日本語教師の方、「話したことを学生が理解できているのかな…」と不安に思ったことはありませんか?
学生が理解できるように「わかりやすく伝える」のって、難しいですよね。
私は人前で話すのが苦手で話も上手ではなかったので、日本語教師になったばかりの頃は、「あれ?今の言い方で本当に理解できたかな?」と不安に思っていました。
不安で学生の顔ばかりを見ていたおかげで、学生の顔を見て「理解できた」「理解していない」がわかるようになりました。
学生自身の日本語力の問題で理解できない場合もありますが、学生が理解できるように話せていない教師側に問題がある場合もあります。
でも、安心してください!教師側の問題なら、改善できます。大丈夫です!
この記事は、「日本語の授業で、学生にわかりやすく伝える方法」として、7つの話し方のテクニックを紹介しています。
この記事は、以下の人におすすめです。
わかりやすく伝えるにはテクニックがあって、その話し方のテクニックさえつかめれば、授業でわかりやすく伝えることができるようになりますよ。
日本語教師の方で「伝え方に不安がある」なら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
学生は聞いた日本語を100%理解できていない

学生は、聞いた日本語を100%理解できてはいません。
「わかりました」と返事をしていても、わかっていないときが多々あります。
学生は聞いたことを100%理解できるわけではないので、日本語教師は「学生がわかるように伝える」ことが大切です。
「相手に伝わる話し方を勉強できる」おすすめの本があるので、次で紹介しますね。
おすすめの本『わかる「板書」伝わる「話し方」』
おすすめの本は、『わかる「板書」伝わる「話し方」』の本です。この本は、どうやったら相手に伝わるのかを勉強できます。
『わかる「板書」伝わる「話し方」』の本は、現役の高校の数学教師である栗田正行さんが書いています。
現場を知らない専門家が書くよりも、実際に現場で教えられている先生の意見のほうが説得力がありますよね。
学校や学年・年齢に関わらず、実践に役立つ本だと思います。
学生に「わかかりやすく伝える」7つの話し方のテクニック
さっそく、7つの話し方のテクニックを紹介します。
それでは、詳しく解説していきます!
1.声に抑揚をつける

声の強弱
一つ目は声の強弱をつけることです。
授業中は常に大きい声で話した方がいいと思いがちですが、そんなことないんです!
一番いいのは、普段は声が普通で、大切なところは声が大きい話し方です。
普段は声が普通で、大切なところで声が小さい話し方も注意を引けるのでいいです。
「あれ?先生が静かになった!何だろう?」という心理が働くんですね。
大切なのは”ギャップ”です。
話すスピード
話すスピードは、意識して少しゆっくり話すぐらいがいいです。
特に大切なところは、ゆっくり話すと話した内容が記憶に残りやすいです。
授業のテンポを大切にしたいときは、少し早く話してもいいと思います。
”メリハリ”が大切です。
声の高低
声の高低によっても人に与える印象が違うので、意識しましょう。
高い声は、声の通りがよく相手に高揚感をもたらします。
低い声は、重圧さが増すので、説得力が出ます。
一番いい話し方は、低い声でゆっくり話すことです。
2.話の途中に「間」をあける

授業は途中で止まるよりも、ぺらぺら流れるように話す方がいいと思っていませんか?
そんな考えは捨てちゃいましょう!
学生が静かに聞いているときは「受動的」に聞いているだけなので、実は教師が話したことはあまり記憶に残っていません。
そこで、「間」をあけることで、「次に何を話すのか」を考えさせ、次の発言を期待させられます。
学生が「能動的」に聞くようになるのです。
最初は「間」をあけることを不安に思ったり、緊張したりするかもしれませんが、「間」をあけた方が話したことが学生の記憶にも残りやすいんです。
3.「聞き手」の反応をよく見て話す

学生の反応を見ながら話すのは当たり前!と思っているかもしれませんね。
そうなんです!当たり前なんですが、ご自身の授業を思い出してください。
板書をするとき、学生に背中を向けていませんか?
足のつま先は学生の方を向いていますか?
少なからずドキッとした人もいるのではないでしょうか。
「聞き手」をよく見るのは、今どのような状態で聞いているのか(わかっているのかいないのか)、指示に従っているのか、何か注意するべき変化はないかを常に確認するためです。
4.「要点」を短く伝える

伝えたいことが多いと、どうしても一文が長くなりがちになってしまいますよね。
しかし、それはNGですよ。
わかりやすく話すためには、要点だけを短く伝えることが大切です。
例えば、伝えるときに「ノートを開いて、書いて、プリントを貼って提出してください」は長すぎます。
「ノートを開いてください」
「ノートに書いてください」
「ノートにプリントを貼ってください」
「ノートを提出してください」
と細切れに話すことを意識しましょう。
10伝えたい場合は、2・2・2・2・2で伝えるイメージです。
5.「身近な具体例」は効果抜群

難しい話をするときは、例を用いて話しましょう。ポイントは「身近な具体例」であることです。
身近な具体例=共感する=わかりやすい
本にはトイレの花子さんが身近な具体例として紹介されていました。
「確かに!」って思いますよね。トイレの花子さんは身近な例だから怖いんですよね。
私はビビりなもので、小学校のときは絶対に3番目のトイレには入りませんでした!
学生にとっての身近な例とは、家族、趣味、学習者の国、日本語の勉強、アルバイト、日本の生活のことなど、自分の身近であればあるほど、わかりやすいです。
具体例は、話す相手によって変えましょう。
6.「話さない」ことを決める

授業をしていると、あれもこれも言いたくなってしまいますが、それはやめましょう!
いろんなことを話しすぎると「で、何が大切なの?」と結局伝えたいことが何かわからなくなってしまいます。
話すことを取捨選択して、本当に伝えたいことだけを言いましょう。
7.聞き手全員には「伝わらない」

2:2:6の法則を聞いたことがありますか?
10人いたら、熱心に話を聞いてくれる人は2人、6人はとりあえず聞いてくれている人たち、残りの2人は聞く気がない人です。
話すときは熱心に聞いてくれている2人の人に向かって話すといいです。
理由は、学生が熱心に話を聞いてくれると、「教師の自信になる→自信がつくので堂々と話せるようになる→学生にとっても聞きやすい」と、いい効果が生まれるからです。
【まとめ】「わかりやすく伝える」7つの方法は、すぐ実践できます!

「わかりやすく伝える」7つの話し方のテクニックを、もう一度まとめます。
- 声に「抑揚」をつける。
- 話の途中に「間」をあける。
- 「聞き手」の反応をよく見て話す。
- 「要点」を短く話す。
- 「身近な具体例」は効果抜群。
- 「話さない」ことを決める。
- 聞き手全員には「伝わらない」と思って話す。
「そうそう」「だよね」と共感する部分も多かったのではないでしょうか。
しかし、頭で「わかる」ことと、実際に「できる」ことは別物です。ぜひ意識してやってみてください^^
「わかりやすく伝える」7つの話し方のテクニックは、明日からでも実践できます。
日本語の文法を教えるときに、この導入文はわかりやすいかな?と考える前に、まずは基本の『伝わる「話し方」』ができているか確認しましょう。
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以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。