この記事は、「教案の書き方がわからない」という日本語教師の方、または日本語教師養成講座に通っている方向けに書いています。
実際に教案を書かれている日本語教師の方はわかると思いますが、教案を書くのって簡単じゃないんです!
【参考】授業準備が終わらない!?~日本語教師の授業準備にかかる時間~
教案を書くと言っても、理由もわからずに書くのは大変なので、
この記事を読んで、ぜひとも教案を書く理由を理解した上で教案が書けるようになっていただけましたらと思います。
この記事を読めば、以下の疑問が解決します。
教案の書き方がわからなくて困っているなら、ぜひこの記事をご覧ください。
目次
日本語教育の「教案」について
「教案」とは
教案とは、『教師が実際に授業をする前に作成するもので、授業についての計画案』のことを言います。
授業は、行き当たりばったりですることは難しいんです・・・!
日本語の教科書を渡されて、「これで3時間授業してください」と言われてできるでしょうか?
私なら、絶対無理です・・・!!正直、自信ないです・・・!!
きっと急に言われても難しいのですよね。
日本語の授業をするためには、綿密な計画が必要不可欠なんです。
その授業についての計画案が「教案」です。
「教案」を書く理由
「”教案”が大切!一字一句細かく書くこと!」
こんなことを養成講座の先生や、日本語学校の先輩教師に言われませんでしたか?
でも、どうして教案を書くのでしょうか?その理由を知って書いていますか?
教案を書く理由を、私は以下のように考えています。
特に、授業に慣れていない場合は、自分自身が混乱しないようにするために、教案は役に立つと思います。
私の場合、パニックになったら教案を見れば大丈夫…!という安心感がありました。
授業で上手くいかなかったところなど反省点を教案に書き込んでおけば、次回はそれを生かした授業ができます。
教案を書くことによって、授業を行う目的が明確になるのもメリットだと思います。
それから、テンポよく授業を進めるためにも、教案があると便利なのです。
「教案」を書くことのメリット
日本語教師の7つ道具シリーズ「教案の作り方編」に教案を書くことのメリットが載っていたので引用しますね。
- 授業で達成する目標が明らかになる。
- その目標を達成するための方法がイメージできる。
- 授業で行う活動と、それを行う順序が確認できる。
- 学習者の活動と、それを支える教師の役割が確認できる。
- 授業を振り返り、授業を改善することに役立つ。
参照:アルク「日本語教師の7つの道具シリーズ+(プラス)教案の作り方編」平本照麿,2016年
改めて見ると、教案を書くことはメリットがたくさんありますね。
日本語教師になったばかりだと最初は授業に慣れていないので、授業の流れがあまりイメージできないと思います。
教案を書くと授業の流れのイメージができるので、授業のシミュレーションができて便利です!
パソコン?手書き?何を使って「教案」を書くの?
基本的に、自分にとって使いやすいもので教案を書くのがいいです。
パソコンを使ってWordやExcelで書く人もいれば、手書きで教案ノートやインデックスカードに書く人もいます。
今はパソコンを使って教案を書く人がほとんどだと思います。私もパソコンを使って書くことをおすすめします。
なぜかというと、パソコンなら書き直しが簡単だからです。
それぞれ、パソコン入力と手書きで書くメリットを書きますので、自分に合った方法を選んでくださいね。
- 書き直すときや順番を入れ替えたいときに便利。
- 教案の中に絵や写真・グラフを簡単に入れられる。
- 見やすい。
- データで残るので、次回の修正がしやすい。
手書きで書くメリットもあります。
- パソコンで書くよりも教案を書く時間が比較的短い。
- 学期ごとに教案ノートを保存すれば、自分自身の教師としての振り返りがしやすい。
「教案」の書き方
「教案」には何を書くの?
次は、「教案に書くこと」について説明します。
まずは『授業の学習項目(ゴール)』を書きます。授業のゴールというのはとても大切です。
「この授業を受けたら、学生が何ができるようになるのか」がないと、何のために授業をするのかわからずに、どこに向かって授業をしたらいいのかが分からなくなってしまいます。
なので、授業のゴールは必ず書きましょう!
