できる日本語

【教案】できる日本語|初中級L13(ST1)

たのすけ
たのすけ
できる日本語の初中級L13(ST1)の教案です。L13(ST2)はこちらです。
教案の見方

N:名詞、V:動詞、イA:い形容詞、ナA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント

【概要】できる日本語 初中級L13(ST1)

Can-do

Can-do
テレビや街中で気になることを見かけたとき、それについて意見を言ったり、それに関する自分の経験を話したりすることができる。
ST1自分の子どものころの経験を交えながら、簡単に意見を言うことができる。

 

学習項目

学習項目
ST1使役動詞
Vのを見ました
Vていました(過去の習慣)

 

【教案】できる日本語初中級 L13(ST1)

話してみよう

絵を見ながら、TからSに質問する。以下、質問例。

(上)

  • 何をしていますか。
  • 子どものとき、習い事をしましたか。
  • 子どものとき、何を習いたかったですか。
  • 今、習いたいことはありますか。

(左)

  • これは何ですか。
  • 野菜は好きですか。
  • 子どものころ、食べられない野菜、嫌いな野菜があったとき、お母さんはどうしましたか。

(右)

  • 小学生のころ、どんな子どもでしたか。
  • よくした遊びは何ですか。
  • 家の手伝いをよくしましたか。何をしましたか。
  • 子どものころ、両親は厳しかったですか。

 

聞いてみよう

CDを聞く。(CD:C28)

 

【教案】できる日本語初中級 L13(ST1)

Can-doの確認

自分の子どものころの経験を交えながら、簡単に意見を言うことができる。

 

状況イラストの確認

  • ここはどこですか。
  • この人たちは誰ですか。何をしていますか。
  • 子どものころ、塾へ行きましたか。

 

【チャレンジ1】使役動詞

チャレンジの絵・導入

(1枚目のイラストを指して)

T:マルコさんがパクさんに言いました。「人がたくさん集まっていますね」そのあと、パクさんは何を言いますか?
S:あそこは塾です。お母さんとお父さんは子どもを待っています。

(2枚目のイラストを指して)

T:子どもですね。パクさんは子どもを見て、何と言いましたか?
S:子どもたちが出てきました。
T:そうですね。子どもたちが出てきましたね。

(3枚目のイラストを指して)

T:マルコさんは言います。親…?子ども…遊ぶ?
S:私が親なら、子どもは遊びます。走ります。
T:パクさんはどうですか?
S:将来のために、子どもは塾へ行きます。
T:親は子どもに何と言いますか?
S1:塾へ行け。
S2:勉強しろ。
T:はい、それではCDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:ここは塾で、親が子どもを待っていますね。3枚目のイラストでマルコさんは何と言いましたか?私が親だったら?
S:私が親だったら、小さいときはもっと子どもを遊ばせるけど・・・
T:そうですね。パクさんは何と言いましたか?
S:あの子の将来のために、いろいろ習わせているんだと思うよ
T:はい、いいですね。

(板書して、リピート)

  • 子どもを遊ばせるけど…。
  • いろいろ習わせているんだと思うよ。

T:「遊ばせる」「習わせる」は使役動詞です。今日は使役を勉強します。では、使役動詞の作り方を勉強しましょう。

使役動詞の作り方

(Ⅱグループから順番に使役詞の作り方をする)

Ⅱグループ(eます⇒eさせます)
覚えます⇒覚えさせます
調べます⇒調べさせます

Ⅲグループ
します⇒させます
来ます⇒来させます

Ⅰグループ(iます⇒aせます)
行きます⇒行かせます
持ちます⇒持たせます
遊びます⇒遊ばせます

(FCで練習する)
*使役動詞のFCはこちら⇒【教材無料ダウンロード】使役動詞FC

T:使役動詞はすべてⅡグループです。

 

導入①(強制・自動詞の使役)

T:この絵を見てください。部長です。田中さんです。

部長は田中さんを出張させます

T:田中さんはどこへ行きますか?
S:アメリカ?
T:どうしてアメリカへ行きますか?
S:たぶん、出張です。
T:どうして田中さんはアメリカに出張しますか?
S:部長が田中さんに「アメリカに出張してください」と言ったからです。
T:そうです。部長は田中さんに「アメリカに出張してください」と言いました。だから、田中さんは出張します。部長は田中さんを出張させます

T:田中さんの気持ちはどうですか?
S:嬉しいです。
S:嫌です。
T:田中さんは嬉しいかもしれません、嫌かもしれません。もし嫌でも、部長が言ったので、出張しなければなりません。

T:この絵を見てください。

先生は学生を立たせます

T:今、授業をしています。あれ、学生は今・・・どうですか?
S:寝ています。
T:そうですね。授業中なのに、寝ています。先生は・・・?
S:怒っています。
T:そうです。先生は怒っています。ですから、先生は学生に「立ってください」と言いました。先生は学生を立たせます。学生は立たなければなりません。

(板書して、リピート)

