「授業でいつも時間が足りなくなってしまう…」
日本語教師になったばかりの方で、こんな悩みを持っていませんか?
私も日本語教師になったばかりの頃、予定していたスケジュールが終わらないことがありました。
特に日本語教師になって、最初の2・3カ月目ぐらいまでは、いまいち授業の流れやペースがつかめずに、
学習項目が終わらなかったり、聴解や読解の時間に文法授業が押してしまうことがありました。
学習者や他の先生に迷惑をかけてしまい、いちいち落ち込んでいました。
日本語学校の場合は、一つのクラスを何人かの教師で受け持っている場合がほとんどだと思います。
予定していたスケジュールが終わらないと、自分の次に担当する教師に迷惑をかけてしまうことになり、
さらにはカリキュラムに沿って宿題まで決めている場合は、
学習者に出す宿題にまで影響が出てしまいます。
そうならないためにも、予定しているスケジュール通りに終わらせたいですよね。
この記事を読めば、「授業時間が足りなくなってしまう原因とその対処法」がわかります。
いつも授業時間が足りなくなってしまうという日本語教師の方は、ぜひご覧ください。
目次
授業時間が足りなかったら、教案の時間配分を確認する

授業時間が足りなくなってしまって、決められた学習項目が終わらなかった場合は、
まずは、教案の時間配分に無理がなかったか、振り返ってみましょう。
クラスの人数やクラスの理解力によってもかかる時間が変わってくるので、無理のない計画だったかを確認したいですね。
授業の時間配分の目安は、「導入:練習:活動=1:3:5」です。
上記以外には、ウォーミングアップの時間やまとめの時間として、1・2分は取っておきたいです。
【参考】日本語の「授業流れ」|初級文法の授業は5つのパートで組み立てます
教案の予定時間と実際の授業時間を比べれば、どこで時間がかかってしまったのかがわかります。
次では、初級の授業で時間が足りなくなってしまう原因とその対処法を紹介していきます。
授業で時間が足りなくなってしまう3つの原因とその対処法
授業の時間が足りなくなってしまう原因を3つに分けて考えてみました。
それでは、順番に解説していきます!
1.教師側の問題

授業の時間が足りなくなる教師側の問題としては、3つのことが考えられます。
説明に時間をかけすぎる
日本語教師になったばかりの頃は、
「学習者がわかっているかな…?」
と不安になって、ついついたくさん説明しようとしてしまいます。
しかし、説明が長いのは時間がかかりすぎるだけじゃなくて、学習者の混乱を招きます。
特に初級のうちは説明で使える文法や言葉も限られています。
話せば話すほど混乱して、学習者はわからないから質問する。それで、時間がかかるという負のスパイラルになりがちです。
説明は、簡単な言葉でシンプルが基本です。
初級の場合は言葉で説明するよりも、絵カードなどで場面設定を見せ、使うときの場面を提示した方が学習者もわかりやすいです。
絵カードを活用して、学習者の理解に役立てましょう。
準備したものをすべてやろうとして、時間がなくなる
日本語教師になったばかりで、教案に何でも詰め込みすぎていませんか?
時間が余る場合を想定してする活動や練習数を多めに準備しておくのはいいと思います。
しかし、準備したものすべてをやろうとすると、時間が足りなくなる場合もあります。
時間に余裕があればやる、余裕がないときはやらない!と、臨機応変に対応しましょう。
練習を多めに準備したとしても、学習者の理解度や時間を確認しながら、実際に授業でするものを取捨選択するのがおすすめです。
途中で授業から脱線してしまう
授業の途中で、授業から話が脱線しすぎてしまうと、その分時間が足りなくなるので注意しましょう。
私個人の意見としては、授業中に話が脱線してもいいと思っています。
もちろん、授業中に全然関係のない話をするわけではないですよ。
意味は、授業の中で新しい言葉を教える必要があったらそれを教えたり、学習者に質問した後にその話を広げたりという意味です。
ずーっと授業に集中するのも疲れますよね。
その時はちょっと休憩のつもりで、小話なんかしてもいいと思います。
話がどんどん脱線してしまうことに気をつけましょう。
昔は私もよくやりがちだったんですが、一つ話が脱線すると、その話に興味を持った学習者はどんどん質問をしてきます。
それに答えていると、あれよあれよという風に、話が脱線して時間が過ぎていってしまいます。
学習者によっては、授業より話を聞いたほうが面白いと思う学習者もいて、わざと脱線するように誘導してくる学習者もいました。
うまく話をコントロールして、軌道修正を忘れないようにしましょう。
2.学習者側の問題

