「スピーチやロールプレイをした後は、どうやってフィードバックすればいいの?」
「会話を評価するときの基準はある?」
こんな疑問や悩みを持っていませんか?
会話の評価って難しいですよね・・・。
何をどうフィードバックしたらいいのか、悩んでしまうことも多いのではないでしょうか。
スピーチやロールプレイは「やりっぱなし」のままでは日本語が上手になりません。
「楽しかった~」で終わりではダメなんです・・・!
この記事では、どのように会話を評価すればいいのか、評価シートを使ったフィードバックのやり方を紹介しています。
会話評価のフィードバックに悩んでいるなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
会話の評価方法|日本語教師の疑問
会話評価は何を基準にすればいいの?
会話を評価するときのポイントは2つあります。
まず、チェックするポイントの一つ目は、「目標が達成できたか」です。
その課で学習したことを理解し、達成できていたかをチェックします。
例えば、「丁寧な言い方で依頼をする」がそのロールプレイの目標であるならば、丁寧な言い方で依頼ができていたかどうか、がポイントです。
「~ていただけませんか?」を使って丁寧な依頼が出来ていれば目標達成ですし、「~てくれない?」を使っていたなら、丁寧な依頼ではないので、目標達成とは言えません。
二つ目のチェックポイントは「会話能力が適切に使えていたか」です。
どういうものかと言うと、文法や語彙は正しく使えていたか、場面に合った話し方ができていたか、声の大きさやスピードは適切か、発音は聞き取りやすかったか、なめらかに話せていたか、などです。
会話評価シート
会話を評価するときに、会話評価シートがあると、評価しやすく、フィードバックに便利です。
ここでは、簡単な会話評価シートを2つ紹介します。右の空欄部分に3段階や5段階評価の数字を書きます。
「将来の目標についてのスピーチ」の会話評価シート例
内容 | 話の構成・展開はわかりやすかったか(導入、まず、次に、最後にetc…) | |
将来の目標は話せていたか | ||
内容はわかりやすかったか | ||
文法は正しく使えていたか | ||
難しい言葉は使っていなかったか | ||
話し方 | 声の大きさ | |
話すスピード | ||
間の取り方(ポーズ) | ||
発音は聞きやすいか | ||
ボディランゲージ | アイコンタクト・ボディランゲージはできているか | |
紙を見ないで話せているか | ||
時間 | 時間は守れているか(3分以内) | |
合計 |
「丁寧に依頼するロールプレイ」の会話評価シート例
内容 | 依頼の前に、声掛けはできていたか(あのう、すみません、etc..) | |
丁寧に依頼できていたか | ||
依頼する内容を説明できていたか | ||
話の終え方は適切か | ||
文法や語彙は正しく使えていたか | ||
話し方 | 声の大きさ | |
話すスピード | ||
なめらかに話せていたか | ||
発音は聞きやすいか | ||
合計 |
会話評価シートの使い方
この評価シートをもとに、「よかったところ」「こうしたらもっとよくなる(改善点)」ことを学習者に伝えます。
授業後は学習者に評価シートを渡してあげれば、学習者自身で自分を振り返ることもできます。
学習者に渡すことを考えると、評価シートにコメント欄もあるといいかもしれませんね。
数字での評価は客観的な評価を書くので、コメント欄には主観的な評価(よかったところ、アドバイス)を書きます。
文法や言葉の使い方で間違いがあれば、評価シートにメモしておくことで、学習者は後から間違いに気づくことができます。
会話評価シートのメリットとデメリット
会話評価シートのメリットは、評価基準が明確になるので、どのようなことを学習者にフィードバックすればいいのかが分かりやすくなります。
デメリットは評価シートを内容に合わせて作るのは手間がかかることです。なので、以下のような簡単な評価シートで使いまわしてもいいと思います。
内容 | 内容はわかりやすかったか | |
目標は達成できたか | ||
話し方 | 声の大きさ | |
話すスピード | ||
なめらかに話せていたか | ||
発音は聞きやすいか | ||
合計 |
こんな感じで、ご自身がフィードバックしやすい評価シートを作ってみてくださいね。
会話の評価基準は学習者に伝える?
会話の評価項目は事前に学習者に説明したほうがいいです。
そうすることで、どんなことに気をつければいいのかわかりますし、自律学習にも繋がります。
会話の評価は教師からだけ?
会話の評価は「教師→学習者」だけでなく、「学習者⇔学習者」の相互評価をする方法もあります。
学習者同士で評価するときは、簡単な会話評価シートの方が評価しやすいです。
評価の言葉をわかりやすい言葉に置き換えたり、必要があれば( )内に英語を記入したりしましょう。
会話評価シートには相手の名前を書く欄を作り、一枚一枚切り離せるようにして、発表が終わったら、その会話評価シートを発表者に渡してもいいと思います。
クラスメイトを評価するとなると、今まで以上にクラスメイトの発表に耳を傾けるようになります。
【まとめ】会話評価には『会話評価シート』を作ると便利!
会話の評価方法について紹介しました。
今まで何となくで評価をしていたなら、会話評価シートを作成して、それをもとに学習者にフィードバックしてみてください。
評価基準があるだけで、毎回何をフィードバックしようかなぁと悩むことがなくなりますし、学習者の自律学習にもつながります。
ぜひスピーチやロールプレイなどの会話授業のときに、取り入れてみてくださいね。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。