授業の進め方

クラス内で日本語力にレベル差がある、どう対応する?|対処法4選

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「同じクラスでも日本語力に差があって、どう授業を進めればいいのか困っている…」

「できる学習者がつまらなそうにしている…」

「できない学習者がいて、なかなか授業が進まない…」

こんなことで困っていませんか?

 

クラス内で日本語力にレベル差があるとき、どうしたらいいのか悩みますよね。

私は日本語教師になったばかりのころ、できない学習者にばかり目がいってしまい、できる学習者にとっては退屈な授業をしていたと思います…。は、反省です…。

 

経験を重ねていくうちに、自分なりにクラスで日本語力にレベル差があるときの対処法がわかってきたので、

今回は、クラス内で日本語力にレベル差がある場合の対処法を紹介したいと思います。

(あくまで私の場合ですので、その点はご了承ください)

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

クラスで日本語力にレベル差があるときの対処法は、もしかしたら学校によって決まっているかもしれませんが、

今現在クラス内で日本語力のレベル差に悩んでいるなら、解決するきっかけになるかもしれません

ぜひ、参考にしてみてくださいね。

 

同じクラスでも日本語のレベル差があるのは当たり前?

疑問

クラス内で日本語のレベル差はある!

まず最初に、同じクラスでも日本語のレベルは一定ではなく、レベル差がある!ということをお伝えしておきます。

 

日本語学校では、入学したときにプレイスメントテストをして、学習者のクラスを決めます。

また、定期試験で次のクラスに進級できるかどうかが決まるので、クラス内の日本語レベルは一定のはず…と思われますが、そうじゃないんです。

 

理由は、

  • 日本語にレベル差があってクラスを分けたいけど、が足りないために同じクラスにするしかない。
  • 初級クラスがN5とN4レベルしかないため、ひらがな・カタカナがまだ定着していない学習者と国でテ形まで学習した学習者を同じクラスにするしかない。
  • N1を持っている学習者がいるけど、上級クラスがないため、これからN2を目指す学習者と同じクラスにするしかない。

こんなことがあるのが実情です。

 

クラス内でレベル差があるクラスは、授業の進度を誰に合わせる?

男性教師

授業の進度は真ん中ぐらいの学習者に合わせよう

授業の進度は、クラスで日本語力が真ん中ぐらいの学習者に合わせます

 

理由は、

できない学習者に合わせてしまうと、その他大勢の学習者にとっては授業が退屈になってしまい、やる気がなくなってしまう恐れがあるし、

できる学習者に合わせても、その他大勢の学習者はわからないまま授業が進み、最後の活動になって文型の意味がわかっていなかった…という恐れがあるからです。

なので、クラスの真ん中ぐらいの学習者に合わせて、授業を進めます。

 

レベル差があるクラスで気を付けたいこと

クラス内で日本語力にレベル差があるときに、気を付けたいことがあります。

それは、できる学習者は教師の質問に対して回答や発言をしてくれることが多いので、それを教師が学習者全員が理解している!と勘違いしてしまうことです。

 

できる学習者の発言は目立つので、教師も「わかっている!!」と思いがちですが、それは一部のできる学習者にすぎません。

なので、学習者の顔をよく見ることが大切です。

学習者の表情を見て、「わかった!!」という表情で判断できるようになりましょう

たのすけ
たのすけ
学習者の顔を見るのは、本当に大切だと思います。表情から、いろんなことが読み取れますよ~!

 

日本語のレベル差があるクラスの4つの対処法

解決策

それでは、クラス内で日本語力にレベル差がある場合、どう対処すればいいのか見ていきましょう!

日本語ができる学習者にミニティーチャーになってもらい「日本語」で解説してもらう

一つ目は、日本語ができる学習者に先生になってもらうことです。

日本語ができる学習者が退屈そう、つまらなそうにしていたら、日本語で説明してもらいます。

日本語で説明するって難しいんですよね。

 

日本語でアウトプットするのは自分の勉強にもなるし、

上手く説明できなければ、「もっと日本語を勉強したい!上手になりたい!」という意欲になり

上手に説明できれば、「日本語で説明できた!」という達成感になります。

たのすけ
たのすけ
できる学習者は嬉しそうに答えてくれますよ。

 

同じ国の学習者に母語でフォローしてもらう

二つ目は、同じ国の学習者に母語でフォローしてもらうことです。

同じ国じゃなくても、共通語があればいいです。

 

教室内はできるだけ日本語を使ってほしい!!と思っていますが、

実際は同じ国の学習者に母語で説明してもらうと、すんなり理解できる場合もあります

 

語学のセンスがいい学習者もいれば、そうじゃない学習者もいます。

だから、絶対日本語だけで教える!などにはこだわらなくていいと思っています。

 

人に教えるのは、自分にとっても勉強になることを知っていますか?

