「授業中に母語を使用して何か話している。説明がわからなかったのかな・・・」
「授業中に母語が多くて困っている」
こんな疑問や悩みを持っていませんか?
日本の日本語学校で教えている場合は、日本語で日本語を教えている場合がほとんどだと思います。
クラスでは(学校内では)「母語禁止」「日本語only」を掲げている日本語学校も多いのではないでしょうか。
授業中に母語が聞こえると、
「わからないことがあって聞いているのかな…?」
「ただのおしゃべり…?」
と、気になってしまいますよね。
この記事を読めば、以下の疑問が解決します。
クラスで母語が多くて困っていると感じているなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
学習者が授業中に母語を使う理由とその対処法|4つの状況に分けて説明します
まずは、どんなときに学習者が母語を使うのか4つの状況に分け、それぞれの原因と対処法を紹介しています。
教師が説明をしているとき
母語を使用する理由
- 教師の説明がわからない
- 教師の指示がわからない
- 導入を聞いて、わからないこと・文型の意味をクラスメイトに聞いた
- 疑問に思ったことをクラスメイトに聞いた
- ボーっとしていて、話を聞いていなかった
- ただのおしゃべり
対処法
①教師の説明がわからない/②教師の指示がわからない
①②の場合は、自分がどんな言葉で説明していたか、指示をしていたか振り返ってみましょう。
学習者に説明をするときや練習方法や応用練習のやり方などの指示を出すときは、わかりやすく、簡単な言葉で話すようにしましょう。
振り返りをすることで、「次回は違う言い方をしよう」「こう指示を出してみよう」と改善ができ、今よりもっとわかりやすく話すことができるようになります。
【参考】日本語教師が学生に「わかりやすく伝える」7つの話し方のテクニック
③導入を聞いて、わからないこと・文型の意味を聞いた
③の場合は、導入がわかっていなかった可能性があります。もう一度説明を変えて導入したり、違う導入をしたりしましょう。
導入を理解できたかどうかの確認方法は「文型導入のあと、学習者が「わかった」か不安。確認する2つの方法」の記事をご覧ください。
④疑問に思ったことを聞いた
④の場合は、日本語で質問してもらってもいいと思います。
もしかしたら、その学習者が疑問に思ったこはクラス全体で共有したほうがいいこともありますし、日本語で聞くのも勉強の一つです。
⑤ボーっとしていて、話を聞いていなかった/⑥ただのおしゃべり
⑤⑥は、授業に集中するように促しましょう。
問題を解いているとき
母語を使用する理由
- 日本語の語彙を忘れて聞いたり、接続を忘れてクラスメイトに聞いた
- 問題を解くことに飽きた
- 問題が解き終わって暇になってしまった
対処法
①日本語の語彙を忘れて知ったり、接続を忘れて聞いた
①のように相手や他のクラスメイトの迷惑にならないように、ちょこっと聞いただけなら、目くじらを立てるほどではないと思っています。
それが回数が多いようなら、机間巡視をしながら「どうしましたか?質問がありますか?」と聞いてみるといいと思います。
②問題を解くことに飽きた
②の場合は、「どうしましたか?」と声をかけたり、集中するように促しましょう。
クラスの様子を見て、集中力が切れてきたなと思ったら、答え合わせをしたりしてもいいと思います。
③問題が解き終わって暇になってしまった
③の場合、自分で率先してやることを見つけられる学習者もいますし、ぼーっとしている学習者もいると思います。そのような学習者がいた場合、次にやることの指示を出せるといいですね。
クラスで発表するとき
母語を使用する理由
- 上手く日本語で話せずに母語が出てしまった
- 日本語の語彙や表現がわからなくて聞いた
対処法
まずは単語でもいいので、できるだけ日本語で話すように促します。わからない言葉や表現を簡単な日本語で説明してもらうのもいいと思います。
それでも言葉が出てこなくて先に進めない・・・となってしまったら、それを日本語でどう言うのかを手助けしながら日本語にしていきましょう。
ペアワークやグループワークをしているとき
母語を使用する理由
- 語彙がわからなかったり、表現がわからずに母語で聞いた
- 日本語で言いたいことを説明できない
- 日本語で話すのが面倒だと思っている
対処法
①語彙がわからなかったり、表現がわからないずに母語で聞いた/②日本語で言いたいことを説明できない
①②は、まずは日本語で話すように促します。わからない言葉があったときに、簡単な言葉で言い換えて説明するのも日本語能力です。
それから、日本語で説明するのが難しい場合は、教師やクラスメイトの助けを借りながら日本語にしてもいいと思います。
③日本語で話すのが面倒だと思っている
基本は、クラス内では日本語を使って話すというスタンスにし、日本語で話すのが難しくて面倒だと諦めてしまっている場合は、ペアやグループで活動していることを生かして、クラスメイトに協力してもらいながら、日本語にしてみましょう。
こんな対策もあります!
学習者が授業中に母語で盛り上がっていたとき・・・
「楽しそうですね。何の話ですか?教えてください」
と言うのもアリだと思います。
教師の言葉によって、母語でのおしゃべりが止む場合もありますし、面白い話をクラスで共有することもできます。
ただし、あくまでも授業中なので、他の学習者の妨げになっていないかな?というのは、気をつけながら対応しましょう。
【まとめ】学習者が母語を使用しているときは、まずは自分自身を振り返ろう!
学習者が母語を使用する理由とその対処法を紹介しました。
学習者が母語を使用しているのは、何か理由があるときです。
特に教師が説明しているときに母語で何かを聞いているときは、説明や指示がわからないのでクラスメイトに聞いている可能性もあります。ただのおしゃべりなのかどうかの見極めも必要です。
「学習者の日本語力がないせいだ」と思うのではなく、自分自身の説明の仕方に問題はなかったか、を振り返ってみることが大切です。
こういった振り返りをして、一つ一つコツコツ改善していくことで、わかりやすい説明ができるようになっていきますよ。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。