初級授業で時間が余り、「ど、どうしよう…」と焦った経験はありませんか?
授業が滞りなく進んだのはいいのですが、
想定よりも時間が余ってしまったとき、何もやることを準備していなかったら、焦ってしまいますよね。
私は日本語教師になったばかりの頃、授業時間が足りなくなってしまったり、授業時間が余ってしまったりしました。
その時は、「余った時間、何しよう…」と焦っていました。
【関連】日本語の初級授業で、時間が足りなくなる3つの原因とその対処法
だんだん授業に慣れてくれば、時間調整ができるようになりますが、日本語教師になったばかりのころは、そう上手くいきません!
なので、時間が余った場合に〇〇をする!と決めておけば、その時になって慌てることはなくなりますよ!
この記事を読めば、以下の疑問が解決します。
「授業時間が余って困った経験がある」なら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
初級授業で時間が余ってしまう3つの原因
まずは、授業で時間が余ってしまう原因を考えてみましょう。
そもそも作成した教案の時間配分に無理があったかもしれませんが、ここでは原因を3つにわけました。
1.学習者の理解が早く、授業が滞りなく進んだ
初級の最初の頃や、理解しやすい文型の場合は、授業が滞りなく進むと、時間が余る場合もあります。
例えば、以下のようなことが考えられます。
このように、質問に回答する時間や間違えを訂正する時間がないので、授業が滞りなく進み、
教案作成で想定していた時間よりも、時間が早く終わります。
2.練習の時間が少なかった
導入の時間は、あまり教師によって差が出ないと思います。
しかし、練習はどのぐらい準備するかで、練習時間が異なります。
【関連】初級文法の練習方法9選|練習のバリエーションを広げたい日本語教師必見!
練習は学習者が形を覚えるためするもので、文型によって必要な練習数や方法は異なります。
しかし、練習時間が十分でない場合、授業の最後に時間が余ってしまいます。
3.スケジュールに余裕があった
もともとのスケジュールに余裕があって、時間が余ってしまうこともあります。
その課によって、教える文型が3つのときもあれば、6つのときもあります。
簡単で理解しやすい文型だからといっても、文型が6つあれば、文型の数だけ導入→練習→活動があるので、時間がかかります。
スケジュールに余裕がある場合は、事前に「時間が余りそうだな」と予想ができるので、事前に時間が余ることを想定して準備ができます。
初級授業で時間が余ってしまった場合の7つの対処法
時間も教案通りに進めばいいですが、いつも教案通りに進むとは限りませんよね。
初級授業で時間が余ってしまった場合の対処法を7つ紹介します。
あまり準備は必要ないので、時間が余ってしまった場合にすぐ使えると思います。
1.ディクテーションをする
ディクテーションは、初級の最初の頃におすすめです。
初級の最初のころは、ひらがな・カタカナを正確に覚えていない学習者もいますし、拗音、促音、長音などを実際に文字にすることは、なかなかできません。
また、濁音、半濁音も難しいです。
- 拗音:小さい「ゃ、ゅ、ょ」がつく文字
- 促音:小さい「っ」
- 長音:ー
- 濁音:「〝」がつく文字
- 半濁音:「゜」がつく文字
例えば、
①ざっし
②はっぴょう
③おはようございます
④サッカー
⑤ジュース
など、教師が発話して、ノートに書かせます。
そのあと、ホワイトボードに答えを書いて答え合わせをします。
慣れてきたら、単語ではなく文のディクテーションをさせてもいいと思います。
教科書から語彙を探せばいいので、準備もいらなく時間が余ったときにできるので、おすすめです。
2.絵カードで学習した文型の復習をする
絵カードで学習した文型の復習をするのも、授業時間が余ってしまった場合に、すぐにできる対処法です。
時間が3分だけ余ってしまった…など、数分だけ時間が余ったときに有効です。
「では、今日の復習をしましょう!」
と言って、絵カードを見せて、文を言ってもらいましょう。
記憶の観点からみても、最後にもう一度復習するのは、記憶の定着につながりやすく、おすすめです。
3.学習した文型を使って作文をする
学習した文型を使って作文をするのは、絵カードで復習するよりも難易度が上がります。
絵カードで復習するよりも時間がかかるので、時間が1・2分しか余っていないなら、おすすめはしません。
作文のいいところは、自分で文を考えるので、応用力がつくことです。
また、学習者に発表してもらって、発表者の人数で時間調整もできます。
4.動詞の活用を復習する
新しい動詞の活用を学習した場合は、余った時間にもう一度復習するのがおすすめです。
新しい活用を学習するときは、FC(フラッシュカード)を使用していると思うので、FCを使って復習ができます。
特に準備するものはないので、時間が余ってしまったときに、すぐにできます。
FCはこちらから無料でダウンロードできます≫教材無料ダウンロード一覧(FC)
FCで活用を復習するときは、学習者を順番に指し、誰かが活用を間違えたら授業が終わらない!全員ができるまでやる!などすると、ゲーム感覚で楽しくできます。
5.活動で発表する人数を増やす
クラス人数によっては、活動で全員が発表できるわけではありません。
発表者の人数を変えるのは、時間調整をしやすいので、おすすめです。
例えば、「みんなの日本語」では、練習Cをいつもは3ペアしか発表できないけど、時間に余裕があるから発表を5ペアにしようとか、時間調整をしやすいです。
また、スピーチなどの発表であれば、質疑応答の時間を設けたり、
ロールプレイなどでは他の学習者からコメントしてもらったりして、そこで時間調整をしてもいいと思います。
【関連】初級文法「活動」のやり方|4つの活動で「日本語の運用力」を手に入れよう!
6.学習した文型を使ってできる簡単な活動を考えておく
事前に準備は必要ですが、学習した文型を使ってできる簡単な活動を考えておくのもおすすめです。
活動によっては時間がかかるものもあるので、「この活動には何分ぐらい時間がかかるのか」を把握しておきましょう。
おすすめは、くろしお出版から出ている「おたすけタスク」です。
ゲーム感覚で楽しく、すぐに使える活動が紹介されています。
活動は実際のコミュニケーションで使う練習ができるので、日本語の応用力もつくので、おすすめです。
7.予定やスケジュールを話す
学校行事や試験の日程など、これからの予定やスケジュールの連絡をしてもいいと思います。
意外に、連絡事項を伝えると5分ぐらい時間がかかってしまうので、授業の最後に余った時間があれば、その時に伝えられるといいですね。
【まとめ】時間が余ってしまっても焦らず、対応しよう!
初級授業で時間が余ってしまった場合の対処法を7つ紹介しました。
授業終了の時間まで、せっかくの授業時間を無駄にしたくないですよね。
もう一度、まとめます。
1.ディクテーションをする
2.絵カードで学習した文型の復習をする
3.学習した文型を使って作文をする
4.動詞の活用を復習する
5.活動で発表する人数を増やす
6.学習した文型を使ってできる活動を考えておく
7.予定やスケジュールを話す
6以外は、事前準備をしなくても即興で対応できると思うので、すぐに使えます。
事前に時間が余りそうだなと思ったときは、「おたすけタスク」などで活動を準備しておくと、直前に慌てることもないし、余った時間を有意義に使えるのでいいと思います。
授業時間が余ってしまった場合は、教案にメモをしておきましょう。
どうして時間が余ってしまったのか考え次の授業に生かして、授業のレベルアップを図りたいですね!
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。