できる日本語

【教案】できる日本語|初中級L13(ST2)

たのすけ
たのすけ
できる日本語の初中級L13(ST2)の教案です。L13(ST1)はこちらです。
教案の見方

N:名詞、V:動詞、イA:い形容詞、ナA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント

概要】できる日本語 初中級L13(ST2)

Can-do

Can-do
テレビや街中で気になることを見かけたとき、それについて意見を言ったり、それに関する自分の経験を話したりすることができる。
ST2子どものころ受けた教育で今の自分に影響を与えていることについて話すことができる。

 

学習項目

学習項目
ST2NばかりVています/Vてばかりいます
使役受身
Vせてくれます/Vせてもらいます

 

【教案】できる日本語 初中級L13(ST2)

状況イラストの確認

  • ここはどこですか。
  • この写真は誰と誰の写真だと思いますか。

 

【チャレンジ1】NばかりVています/Vてばかりいます

チャレンジの絵・導入

(左のイラストを指して)

T:パクさんは何を見ていますか?
S:写真を見ています。
T:パクさんは写真を見て、山口さんに聞きます。何を聞きますか?
S:この人は山口さんのお母さんですか?

(右のイラストを指して)

T:パクさんは写真を見て、「優しそう」と言いました。でも、山口さんは「えー!!優しくなかったよ」と言いました。どうしてですか?
S:子供のころ、よく叱られましたから。
T:どうして叱られたんですか?
S:よくテレビを見ていましたから。
T:そうですか。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:どうして叱られたと言っていましたか?
S:毎日テレビばかり見ていたから、よく叱られた
T:はい、そうです。

(板書して、リピート)

毎日テレビばかり見ていたから、よく叱られた。

T:今日は、「~ばかり…ています」を勉強します。意味は、「いつもいつもしている」という意味です。あまりいい意味じゃありません。いつもいつもテレビを見て、困りました・・・の意味があります。

導入

T:この絵を見てください。美味しそうですね。何を食べていますか?

甘いものばかり食べています

S:甘いもの・・・プリン?
T:そうですね。甘いもの(プリン)を食べています。それから、ご飯を食べないで、チョコレート、ケーキ・・・いつもいつも、甘いものを食べています。甘いものばかり食べています
T:「甘いものばかり食べています」は、「甘いものを食べてばかりいます」と言ってもいいです。

T:みなさんは、よく携帯電話でメールをしますか?
S:はい、します。
T:いつしますか?
S:夜、テレビを見ているとき、寝る前です。
T:そうですか。先生には、高校生の娘がいます。娘は、ご飯を食べているとき、テレビを見ているとき、お風呂に入っているとき、いつもいつもメールをしています。メールばかりしていますメールをしてばかりいます、もいいです。

(板書して、リピート)

  • 甘いものばかり食べています。=甘いものを食べてばかりいます
  • メールばかりしています。=メールをしてばかりいます

★NばかりVています
★Vてばかりいます

T:この「NばかりVています」「Vてばかりいます」は、いつもいつも、それだけをするときに使います。「甘いものばかり食べています」は、ご飯、野菜、魚を食べないで、いつもいつも甘いものを食べます。「メールばかりしています」は、勉強しないで、いつもいつもメールをしています。「~ばかりいます」はあまりいい意味じゃありません。

  • 厳密には「NばかりVています」と「Vてばかりいます」はニュアンスが異なる。(例1)漫画ばかり読んでいます。→小説などの他の本を読まないで、漫画だけを読んでいる。 (例2)漫画を読んでばかりいます。→勉強したり、友達と遊んだりしないで、いつもいつも漫画を読んでいる。

練習

①変換練習(例)*言い方が2通りあるので、どちらを練習するのか伝える。

NばかりVています
T:漫画・読みます S:漫画ばかり読んでいます
T:テレビ・見ます S:テレビばかり見ています

Vてばかりいます
T:遊びます S:遊んでばかりいます
T:お酒・飲みます S:お酒を飲んでばかりいます

②作文練習(例)

・子供のころ、________。
・家にいるとき、________。
・___________。

③別冊:言ってみよう P50(1)

④本冊:言ってみよう P184(1)

 

【チャレンジ2】使役受身

チャレンジの絵・導入

(左のイラストを指して)

T:山口さんとパクさんが話しています。山口さんが子供のころの話をしています。山口さんの岡さんは、山口さんに何をさせましたか?
S1:毎日勉強させました。
S2:掃除させました。
S3:料理を作らせました。

(右のイラストを指して)

