学習者に言われてドキッとするような、考えさせらるような言葉を言われたことがあるでしょうか・・・?
たのすけはあります・・・!
日本語教師2年目になってすぐのときに、学習者のある言葉から反省した出来事がありました。
今日は、そのことから何を学んだのか、授業で意識したいポイントをお話したいと思います。
目次
学習者の言葉から反省した出来事
場面は・・・
どんな状況だったのかというと、
その日は、JLPTの試験が近かったので、授業で模擬試験を実施しました。
たのすけが担当していたのは、N3~N1の学習者でした。
模擬試験が終わって自己採点をした後、まだ授業時間が余っていたので、何をしようかな?と思っていました。
(予想より自己採点が早かったので、時間が余ってしまいました)
N3の学習者たちから、残りの時間に「日本語の歌をやりたい!」との声がありました。
N3に上がった学習者は、初級の頃に授業で日本語の歌をときどきやっていたのですが、N3になってやらなくなってしまったので、また歌をやりたいとのことでした。
余った時間で日本語の歌をやることに、でもそれが・・・
N3の学習者が多かったこともあり、たのすけは、
「学習者もやりたいって言っているし、楽しくできそうだし、それがいいか!」
と思いました。
N3に上がったばかりの学習者とN1の学習者とでは日本語力に差があったので、日本語力の面からも、歌はいいなと思いました。
それで、授業の残りの時間に新しい日本語の歌をやることにしました。
「ちょっと待っててください」
と言って、歌詞を印刷しに行き、教室に戻ってきました。
「じゃあ、まだ時間が少しあるので、今日は日本語の歌を歌いましょう」
と言って、歌詞のプリントを配りました。
N3の学習者からは、
「やったー!!」
「先生、何の歌ですか?」
との声が上がりました。
「よかったよかった、喜んでくれている」
と思ったのですが、ところがです・・・!
あるN1の学習者からは、
「先生、これは何のためにしますか?」
と、質問が来ました。
目的を答えられない
正直、その時のたのすけはあまり深く考えていなくて、
「歌をやりたいって言っている学生がいるし、歌なら楽しくできそうだし、授業時間的にもちょうどいいかな?」
という安易な考えで、授業の残りの時間に歌をやることにしました。
それなので、学習者の「これは何のためにしますか?」と言われたときは、ドキッとして、ヒヤッと焦って、痛いところをつつれたような、そんな感じでした。
初級の頃は、日本語の歌をやる目的は、
という目的で、日本語の歌を授業に取り入れていました。
ですが、その目的は初級だからで、今ここで日本語の歌をやる目的を明確に答えられませんでした。
そのときは、「えーと・・・。今日は授業時間はあと少ししかないので・・・、日本語の歌を一つ覚えましょう!」と、よくわからない返答しかできませんでした・・・。
学習者の言葉から学んだこと
目的が大事!
あの時の学習者の「先生、これは何のためにしますか?」という言葉から、
授業で何かをやるときは、「それをする目的は何か」をきちんと考えなければならない、ということを学びました。
そりゃそうですよね…。
学習者は日本語が上手になりたくて、日本語を学んでいます。
学習者は、ただで日本語を学んでいるわけではありません。
お金を払って、日本語を学んでいます。
たのすけの考えが浅はかだったと反省した出来事でした。
学習者から、『目的が大事!』ということを教わりました。
目的を答えられるようにしておこう!
クラスで教えている場合は、学習者が授業で学びたいこと、やりたいことは、それぞれ違うと思います。
「私は文法の授業が好き」
「私は会話の授業をやりたい」
「読解の授業はやりたくない」
「聴解は授業でやらなくてもいい」
いろんな意見があると思います。
ですが、授業でそれをやる目的を教師が持っていれば、自信を持って「〇〇ができるようになるために、△△をやる」と言えますし、
学習者が「これは意味があるのかな?」と疑問に思ったときも、その理由を説明できるので、
学習者から不平不満は出ないかなぁと思います。
目的を考えれば、授業で何をすればいいのかが見えてくる!
このような経験を通じて、授業をするときは、目標(ゴール)が大切だと思っています。
練習一つをとっても、その練習をやる目的は?を考えると、どんな練習方法がいいのかが明確になってきます。
例えば、
- 文法の形を覚えてほしいから、代入練習をする
- 正しい形に接続する練習をしたいから、変換練習をする
- 場面を日本語で言えるようになってほしいから、絵カード練習をする
- 自分で文を作れるようになってほしいから、作文練習をする
などですね。
反省を次に生かせばいい!
このように、目的を考えれば、授業で何をしたらいいのかが見えてきます。
当時のたのすけは、学習者の「先生、これは何のためにしますか?」という言葉が、胸にグサッと刺さりました。
安易に考えていた自分が恥ずかしくなりました・・・。
あの時は、「なんて自分はダメなんだろう・・・」とかなり落ち込んだのですが、
今思うと、あの出来事があったからこそ、その反省を生かして、『授業の目標(ゴール)』や『目的』を意識するようになりました。
あの学習者には、感謝しています。
授業をするときは、「何でこれをやるのかな?」という目的を意識してみてくださいね。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。