  • 部長は田中さん出張させます
  • 先生は学生立たせます

★<人>自動詞の使役動詞

T:「出張させます」「立たせます」は、さっき勉強しましたね。何動詞ですか?
S:使役動詞です。
T:そうです。使役動詞を使うとき、使役と言います。「部長は田中さんを出張させます」は、誰が出張しますか?
S:田中さんです。
T:「先生は学生を立たせます」は、誰が立ちますか?
S:学生です。
T:田中さんと学生の気持ちはどうですか?
S:嫌です。
T:そうです。使役のとき、する人は「を」の人ですね。する人は嫌な気持ちがあります。「出張します」「立ちます」は自動詞なので、助詞は「を」を使います。

  • 使役は、主語が人に何かをさせることを表す。
  • 使役には意味が「強制」と「許容」の2つある。さらに、自動詞の使役と他動詞の使役がある。
  • ここでは、強制の自動詞の使役。
  • 行為をする人は「を」で表す。
  • 学習者にとって、使役表現は誰がその行為をさせ、誰がその行為をするのかが難しい。

 

導入②(強制・他動詞の使役)

T:この絵を見てください。

yasaiwotabesasemasu

T:子供は何をしていますか?
S:食事しています。
T:そうですね。お母さんは子供に何か言います。何を言うと思いますか?
S:野菜を食べてください。
T:子供は野菜が好きですか?
S:たぶん、好きじゃありません。
T:そうですね。子供は野菜が嫌いです。でも、お母さんは子供に「野菜を食べてください」と言います。お母さんは子供に野菜を食べさせます。「食べさせます」は何動詞ですか?

S:使役動詞です。
T:子供の気持ちはどうですか?
S:嫌です。
T:そうですね。野菜が好きじゃありませんから、嫌な気持ちです。

T:今何をしていますか?

kanjiwooboesasemasu

S:漢字を勉強しています。
T:そうですね。漢字を勉強しています。漢字・・・難しいですよね。漢字を覚えるのは大変です。
でも、先生は学生に「漢字を覚えてください」と言います。学生は覚えなければなりません。では、使役動詞を使って言ってみましょう。先生は・・・
S:先生は学生を?に?漢字を覚えさせます。
T:先生は学生に漢字を覚えさせます

(板書、リピート)

  • お母さんは子供野菜食べさせます
  • 先生は学生漢字覚えさせます

★<人>・・・他動詞の使役動詞

T:さっきは自動詞の使役を勉強しました。「食べる」「覚える」は他動詞です。他動詞のとき、する人は「に」です。

  • 強制・他動詞の使役。
  • 行為をする人は「に」で表す。(自動詞は「を」を使うので、使い分けが難しい場合は、一つの文で「を」は2回使わないと伝える)

練習

①絵カード練習

②別冊:言ってみよう P48(1)練習2・練習3

 

導入③(許容・自動詞の使役)

T:授業中にトイレへ行きたいとき、どうしますか?
S:先生に聞きます。
T:何と聞きますか?
S:トイレへ行ってもいいですか?
T:そうですね。先生は、「いいですよ」と言います。学生はトイレへ行けますね。先生は学生をトイレへ行かせます

先生は学生をトイレへ行かせます

T:このとき、学生はどんな気持ちですか?
S:嬉しい気持ちです。
T:そうですね。「行かせます」は使役ですが、学生に嫌な気持ちはありません。使役には、嫌な気持ちと、もう一つ「いいですよ」の意味があります。

T:絵を見てください。子供はお父さんにお願いをしています。何をお願いしていますか?

お父さんは子供をアメリカへ留学させます

S:アメリカ…アメリカに留学したいです。
T:お父さんは、何と言いますか?
S:いいですよ。
T:お父さんが「いいですよ」と言ったので、子供はアメリカに留学します。では、使役を使って言いましょう。お父さんは・・・
S:お父さんは子供をアメリカに留学させます

(板書して、リピート)

  • 先生は学生トイレへ行かせます
  • お父さんは子供アメリカに留学させます

★<人>他動詞の使役動詞

T:この時は、嫌な気持ちはありません。学生はお腹が痛いので、トイレへ行きたいです。先生が「いいですよ」と言ったので、トイレへ行けます。子供はアメリカに留学したいです。お父さんが「いいですよ」と言ったので、アメリカに留学できます。

T:「行きます」「留学します」は自動詞です。自動詞なので、「人を」になります。

  • 許容・自動詞の使役。
  • 行為をする人は「を」で表わす。

 

導入④(許容・他動詞の使役)

T:Sさんは学生のとき、アルバイトをしたことがありますか?
S:はい、あります。
T:何をしましたか?
S:レストランで料理を作りました。
T:おお~、そうですか。その時、親にアルバイトをしたいと言いましたか?
S:はい、言いました。親は「いいですよ。頑張って」と言いました。
T:そうですか。では、使役で言います。親は私にアルバイトをさせましたこれは、嫌な気持ちじゃない使役ですね。

T:この絵を見てください。子供はお父さんに何をお願いしていますか?