T:山口さんは、子供のとき、毎日勉強したり、掃除したり、料理を作ったりしました。どうでしたか?
S:大変でした。
T:そうですね。でも、今はどう思っていますか?
S:掃除、洗濯、料理ができるようになったので、よかったです。
T:素晴らしいですね。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:山口さんは、お母さんに毎日勉強させられたし、掃除や料理も手伝わされたと言っていました。その時、どんな気持ちでしたか?
S:嫌でした。
T:そうですね。でも、今はどうですか?
S:とても感謝しています。

(板書して、リピート)

毎日勉強させられたし、掃除や料理も手伝わされた

T:「勉強させられた」「手伝わされた」は、使役受身動詞です。次は、使役受身を勉強します。この間勉強した使役の受身形です。まずは、使役受身の作り方を勉強しましょう。

使役動詞の作り方

(Ⅱグループから順番に使役詞の作り方をする)

*まずは、使役動詞を作ってもらい、それを受身にする。

Ⅱグループ(させます⇒させられます)
覚えます⇒覚えさせます⇒覚えさせられます
やめます⇒やめさせます⇒やめさせられます

Ⅲグループ
します⇒させます⇒させられます
来ます⇒来させます⇒来させられます

Ⅰグループ *作り方は2通りあります

作り方①(aせます⇒aせられます)
行きます⇒行かせます⇒行かせらます
持ちます⇒持たせます⇒持たせられます
飲みます⇒飲ませます⇒飲ませられます

作り方②aます⇒aれます)

行きます⇒行かせます⇒行かされます
持ちます⇒持たせます⇒持たされます
飲みます⇒飲ませます⇒飲まされます

*サ行の動詞は、作り方①のみ
話します⇒話させます⇒〇話させられます ×話さされます
直します⇒直させます⇒〇直させられます ×直さされます

(FCで練習する)
*使役受身動詞のFCはこちら⇒【教材無料ダウンロード】使役受身動詞FC

  • 使役受身動詞は、使役動詞を受身の形にした方がよい。(理由は、すでに受身の作り方は既習のため)
  • Ⅰグループの使役受身動詞は、2通りある。作り方②は、作り方①が省略された形。会話では、作り方②の使役受身動詞を使うことが多い。
  • Ⅰグループのサ行の動詞(話す、直すetc…)は、作り方②の形を取ることはできない。

 

導入

T:この絵を見てください。私は子供のとき、野菜が嫌いでした。でも、お母さんは「野菜を全部食べてください」と言いました。使役で言うと、お母さんは・・・

yasaiwotabesasemasu

S:お母さんは私に野菜を食べさせました。
T:はい、そうです。では、これを使役受身にします。私はお母さんに野菜を食べさせられました。私は野菜が嫌いです。だから、野菜を食べたくないです。でも、お母さんが「野菜を食べてください」と言うので、食べました。あ~、嫌です・・・おいしくないです。

T:この絵を見てください。私です。部長です。

私は部長にお酒を飲ませられます

T:部長はお酒がとても好きです。飲み会のとき、いつも「お酒を飲め、飲め!」と言います。まず、使役で言いましょう。部長は・・・
S:部長は私にお酒を飲ませます。
T:そうです。私はお酒が嫌いなので、飲みたくないです。嫌です。部長が「飲め、飲め!」と言うので、お酒を飲みます。使役受身にします。私は・・・
S:私は部長にお酒を飲ませられます
T:「飲ませられます」の違う言い方は?
S:飲まされます。
T:はい、そうですね。

(板書して、リピート)

私はお母さんに野菜を食べさせられました 私は部長にお酒を飲ませれます

T:使役受身は、誰かが私に何かをさせた時に使います。使役受身を使うときは、いつも嫌な気持ちがあります。する人は「~は」の人で、嫌だなぁと思っています。させる人は「~に」の人です。

  • 使役受身を使うときは、他人に強要されて私が嫌な行為をしたとき。嬉しくない・嫌な気持ちがある。
  • 使役のときは、自動詞・他動詞によって、助詞が「を」か「に」か変わったが、使役受身のときは、助詞はいつも「に」を使う。
  • 行為をする人は「~は」で、行為をさせる人は「~に」の人になる。

練習

①絵カード練習

②QA練習

・子供のとき、親・兄弟に何をさせられましたか?

③別冊:言ってみよう P51(2)

④本冊:言ってみよう P184(2)

 

【チャレンジ3】Vせてくれます/Vせてもらいます

チャレンジの絵・導入

(左のイラストを指して)

T:山口さんのお母さんは、山口さんが子供のころ、勉強、掃除、料理をさせました。山口さんはパクさんのご両親はどんなご両親だった?と聞きました。パクさんは何と答えますか?
S:教育熱心だった。
T:子供のパクさんです。お父さんお母さんに何と言っていますか?
S:お願い・・・します?

