授業の進め方

日本語の「授業流れ」|初級文法の授業は5つのパートで組み立てます

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日本語教師の養成講座が終わって、もうすぐ日本語教師としてデビューする方!

 

「日本語の授業はどんな流れで進めればいいのかな?」

「授業はどう組み立てればいいの?」

 

と不安に思っていませんか?

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

この記事を読めば、以下の疑問が解決します。

  • 日本語の授業の流れ、どう授業を組み立てたらいいのかわからない!
  • 授業の時間配分がわからない!
  • 授業の流れはわかったけど、練習や活動って何をしたらいいの?

 

この記事を読めば、授業の流れがわかってどう授業を組み立てたらいいのか、わかるようになります。

ぜひ疑問を解消して、不安を取り除いてください!

 

教案の書き方についてはこちら≫日本語教師のための教案の書き方|教案を書く理由、書くときの注意点は?

 

初級文法の「授業の流れ」基本

「授業の流れ」は大きく5つ

授業

まずは、基本的な授業の流れです。基本的には、以下のように進めていきます。

授業の流れ
  1. ウォーミングアップ
  2. 文型導入
  3. 形の練習
  4. 応用練習(活動)
  5. 授業のまとめ

 

授業の時間配分

時計

授業の時間配分として、ウォーミングアップ、まとめの時間は少しだけです。

最初の1分、最後の1・2分と考えてもいいでしょう。

授業で大切なのは「文型導入」「形の練習」「応用練習」です。

時間配分は、「導入:練習:活動=1:3:5」の割合がいいです。

 

50分の授業なら、導入5~10分、練習10~15分、活動25~35分ぐらいで授業の計画をしましょう。

応用練習はわかって覚えた文型を「使える」ようにするためなので、一番多くの時間を使います。

 

具体的な「授業の流れ」を解説

女性

具体的に、授業の流れを5つのパートに分けて解説していきます!

1.ウォーミングアップ

最初にウォーミングアップする目的は、学習者がリラックスして授業を受けやすい雰囲気を作るためです。

ウォーミングアップは学習者だけでなく、教師にとってもいいです。

 

クラスに入っていきなり授業を始めるのは、心が落ち着かずに上手くできません。雰囲気が和んだ方が授業をしやすいですよね?

特に日本語教師になったばかりの頃は、授業の前は緊張すると思うので、お互いにリラックスして授業に臨めるようになるためにも大切です。

 

ウォーミングアップの例

1.出来事について話す
  • 週末、何をしましたか。
  • 昨日の晩、何をしましたか。
  • 今朝、朝ご飯を食べましたか。
2.学習者について話す
  • 髪を切りましたか。
  • その服、素敵ですね。
3.前回の復習をする
  • 昨日の復習をします。「~て、~て」を使って昨日したことを言ってください。
たのすけ
たのすけ
盛り上がるとついつい脱線してしまうので、上手くコントロールしてくださいね。

 

ウォーミングアップのネタについては、「日本語授業でウォーミングアップは何を話す?すぐに使えるネタ5選と例を紹介!」の記事で詳しく書いています。

 

2.文型導入

文型の導入は文型の意味・使い方が「わかる」ための活動です。

新しい文型の意味や使い方を示します。

授業の中ではこの導入が一番大切だと言われています。

 

板書や接続の確認、意味がわかったかどうかの確認までが導入の活動です。

 

文型導入の例

導入のやり方はいろいろあります。

学習者のレベルや文型によって、やり方を変えましょう。

  • 絵カードを使って説明する。
  • 実際にやってみる。
  • ジェスチャーで表現する。
  • 状況を設定して説明する。
  • 学習者とやり取りしながら導入する。
  • 学習者に相手役になってもらい導入する。
  • 板書をして文の構造を示す。

導入のやり方は、「日本語の初級文法「導入」のやり方|大切なポイントは3つあります」の記事で詳しく書いています。

 

3.形の練習

導入で文型の意味がわかったら、次は形の練習で「覚える」ための活動をします。

練習をする目的は、記憶に定着させたり、口からスラスラ言えるようにすることです。

 

練習については、「初級文法の練習方法9選|練習のバリエーションを広げたい日本語教師必見!」の記事に詳しく書いてあります。

 

練習の例

練習は段階をつけて、簡単な練習から難しい練習に移っていきます。

進行形の「~ています」の練習を3段階に分けて考えてみました。

 

1.「~ています」への変換練習

て形へ変換し「~ています」を使って言う練習です。単純に変換するだけなので、口慣らしにもなります。

T:食べます → S:食べています

T:飲みます → S:飲んでいます

2.目的語を入れて、変換練習

少し長く文を言う練習です。目的語も自分で考えて言うので、少しレベルが上がっています。

T:ご飯・食べます → S:ご飯を食べています

T:ビール・飲みます → S:ビールを飲んでいます

3.絵カードを見て変換練習

絵カードを見て、「~ています」を言います。これができるようになれば、形の練習は終了です。

絵カード
出典:日本語教育のためのイラスト教材

T:「~ています」を使って言ってください。

S:絵を描いています。

 

4.応用練習(活動)

導入で意味がわかって形の練習で覚えたら、応用練習で「使える」ようになるための練習をします。

応用練習は文型を定着させ運用できるようになるために大切な活動です。

応用練習をしないと、「実際のコミュニケーションでは使えない」ままです。

 

応用練習については、「初級文法「活動」のやり方|4つの活動で「日本語の運用力」を手に入れよう!」の記事にやり方を詳しく書いていますので、参考にしてみてください。

 

応用練習の例

応用練習は様々な活動をすることができます。

どんな活動をするかは、文型によって選ぶのがいいでしょう。

  • 文作成
  • 会話練習
  • ロールプレイ
  • インタビュー
  • ディスカッション
  • ゲーム

 

5.授業のまとめ

最後は授業のまとめです。

授業で学習したことのまとめを行います。

  • 絵カードで勉強した文型の復習する。
  • 勉強した文型の文作成をする。
  • 勉強した文型のディクテーションをする。

最後に学習したことを復習することによって、記憶の定着にもつながります。

 

もし授業時間が足りなくなってしまったり、余ってしまう場合は、下記の記事も参考にどうぞ。

 

【まとめ】日本語の授業の流れは、大きく5つ

空に向かっている雲

日本語の授業の流れはつかめたでしょうか。もう一度、授業の流れをまとめます。

  1. ウォーミングアップ
  2. 文型導入
  3. 形の練習
  4. 応用練習
  5. 授業のまとめ

教える文型が2つ以上あるとき、文型ごとに「文型導入→形の練習→応用練習」を行い、これを繰り返します。

 

 

最初は想定した時間通りに授業を進めるのは難しかもしれません。

時間配分がうまくいかなかったら、それを次に生かしましょう。

たのすけ
たのすけ
長年日本語教師をしていても、100%完璧な授業はありません。「できるかな…」と不安にならなくて、大丈夫です!

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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