回も聞いたり発音したりしていると、自然に語彙を覚えていきますよ。
学習者と話すときは、学習者の日本語レベルに合わせて使用する語彙を変える工夫が必要です。
難しそうな言葉は簡単な言葉に置き換えてみてくださいね。
内容自体に馴染みがない
聴解の内容自体に馴染みがないと、聞き取って内容を理解するのは難しいです。
これは読解と一緒で、背景知識があるのとないのとでは、読解の文章を読んだときの理解度に差が出るのと一緒です。
身近な話題や興味のあるものなら聞き取りもしやすいですが、例えば政治のニュースに興味がない学習者が政治のニュースを聞いても、内容はさっぱりわかりません。
聴解問題を選ぶときは、まずは学習者にとって身近な話題や興味・関心のある話題から選ぶといいと思います。
音が変化している
学習者は聴解問題は聞き取れても、日本人が普段話している会話は聞き取れなかったりします。
それは、私たちが日常で話す言葉は「音が変化している」からです。
例えば、学習者が「あ~、家に携帯電話忘れちゃった~」という言葉を聞いたとします。
家や携帯電話という言葉は聞き取れても「忘れちゃった」という言葉は「忘れてしまった」の縮約形で、知識がないとわかりません。
このように、元の正しい形を知っていても、音が変化してしまったら聞き取れないのです。
実際には、日常会話では縮約形を使ったり、音が変化していることが多いです。
なので、音の変化に関しては、積極的に学習した方がいいと思います。
以下で一部を紹介しておきます。
- ~ている→~いる
- ~ておく→~とく
- ~てしまう→~ちゃう
- ~しまった→しちゃった
- ~なければならない→~なくちゃ/なきゃ
- ~てはいけない→~ちゃいけない
緊張している
緊張していて、聞き取れない場合もあります。
なので、聴解の授業ではリラックスした雰囲気づくりを心掛けましょう。
一字一句間違わずに聞き取りができなくてもいいんです。
状況にもよりますが、話の大意が聞き取れていれば問題ない場合もありますし、要点だけ聞き取れていればいい場合もあります。
【まとめ】聞き取れないのには理由がある!
学習者が聞き取れない理由5つと対処法を紹介しました。
もう一度、聞き取れない理由をまとめます。
- 話すスピードが速い
- 語彙がわからない
- 内容自体に馴染みがない
- 音が変化している
- 緊張している
授業で聴解を実施するときは、これらのことに気をつけて教材を選んだり、聞き取れなかった場合はどうやったら聞き取れるようになるのか考えてみましょう。
これらの知識は学習者と話をするときも役立つと思いますので、ぜひ覚えておいてくださいね。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。