(右のイラストを指しながら)

T:パクさんは小学生のとき、高校生のとき、どんなお願いをしましたか?
S:小学生のときは、水泳を習いたいです。高校生のときは、友達と旅行に行きたいです。
T:パクさんは親になったら、どうしたいですか?
S:子供のお願いを聞きます。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:パクさんのご両親は教育熱心でしたが、厳しくなかったです。やりたいことは・・・何と言いましたか?
S:やりたいことはだいたいさせてくれたよ
T:例えば?
S:小学生のときは水泳を習わせてもらったし、高校生のときは友達と旅行に行かせてもらった
T:わぁ~、いいですねぇ。パクさんは両親にどんな気持ちですか?
S:ありがとうです。

(板書して、リピート)

  • やりたいことはだいたいさせてくれたよ。
  • 小学生のときは水泳を習わせてもらったし、高校生のときは友だちと旅行に行かせてもらった

T:次は、「使役動詞のテ形+くれます」「使役動詞のテ形+もらいます」を勉強します。

導入(Vせてくれます/Vせてもらいます)

T:みなさんは、日本へ留学に来るとき、親にお願いをしましたか?
S:はい、しました。
T:そうですよね。親に「日本に留学したい」と言って、日本へ来ました。私は親に留学させてもらいました。「留学させられました」は使役受身です。使役受身は嫌な気持ちのときに使います。ずっと留学したかったです。親が「いいよ」と言ったので、留学できます。どんな気持ちでしたか?
S:嬉しいです。
T:そうです。嬉しい気持ち、ありがとうの気持ちがあるときは、使役受身は使えません。「使役動詞のテ形+もらいます」を使ってください。次は、「使役動詞のテ形+くれます」で言うと、「親が私を留学させてくれました」になります。

T:この絵を見てください。私です。兄です。

兄に本を読ませてもらいました

T:私はずっと読みたい本がありました。兄はその本を持っているので、私は「読みたい、いい?」と聞きました。兄は「いいよ」と言いました。私は兄に本を読ませてもらいました。「読ませて」は何動詞のテ形ですか?
S:使役動詞のテ形です。
T:「~てもらいます」はどんな時に使いますか?
S:ありがとうの気持ちがあるときです。
T:私は兄の本が読みたかったです。兄が「いいよ」と言ったので、本を読むことができました。「使役動詞のテ形+もらいます」は、ありがとうの気持ちがあるときに使います。

T:今度は、「使役動詞のテ形+くれます」にしましょう。兄は・・・?
S:兄は私に本を読ませてくれました
T:はい、そうですね。

(板書して、リピート)

留学させてもらう 兄に本を読ませてもらう

T:「~させてもらいます」は、する人は「~は」の人、させる人の助詞は「~に」の人です。「~させてくれます」のする人の助詞は、自動詞か他動詞かで違います。自動詞のときは「を」を使います。他動詞のとき「に」使います。

導入(Vせてくれません/Vせてもらえません)

T:Sさんは一人暮らしをしたことがありますか?
S:はい、あります。
T:それはいつですか?
S:大学生のときです。
T:そうですか。私は大学生のとき、一人暮らしをしたかったです。でも、私の親は厳しいです。親が「ダメ」と言ったので、できませんでした。私は親に一人暮らしをさせてもらえませんでした。では、「~くれませんでした」で言ってみましょう。親が・・・
S:親が私に一人暮らしをさせてくれませんでした

(板書して、リピート)

一人暮らしさせえもらえませんでした
  • 「~させてもらいます」「~させてくれます」は、いつも嬉しい・ありがとうの気持ちがある。
  • 「~させてもらいます」は使役の許容と意味が似ているが、「~させてもらいます」には感謝の気持ちがある。(例1)私は親に留学させてもらった。(感謝の気持ち)(例2)親が私を留学させた。(使役だと感謝の気持ちを表せない)
  • 「~させてくれます」は、使役受身と意味が似ているが、「~させてくれます」には感謝の気持ちがある。使役受身は嫌な気持ちのときに使う。(例1)私は親に留学させられました。(留学したくなかった)(例2)親が私を留学させてくれました。(感謝の気持ちがある)

練習

①使役動詞のテ形をにする変換練習(例)

T:習います S:習わせて
T:行きます S:行かせて

②絵カード練習

「~させてもらいます」と「~させてくれます」の両方を練習。

③QA練習

・子供のころ、親に何をさせてもらいましたか?何をさせてもらえませんでしたか?
・子供のころ、親は何をさせてくれましたか?何をさせてくれませんでしたか?

④別冊:言ってみよう P51(3)練習1、P52(3)練習2

⑤本冊:言ってみよう P185(3)

 

やってみよう

①CDを聞いて答える。

②子供のころにしていた習い事や手伝いについてどう思うか、ペア・グループで話をする。

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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