「おもしろくて楽しい日本語授業を目指しているけど、それってどんな授業?」
そんな疑問を持っていませんか?
日本語教師になったばかりの頃、そして今も「おもしろくて楽しい」授業をするのは永遠のテーマだと思っています。
きっとあなたもそう思っているのではないでしょうか・・・!?
私が新人日本語教師だった頃、授業放棄をした後は、授業に対して以下の3つのことを意識するようになりました。
「おもしろくて楽しい授業」を目指したいと思っていても、それがどんな授業なのかわからなければ目指すことができませんよね。
「日本語教師必携 ハート&テクニック」という本に”おもしろく楽しい授業”の条件が載っていたので、紹介したいと思います。
頭の中の抽象的だったイメージを具体的な言葉で表してくれたような感じです。
この記事は、本に書かれている内容をたのすけの意見を交えながら解説したものになります。
あなたが考える「おもしろくて楽しい授業」の条件と、ぜひ比べてみてください。
目次
『”おもしろくて楽しい授業”の条件』とは
「日本語教師必携 ハート&テクニック」では、以下のように書かれていました。
”おもしろくて楽しい授業”の条件
(1)好奇心が持てる
(2)安心できる
(3)チャレンジングである
(4)主体的である
(5)手ごたえがある
出典:浅倉美波・遠藤藍子・春原憲一郎・松本隆・山本京子『日本語教師必携 ハート&テクニック』アルク,2000年,P123
では、詳しく説明していきます。
好奇心が持てる
授業で「好奇心が持てる」とは、どういうことでしょうか?
好奇心とは、自分が知らないことだったり、自分の興味があることだったり、ワクワクするようなことですよね。
授業においては、学習者の好奇心をくすぐるような興味のある話題や面白い話題・新鮮な話題ならば、学習者は興味をそそられます。
例えば、日本文化に興味がある学習者に相撲の話をしたら目を輝かせたり、アニメが好きな学習者はアニメの話になると急に饒舌になりだしたり・・・
他にも教師自身のことを話したときも学習者は話に食いついてきたりします^^
授業以外でも学習者と会話をするようにしていると、学習者の興味・関心を知ることができ、授業に生かせますよ。
授業以外のときもアンテナを張り巡らせて、ぜひぜひ普段からちょっとしたことでも学習者と会話をするようにしてみましょう。
学習者が好奇心を持てるという意味では、いつも同じではなく「変化」も重要です。
例えば、いつもと違うペアやグループを組ませてみたり、教師の話し方にもメリハリをつけたりなどです。
大きい声で話すときもあれば静かな声で話すときがあったり、話すスピードに変化をつけたりするだけでも、メリハリのある授業になります。
重要なことを話すときは大きい声でと思いがちですが、いつも大きい声で話しているなら、いつもよりトーンを落として落ち着いた声で話すだけでも、「あれ??いつもと違う。よく聞いてみよう」と興味を持たせることができます。
他には、体を使って活動をしたり、実際にレアリアを使用して感覚で感じてもらったりするのも、いつもと違う「変化」です。
安心できる
「安心できる」とは、ストレスがない状態のことでもあります。
何か不安があったり不満があったりすると、それはストレスになります。
ここで重要なのは、学習者が授業中に迷子にならないようにすることです。
どういうことかと言うと、教師の指示がわからなくて何をしたらいいのかわからない状態や、説明が不十分で理解できなかったりする状態は、ストレスにつながります。
それらのストレスをなくす、ということです。
説明や指示を出すときは、「わかりやすく」「簡単に」を意識しましょう。
安心して学習するには、自信を持ってもらうことも重要です。
小さいことでも「できる」を感じてもらい、学習者の自信につなげましょう。
チャレンジングであること
「チャレンジングである」とは、やる気が出ることです。
では、どういったことがあれば、学習者はチャレンジングになるのでしょうか。
それは、2つあります。
与えられたことをただやるのではなく、適度に緊張を持ちながら成功や失敗を繰り返したほうが、より意欲を持って取り組めます。
それから、具体的な目標があると、どこに向かって頑張ればいいのかイメージがわきやすいです。
その日の学習目標や学期を通してのクラスの目標などは、教師が把握していればいいのではなく、学習者にも共有するといいですね。
教師は、その成果や目標に対してどうだったのかまでフィードバックできるといいのかなと思います。
主体的である
能動的なのと主体的なのと、どちらが学習意欲がわくでしょうか。
それは、明らかに主体的なほうだと思います。
能動的だと、どうしても「やらされている」と感じてしまうことがあります。
親に「勉強しなさい!」と言われると、急にやる気がなくなったりした経験はありませんか・・・?
しかし、主体的ならば、自分の意識の持ち方も違いますし、目標が達成できた時の達成感も全然違います。
学習者が主体的であるためには、教師は必要以上に指示を出したり、介入しないなど、気をつける必要があります。
また、何か問題があったなら、教師が解決しようとするのではなく、学習者が主体的に考えて行動し、それをサポートするという意識がいいと思います。
手ごたえがある
「手ごたえがある」とは、「日本語ができた!」「目標が達成できた!」と感じることです。
なので、学習者自身が日本語が上手になっている実感と達成感を感じることが重要です。
それは、日本語を学習するモチベーションにもつながります。
学習した日本語を使って日本人と話せた!と感じてもらうためには、実際にコミュニケーションに役立つ内容でなければなりません。
授業において、どういった練習や活動なら意味のあるものになるのかを考えたいですね。
それから、自分は今どのぐらいの位置にいるのか、どのぐらい日本語が上達したのかを振り返る時間を設けたりして、成長を実感できるようにしましょう。
実際に日本人と話す活動を設けたり、ビデオに撮って後から振り返って成長を確認するのもいいと思います。
【まとめ】いつまでも学び続けよう!
「日本語教師必携 ハート&テクニック」という本に書かれている『”おもしろく楽しい授業”の条件』を紹介しました。
あなたが考えている授業と比べてどうだったでしょうか?
同じこともあれば、違うこともあるかもしれません。
それは、人それぞれ価値観が違うように、人それぞれ自分が考える理想の授業があっていいと思います。
大切なのは、自分の考えだけを押し付けたりするのではなく、いろんな意見を柔軟に取り入れることなんじゃないかと思っています。
「もっといい授業をしたい!」「おもしろく楽しい授業を提供したい!」という想いは切りがありませんよね。
でも、そう思えなくなったら成長も止まってしまうし、「学習者のために」がなくなってしまうと思うのです。
教師も学習者と同じように、いつまでも学び続けることが大切なのかなと思います。
この記事で紹介した本です。
20年以上前の本になりますが、第一章の心構え編は今でも通じるものがあり勉強になる本です。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。