「教師用手引きと同じ導入をしたのに、学習者の理解度がイマイチだった・・・」
そんな経験はありませんか?
日本語教師になって、最初に苦労するのが教案作成だと思います。
私自身も、日本語教師になったばかりのころは、教案作成地獄・・・(笑)に追われていましたので、教案作成の大変さは本当によくわかります・・・。
そんなこともあり、教案はすべて最初からオリジナルで作ろうとするのではなく、まずは「教師用の手引き」や「先輩日本語教師の教案」を参考にさせてもらうことをお勧めしています。
「みんなの日本語」なら、教え方の手引きがありますよね。
ですが、教師用の手引きと同じように導入をしても、学習者の反応がイマイチだったり、理解がよくない場合があります。
その原因はどうしてでしょうか・・・?
そこで今回は、教師用手引きや先輩日本語教師の教案を参考にさせてもらうときに、どんなことに気を付けたらいいのかをお話ししたいと思います。
目次
教師用手引きと同じ導入をするときに気を付けたい3つのこと
導入文は学習者に合っているか
導入文を考えるときに一番大切なことは、「導入文が学習者にとって身近な例文であるか」です。
学習者にとって身近な例文とは、家族、国、街、アルバイト(仕事)、日本語の勉強、生活、趣味、興味・関心があることです。
自分の身近なことならば、導入文の場面や状況をイメージしやすく、学習する文型を「いつ・どんなときに使うのか」が理解しやすいです。
例えば、「~てはいけません」の導入文を考えるときに、
教師用の手引きには「美術館で写真を撮ってはいけません」と導入文があったとしても、学習者によって、導入文を変えたほうがいい場合もあります。
(たばこを吸う学者者なら)
- 教室でたばこを吸ってはいけません。
(自転車で通学している学習者なら)
- 学校の前に自転車をとめてはいけません。
(アルバイトをしている学習者なら)
- アルバイトのとき、携帯電話を見てはいけません。
教師用手引きに書かれているから、その導入文を使えば間違いないと思うのではなく、
「その例文は学習者にとって身近であるか、もっとわかりやすい例文はないかな」
と探してみることが大事です。
導入文を一番理解しやすい提示の仕方になっているか
導入のやり方は、いくつかあります。
ここで考えたいのは、「その導入の示し方が、一番わかりやすいか」です。
例えば、現在進行形の「~ています」の導入で、「歩いています」という導入があったとします。
絵カードで「歩いています」と提示することもできますが、
「歩きます」と言って、教師が教室を歩きながら、「今、先生は歩いています」と言った方が、「~ています」が現在進行形の動作を表すときに、わかりやすい場合もあるのです。
このように、その導入文を示すのに一番わかりやすい提示の仕方は何か、を考える必要があります。
教師用手引きに書かれていないことに注意する
教師用手引きには、導入文や導入のやり方は書いてあっても、書かれていないことがあります・・・!
それは、話し方や話すスピード、間の取り方、顔の表情、ジェスチャーなどです。
直接法で教えるときは、実は話し方、表情、ジェスチャーなどが、学習者が理解するのに大事になってくるのです。
これらは、教師用の手引きには書かれていません。
同じように導入しても、無表情で淡々と話すのと、表情を場面に合わせて、話し方を変えて、ジェスチャーをつけるとでは、学習者の理解しやすさは全然違います。
例えばですが、「中国は日本よりもとても大きいです」と淡々と言うよりも、
「とても大きい」のが伝わるように、ジェスチャーをつけながら、はっきりゆっくり言うのでは、後者の方がわかりやすいですよね。
気を付けたいポイントを紹介します。
- 導入文を淡々と話すだけになっていないか
- 話すスピードはどうか(新出文型のところは、ゆっくりはっきり言うなど、メリハリはあったか)
- 顔の表情はどうか(導入文や状況に合わせて、顔の表情も変えられていたか)
- ジェスチャーがあった方がわかりやすい場合は、ジェスチャーを交えていたか
- 学習者に体を向け、顔を見て話せていたか
【まとめ】100%真似をするのではなく、学習者によって変えたり「あなたらしさ」を追加しよう!
教師用の手引きや、先輩日本語教師の導入文を参考にするときに、気を付けたいことを3つ紹介しました。
- 導入文は学習者に合っているか
- 導入文を一番理解しやすい提示の仕方になっているか
- 教師用手引きに書かれていないことに注意する(話し方、表情、ジェスチャーなど)
楽しく日本語教師を続けていくために、授業準備は時短に!労力は減らすべき!と考えています。
なので、教師用手引きや先輩日本語教師の教案を参考にすることをお勧めしていますが、
100%真似をするのではなく、学習者に合わせて例文を変更したり、
導入の提示の仕方を工夫したり、
教師用手引きに書かれているない部分(声のスピード、表情、ジェスチャー)に気を付ける必要があると思っています。
特に、声のスピード、表情、ジェスチャーなどの使い方によって、同じ導入文を使って導入するにしても、教師によって、導入の示し方が全然変わってくると思います。
ここに「あなたらしさの教え方」があるのかな、と思っています。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。