実は、人に教えたときが一番覚える!らしいのです。

学習者は授業で聞いたことは10%しか覚えていませんが、教えたときは90%身につくらしいです。≫詳しくはこちら

 

できる学習者に、「教えることは自分の勉強にもなるのでフォローしてほしい!」とお願いしておくのも一つの手だと思います。

たのすけ
たのすけ
本当は、授業以外の時間でフォローをしてもらえれば、一番いいです。

 

学習者のレベルによって質問内容を変える

三つ目は、学習者のレベルによって質問内容や質問の仕方を変えることです。

 

例えば、できない学習者には、

T:今度の日曜日、何をしますか?

S:渋谷へ行きます。

T:へぇ~、いいですね!誰と行きますか?

S:友達と行きます。

T:渋谷で何をしますか?

S:買い物します。

 

できる学習者には、

T:今度の日曜日、何をしますか?

S:渋谷へ行きます。

T:へぇ~、いいですね!〇〇さんは渋谷へ行ったことがありますか?

S:いいえ、ありません。初めて行きます。

T:渋谷で何をしますか?「たり」を使って答えてください。

S:買い物したり、レストランで食事をしたりします。

 

このように、学習者のレベルによって質問内容や質問の仕方を変えます。

(実際は、既習文法を使って質問をするので、質問の仕方はその状況に合わせなければなりません)

 

質問内容や質問の仕方を変えるのは、どちらかというと、できる学習者を退屈させないのが目的です。

できない学習者は、自分よりレベルの高いやり取りを日本語でする学習者を見て、

「自分ももっと日本語が話せるようになりたい!!」とモチベーションアップにつながり、いい効果が生まれると思います。

たのすけ
たのすけ
身近に「〇〇さんみたいに日本語が上手になりたい!」と思える目標の人がいれば、普段からやる気アップにつながります。

 

応用練習は日本語レベルによって課題を変える

四つ目は、応用練習の課題を日本語レベルによって変えることです。

授業には必ず学習目標があります。学習目標とは、その日の授業のゴールです。

初級授業の場合、「今日の授業を受けて何ができるようになったのか」を活動を通して体感します。

 

日本語ができる学習者には、少し難しい課題を与えるのもありです。

例えば、テーマを少し難しくするとか、会話を作るなら、1分ではなく、2分ぐらいの長い会話を作るとかです。

日本語のレベルが違うのですから、全員同じ課題をする必要はないと思います。

たのすけ
たのすけ
教師側も負担にならないように、できる範囲で学習者に合わせられたらいいですよね。

 

できない学習者への対応方法

対策

では、できない学習者への対応はどうしたらいいのでしょうか。

 

できない学習者には休み時間や授業後にフォローしたり、学習面談を行います。

単に勉強していないだけかもしれませんが、それは学習者と話してみないとわかりません。

 

勉強していないときや勉強のモチベーションが下がっているときは、何か問題を抱えている場合も多いです。

例えば、学費の支払い、アルバイト先での問題、寮での問題、国での問題(家族が病気など)を抱えているかもしれません。

 

できない学習者をそのままにするのではなく、フォローをするのも日本語教師の仕事です。

それについては「日本語教師として常々考えていること|学習者に対する5つの想い」の記事に、学習者に対する想いを書いていますので、よかったらご覧ください。

たのすけ
たのすけ
日本語力は一日で一気に伸びるものではないので、遅れている学習者がいたら、早めに対応したいですね。

 

【まとめ】レベル差があるクラスを上手くコントロールしよう!

女性教師

クラスで日本語レベルに差がある場合の対処法を紹介しました。

クラス内にはレベル差がないのが一番いいですが、レベル差は絶対あるものです。

たのすけ
たのすけ
最初は同じだったのに、進むにつれてレベル差が出てくることもあります。

 

もう一度、まとめます。

  • できる学習者にミニティーチャーになってもらい「日本語」で解説してもらう
  • 同じ国の学習者に母語でフォローしてもらう
  • 学習者のレベルによって質問内容を変える
  • 応用練習は日本語力によって課題を変える

 

クラス内で日本語力にレベル差があっても、できる学習者が退屈に感じたり、できない学習者がまったく授業についていけないことがないように、フォローしていきたいですね。

最初は難しいと思いますが、上手くクラスをコントロールしていきましょう!

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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