日本語の教案

「~ようにしてください」の用法|「~てください」との違いは?|日本語文法の基礎知識

「『~てください』と『~ようにしてください』の違いは何ですか?」

こんな質問をされたら、どう答えますか?

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

冒頭の学習者の質問から、以下の文について考えていただけたら、と思います。

学習者が遅刻してきたとき、どちらを使うのがいいのでしょうか・・・?

  • 遅刻しないでください
  • 遅刻しないようにしてください

どちらを使ってもいいような気がしますよね・・・!

 

この記事では、「~ようにしてください」の用法と「~てください」違いについて解説しているので、上記の例文について違いを知りたいなら、ぜひ読んでみてください。

 

「~ようにしてください」の用法

接続

V辞書形/Vナイ形+ようにしてください

たのすけ
たのすけ
意志動詞を使います。

 

意味と例文

意味は、「これからも~してください」「いつも~してください」です。

習慣的に相手にある動作をすることや、努力を求めるときに使います

  • 学校を休む時は、電話するようにしてください
  • 朝、人に会ったら、挨拶するようにしてください
  • 忘れ物をしないようにしてください
  • 危ないですから、プールで走らないようにしてください
たのすけ
たのすけ
「~ようにしてください」は、努力を要請するものなので、目下の人から目上の人には使えません。

 

「~てください」と「~ようにしてください」の違い

その依頼は1回だけ?何回も?

「~てください」は、1回だけの依頼です。

「~ようにしてください」は、忘れないように心掛けて、努力して何回もしてほしいと依頼するときに使います。

  • 明日9時に学校へ来てください。(明日だけは、9時に来てと依頼している)
  • 毎朝9時に学校に来るようにしてください。(明日だけじゃなくて、毎朝努力して9時に来てと依頼している)

 

丁寧に言うときは、「~ようにしてください」を使う

1回だけの依頼では、「~てください」を使うと言いましたが、

1回だけのことを言う場合でも、未来のことを丁寧に言う場合は、「~ようにしてください」を使います。

  • 明日9時に学校に来てください。(直接的な依頼)
  • 明日9時に学校に来るようにしてください。(丁寧な依頼)
たのすけ
たのすけ
「~ようにしてください」は、心掛けて、努力して、という意味が含まれるので、「~てください」よりも、丁寧な言い方になります。

 

【まとめ】

「~ようにしてください」の用法と、「~てください」との違いについて説明しました。

 

冒頭で、学習者が遅刻してきたときに、どちらを使うのがいいのか質問をしましたが、どちらがいいと思いますでしょうか・・・?

  • 遅刻しないでください
  • 遅刻しないようにしてください

 

どちらを使っても正解ですが、1回だけではなく、これから努力して・心掛けてほしいときは、「~ようにしてください」を使ったほうがいいです。

なので、学習者が遅刻してきたら、「遅刻しないようにしてください」と言ったほうがいいですね。

たのすけ
たのすけ
形の似ている文法は学習者から質問が出やすいところなので、例文と一緒に違いを説明できるようにしておきましょう。

 

以上、たのすけでした。

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