ゴールがあって、それを達成するために何をしたらいいのかを書くのが教案です。
教案の書き方は人によって違いますが、主に以下のことを書きます。
■時間:その活動にかかる時間と実際の授業時間
■活動での学習項目:導入、練習、活動など
■学習者の活動:学習者が言うこと、行うこと(これは予想される発話を書きます)
■教師の活動:教師が言うこと、行うこと
■板書:板書計画(色も分けて書いておくと、実際に板書しやすいです)
■教材:使用する教材や教具
■留意点:注意するべきこと
では、教案例を示しながら解説していきます。
教案例①
「教案の作り方(日本語教師の7つの道具シリーズ)」の本では、以下のような順番で教案が書かれています。
▼教案例
出典:アルク「日本語教師の7つの道具シリーズ+(プラス)教案の作り方編」平本照麿,2016年
教案を書く順番は左から[時間→項目→学習者の活動→教師の活動→教材→留意点]の順に書いていきます。
授業は学習者が主体なので、時間の隣に「学習者」の活動を書きます。
その活動をサポートするのが教師の役割なので、[学習者の活動→教師の活動]という順番で書きます。
教案例②
教案例②つ目は、私が作成したものです。教案①で紹介したフォーマットとは違うので、少し詳しく解説していきます。
①日付:授業の日付を書きます。
②クラス:授業を行うクラスを書きます。
③教科書:使用する教科書を書きます。
④担当:自分の名前を書きます。
⑤学習項目:その日に学習する項目を書きます。ここでは、文型を記入しました。
⑥目標:その日の授業の目標を書きます。その授業を受けたら「何ができるようになるのか」なので、目標は大切です。目標を達成するためには、何を学習したらいいのかを考えて授業を組み立てます。
⑦時間:その活動をするのは何時時点のことなのか、イメージして書きます。
⑧項目:導入、練習、活動など、することの項目を書きます。例えば、2つ目の導入なら、導入②と書きます。
⑨活動・板書:ここには、教師の発話内容、学習者の予想される発話内容、板書を書きます。教師の発話はT、学習者の発話はSと省略して書きます。
⑩教材:使用する教材・教具を書きます。
⑪留意点:注意するべきことを書きます。
教案例①と違って、学習者と教師の活動が同じ項目になっています。
理由は、同じところに書いた方が見やすいからです。
目線を上から下にたどっていけば授業の流れになるので、学習者と教師の活動は同じ項目に書いたほうが見やすいです。
ここで紹介した教案のフォーマットは「【無料ダウンロード】日本語の教案テンプレート|Word、Excel版」からダウンロードできます。
「教案」はどれぐらい細かく書けばいいの?
授業に慣れていないころは、できるだけ細かく書きましょう。
具体的には、教師の発話一字一句、予想される学生の発話、細かい時間配分を書きます。
最初の頃は1回の授業で10枚とか書く人もいるぐらいです。
教案を見たときに、「その教案を見て誰でも授業ができる」のが理想です。
しかし、ずっと一字一句教案を細かく書かなければならないのかというと、そうでもなくて、
慣れてくれば一字一句細かく書く必要はないです。
私の場合は文法で説明するポイントや板書、練習については書いていますが、実際には学習者の予想される発話や細かい時間は書いていません。
時間は、1コマの中でどこまで進めるのかと、大体の時間だけを書いています。
このような理由から、授業に慣れたら細かい教案は必要ないと思っています。
ただし、授業の流れをイメージするという点で、授業に慣れていない頃は、細かく教案を書いた方がいいと思います。
特に、自信がなかったり、心配性な人ならば余計に、最初はしっかり書きましょう。
「教案」を書くときの注意点
教案を書くときの注意点があります。一通り教案を書いたら、見返して以下のことをチェックしてみてください。
最初のころは、以下のことも教案に書いておいたほうがいいです。
授業で時間が余ってしまったときや、最後まで終わらない場合の保険です。
- 時間が足りなくなったときに、省略する活動は何か
- 時間が余ったときにする活動
最初のころは、授業の時間配分が難しいと思います。
時間配分については、「日本語の「授業流れ」|初級文法の授業は5つのパートで組み立てます」の記事を参考にどうぞ。
私が新人のころ、教案にいろいろ盛り込みすぎて、教えなければならない学習項目が終わらないこともありました。
予想以上に学習者の理解に時間がかかっていて、教案通りに進まないこともあります。
予定していた文法項目が終わらないのは、次の先生にも迷惑をかけることになるので、気をつけたいですね。
また、授業がトントン拍子に進んでしまって、時間が余ってしまうこともあります。
「どうしよう・・・やることがない!」とならないためにも、時間が余ったときにする活動も書いておいくと、焦らずにすみますよ。
【まとめ】日本語教師に「教案」は大切!
日本語教師になったばかりで授業に慣れていない頃は、特に「教案」が大切です。
最初は教案を書くのにも相当な時間がかかると思いますが、最初はきちんと書きましょう。
日本語を教える基礎になります。
慣れてきたら、自分のためにも、教案書きで省けるところは省いて、授業準備の時間や労力を減らせるようにしましょう。
注意してほしいのは、教案を書いて満足しがちですが、
授業でうまくいかなかったところを振り返って、次に生かすことで、自信を持った授業になったり、どんどん時短になっていきます。
大切なのは『今回の授業で上手くいかなかったことを、どう改善して次にどう生かすか』です。
パーフェクトな授業ができればいいんですが、それって難しいですよね。
私は、100%上手くいく授業はないと思っています。
だからこそ、毎回PDCAを繰り返して、よりよい授業に改善していくことが大切だと思います。(Plan=計画 Do=実行 Check=確認 Act=次の行動)
PDCAについては「日本語教師が意識したい「授業が今よりよくなる」4つのポイント」の記事で書いています。
実際に教案を書く前に、「先輩日本語教師の教案を見てみたい・・・!」と思いませんか・・・?
それは、こちらで無料プレゼントしております。
▼教案の書き方を詳しく知りたいなら、こちらをどうぞ
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
≫日本語教師になりたい方向けのまとめ記事
≫授業のやり方や教え方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
≫【完全保存版】日本語授業のやり方や教え方がわかるまとめ記事
≫働き方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。