お父さんは子供にピアノを習わせます

S:ピアノを習ってもいいですか?
T:そうですね。お父さんは「いいですよ」と言いました。では、使役にしてみましょう。お父さんは・・・
S:お父さんは子供を?に?ピアノを習わせます。
T:「習います」は他動詞です。他動詞のときは?を?に?
S:に
T:では、もう一度言ってください。
S:お父さんは子供にピアノを習わせます

(板書して、リピート)

  • 親は私アルバイトをさせました
  • お父さんは子供ピアノを習わせます

★<人>・・・他動詞の使役動詞

T:この使役も、嫌な気持ちはありません。「する」「習う」は他動詞なので、「人に」になります。親が「いいですよ」と言ったので、Sさんはアルバイトをしました。お父さんが「いいですよ」と言ったので、子供はピアノを習います。

  • 許容・他動詞の使役。
  • 行為をする人は「に」で表す。(自動詞は「を」を使うので、使い分けが難しい場合は、一つの文で「を」は2回使わないと伝える)

練習

①絵カード練習

②別冊:言ってみよう P49(1)練習4・練習5

③本冊:言ってみよう P184(1)

 

【チャレンジ2】Vのを見ました

チャレンジの絵・導入

(上のイラストを指して)

T:パクさんとマルコさんが何かを見て話しています。パクさんはマルコさんに何を言いますか?
S:子供たちが遊んでいるよ。

(下のイラストを指して)

T:マルコさんがパクさんに話します。この間・・・
S:この間、公園で子供たちが野球をしました。見ました。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:マルコさんはこの間は、何を見たと言いましたか?
S:この間は、公園で子供たちが野球をやっているのを見たよ
T:はい、そうですね。

(板書して、リピート)

  • 子どもたちが野球をやっているのを見たよ。

T:次は「~のを見ました」を勉強します。

導入

(学生の例があれば学生の話で導入)

T:この間、王さんがコンビニへ行きます。見ました。王さんがコンビニへ行くのを見ました

王さんがコンビニへ行くのを見ました

T:キムさんは、昨日アルバイトがありましたか?
S:はい、ありました。
T:先生は、知っています。キムさんがアルバイトをしていました。先生は見ました。キムさんがアルバイトをしているのを見ました

キムさんがアルバイトをしているのを見ました

T:さっき、誰かが荷物を置きました。見ました。誰かが荷物を置いたのを見ました

誰かが荷物を置いたのを見ました

(板書して、リピート)

  • 田中さんコンビニへ行くのを見ました
  • 王さんアルバイトをしているのを見ました
  • 誰か荷物を置いたのを見ました

★Vじしょ形/Vている形/Vタ形+のを見ました

T:「~のを見ました」は、前、見たことを言うときに使います。動詞は、辞書形・ている形・タ形を使います。「人は」じゃなくて、「人が」になります。

練習

①変換練習(例)

T:図書館で勉強しています S:図書館で勉強しているのを見ました
T:子供が電車に乗ります S:子供が電車に乗るのを見ました

②作文練習(例)

・友達が_______のを見ました。
・__さんが_______のを見ました。

③別冊:言ってみよう P49(2)

④本冊:言ってみよう P184(2)

 

【チャレンジ3】Vていました(過去の習慣)

チャレンジの絵・導入

(上のイラストを指して)

T:マルコさんは自分が子供のころを思い出しています。マルコさんは子供のころ、よく何をしましたか?
S:サッカーをしました。

(下のイラストを指して)

T:マルコさんは何が大切?
S:勉強です。
T:でも・・・?
S:遊びます、もっと大切です。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:マルコさんは子供のころ、何と言っていましたか?
S:子供のころは、よくサッカーをして遊んでいたよ
T:いいですね。

(板書して、リピート)

  • 子どものころは、よくサッカーをして遊んでいたよ。

T:「~ていました」は、子供のとき、学生のとき、前の習慣を言うときに使います。

導入

T:Sさんは、子供のころ、よく何をしましたか?
S:テレビを見ました。
T:では、「~ていました」を使って言うと?
S:テレビを見ていました。
T:そうです。Sさんは子供のころ、よくテレビを見ていました。

T:私は高校生のころ、スーパーでアルバイトをしていました。Sさんは高校生のころ、アルバイトをしていましたか?
S:いいえ、しませんでした。
T:そうですか。高校生のころ、アルバイトをしていませんでした。

(板書して、リピート)

  • 子どものころ、よくテレビを見ていました
  • 高校生のころ、アルバイトをしていませんでした

★Vテ形+いました

  • 「~ていました」は、過去の習慣を表す。

練習

①QA練習(例)

・子供/中学生/高校生/大学生のころ、何をしていましたか?何をしていませんでしたか?

②別冊:言ってみよう P50(3)

③本冊:言ってみよう P181(3)

 

やってみよう

①CDを聞いて、答える。

②イラストを見て、ペアやグループで話をする。

 

以上、たのすけでした。

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