「あれ?先週学習した文法をもう忘れている・・・」
「新しい文法を勉強しても、実際に使えるようになっていないなぁ…」
日本語教師に方、こんなことを感じたことはありませんか?
学生が、勉強した日本語が「わかった」だけではなく、実際に「使える」ようになってほしいと思いますよね。
この記事を読めば、以下の疑問が解決します。
「学生の日本語力をアップしたい」
「学習した日本語が使えるようになってほしい」
と思っているなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
学習したことの定着率
学生は授業で学んだことは、どれぐらい覚えているの?

学生は授業で学んだことをどれぐらい覚えていると思いますか?
「100%?」「いやいやそんなことはないでしょ!」
「じゃあ、80%?」「うーん。それぐらいかなぁ・・・」
感覚値ですが、聞いているだけだとその場限りで、実際に身についていないことが多いです。
授業中は学習者も新しい文法や語彙を理解をしていますが、学習した内容を使えるようになって(身について)いるかは別なんですよね。
では、詳しく数字で見ていきましょう!
記憶の定着率は、数字で表すと何%?

吉田新一郎さんが書いた「効果10倍の<教える>技術」という本に、
『学生が授業で聞いたことがどのぐらい身についているのか』
が数字として書いてあるので、引用しますね。
聞いたことは、10%
見たことは、 15%
聞いてみたときは、20%
話し合ったときは、40%
体験したときは、80%
教えたときは、90%
引用元:2006年,PHP研究所,吉田新一郎『効果10倍の<教える>技術』P27より引用
この結果にびっくりしませんか?
私は最初にこの数字を見たときに衝撃を受けましたよ!!
「聞いたことは、10%」
「見たことは、15%」
この結果からわかることは、聞いて見ているだけでは全然身につかない、意味がないということです。
あんなに授業準備をしたのに、実際は学生は覚えていないなんて、、、悲しすぎますよね。
【参考】授業準備が終わらない!?~日本語教師の授業準備にかかる時間~
日本語力アップのために、できること
学習した日本語を「わかった」から「使える」日本語にする2つの方法
「効果10倍の<教える>技術」には、「体験したときは、80%」「教えたことは、90%」が身につくと書いてありました。
つまり、体験したり、教えるのが効果的です。
詳しく解説していきます。
1.学習したことを「体験する」

学生自身が覚えたことを「体験する」とは、実際に使ってみることです。
例えば、「~ていただけませんか?」の文法を学習したとします。
そしたら、「~ていただけませんか?」を使って、人に何かを頼むロールプレイをしてもいいし、街に行ってお店で店員に尋ねる活動をしてもいいと思います。
文法は聞いて見ているだけじゃ覚えません。実際に身につく(自分で使えるようにする)ためには、使って体験するのがいいです。
2.学習したことを誰かに「教える」

インプットだけでは、覚えません。インプットしたものを整理してアウトプットすることが大切です。
学習したことを定着させるために、学習したことを人に教えてもらいましょう。
人に教えることで、自分の中が整理できるし、記憶の定着にもなります。
例えば、学生がミニティーチャーになって、お互いに教え合うのがおすすめです。
自分が理解していないことは教えられないので、学生の理解が深まり、記憶にも定着します。
日本語教師が授業で気を付けること、ある?

学生の日本語力アップのために、日本語教師が授業で気をつけたいことは5つあります。
- 教師が話しすぎない
- 学生の発話を促す
- 話す時間を多くとる
- 学生自身で答えを導いてもらう
- 誤用はなぜ違うのか考えてもらう
授業では学生同士で話す時間を多くとったり、自分で考えて気づいてもらうよう心がけましょう。
教師はメインではなく、あくまでサブという考えです。
教師として覚えておきたいこと『学びの法則』
「効果10倍の<教える>技術」の本に、『学びの原則』といのが載っていたので紹介しますね。
どんなときに学生が学べるのか、参考になります。
- 人は皆、常に学んでいる
- 安心して学べる環境が大切である
- 積極的に参加できるとよく学べる
- 意味のある内容や中身を扱うことでよく学べる
- 選択できるとよく学べる
- 十分な時間があるとよく学べる
- 協力できるとよく学べる
- 振り返りとフィードバックがあるとよく学べる
- 互いに讃え合ったり、教える機会があるとよく学べる
引用元:2006年,PHP研究所,吉田新一郎『効果10倍の<教える>技術』P59より引用
【まとめ】自分で体験して人に教えることで、日本語は定着し「使える日本語」になる!

「効果10倍の<教える>技術」を参考に、どうやったら勉強した日本語が身について「使える日本語」になるのかを紹介しました。
ポイントは、
- 学習したことを「体験する」
- 学習したことを誰かに「教える」
日本語の授業中は、教師は以下のことを意識してみましょう。
- 教師が話しすぎない
- 学生の発話を促す
- 話す時間を多くとる
- 学生自身で答えを導いてもらう
- 誤用はなぜ違うのか考えてもらう
話し方のポイントについては「日本語教師が学生に「わかりやすく伝える」7つの話し方のテクニック」の記事をどうぞ。
やみくもに日本語を勉強しても、定着しておらず、使えるようにばりません。
今回紹介したことを意識して、より効率的に日本語が上達するようにサポートしていきましょう!
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以上たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。