授業の時間が足りなくなる原因は、学習者側に問題がある場合もあります。
学習者が理解するのに時間がかかる
クラスには、理解が早い学習者もいれば、時間がかかる学習者もいます。
一人の学習者がなかなか理解できないために、説明に時間がかかってしまい、次に進めないことがあるかもしれません。
そのときは、私だったら、理解できていない学習者が一人だったら次へ進んでしまいます。
本当は全員が理解して次に進むのがいいですが、クラスの場合はそうはいきません。
その学習者は、休み時間にフォローをします。
もしクラスのほとんどが理解できていないのであれば、導入や説明がわかりにくかったのかもしれません。
学習者の理解に時間がかかった場合は、導入や説明の仕方に問題がなかったか振り返りましょう。
次に同じ課を教えるときに、導入や説明の仕方を変えるなど、工夫できますからね。
ちなみに私がクラスの理解度をみるときは、クラスの真ん中ぐらいの成績の学生が理解できたかで理解度を確認するようにしています。
クラスの真ん中ぐらいの成績の学生が理解できていれば、「よし」とします。
学習者から質問がたくさんある
学習者から質問がたくさんあっても、それに答えていると時間があっという間に過ぎてしまいます。
質問はその時に答えたほうがいいのかどうかを見極めて、臨機応変に対応しましょう。
今の授業に関係あることなら、その場で質問に答えて、クラス全体で共有したほうがいいです。
今の授業に全く関係ない場合は、その場で答えなくてもいいと思います。
その場合は、私は次の休み時間に個別に対応をするようにします。
【関連】学習者から答えられない質問をされたときの3つの対処法|日本語教師の疑問
学習者の発話が長い
発話がとっても長い学習者がいます。
発話をするのはいいことなんですが、クラスとして学習している以上、その学習者の独壇場になってはいけないと思います。
教師が途中で話をうまく切り上げるなど、コントロールが必要です。
学習者が発話するまでに時間がかかる
教師が質問して、答えるまでに時間がかかる学習者もいます。
あまりにも長いようだったら、途中で助け船を出すなり、他の学習者に答えてもらうなりしたほうがいいです。
質問や練習の難しさによって、指す学習者を選ぶのも一つの手です。
できる学習者には難しい問題を当て、あまりできない方の学生は簡単な問題にするなど、内容によって指す学習者をわざと変えましょう。
しかし、「難しい問題はいつも〇〇さん」だと学習者がわかるようでは不公平感が出てしまいます。
学習者を見ていれば、「わかった!!理解できた!」ときにする表情がわかるようになります。
わかった学習者は発言したい場合も多いので、表情から理解できている学習者を指名できるのが一番いいと思います。
3.スケジュールの問題

そもそも授業のスケジュールに無理があるのかもしれません。
授業を振り返って、無理のない計画でスムーズに進んだのに、それでも学習項目が全然終わらなかった場合は、スケジュールを詰め込みすぎだったのかもしれません。
スケジュールを作成している教員に伝えると、次回のスケジュールを作るときの参考にできるので、
言いにくいかもしれませんが、遠慮せずに言ってもらって大丈夫です。
私もスケジュール作成をしていましたが、自分が担当しない場合は、作成したスケジュールでよかったのかどうかわからないので、
フィードバックとして意見をもらえると、とっても有り難かったです。
授業をスケジュール通りに終わらせるために、事前にできる対策

授業のシュミレーションをする
日本語教師になったばかりで授業に慣れていないなら、授業のシュミレーションをしておくことをおすすめします。
教案をもとに授業を頭の中で想像します。
そのときに、授業時間が予定より押していて、時間が足りなくなりそうなときに省けるところを頭の中に入れておきましょう。
何コマ目までにどこどこまで終わっていなかったら、ここは省く!練習を少なくする!
と決めておいてもいいと思います。
最初は一つ一つ考えるのも時間がかかると思いますが、だんだん授業に慣れてくれば、授業時間に合わせて臨機応変に対応できるようになります。
【まとめ】授業時間が足りなくなったときは、原因を探そう!

授業時間が足りなくなってしまう原因とその対処法を紹介しました。
原因がわかれば対策が取れるので、授業時間が足りなくなってしまったときは、原因を探してみましょう。
日本語教師になったばかりで授業に慣れていない頃は、
授業時間に合わせて授業を終わらせることやスケジュール通りに進めることは難しいです。
しかし、学習者には日本語で到達したいゴールがあって、ゴールに到達するために日々の授業があります。
スケジュールで決められた学習項目が終わらないと学習者の最終ゴールに影響が出るだけでなく、他の先生にも迷惑がかかってしまいます。
できるだけ、スケジュールがずれないように、授業時間が足りない!とならないようにしましょう。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。