「学生の発音が悪いのはわかるんだけど、どこを直せばいいのかわからない」
「日本語の発音はどうやって教えればいいのか、わからない」
日本語教師の方!こんなことで悩んでいませんか?
日本語の発音指導って難しいですよね。
発音の教え方は養成講座でも習わないし、誰に教えてもらったらいいの?
と困っている日本語教師の方も多いのではないでしょうか。
私も学生の発音を直したいと思っていても、どこをどう直せばいいのかわからなくて困っていました。
だんだんと、発音が上手に聞こえない理由やどこを直せばいいのかがわかってきました。
この記事では、「日本語が上手に聞こえるためにはどうしたらいいのか」「発音指導のポイント」を紹介しています。
この記事を読めば、以下の疑問が解決します。
「日本語の発音の教え方がわからない」という日本語教師の方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
目次
日本語の発音は難しい?
外国人にとって日本語の発音は難しくない
外国人にとって、日本語の発音自体はあまり難しくありません。
なぜなら、日本語は母音が「あ・い・う・え・お」の5つしかないし、中国語やベトナム語のような複雑なイントネーションもないからです。
中国語にはピンイン、ベトナム語に声調というものがあって、
これがまた複雑なのなんのって!
というわけで、日本語は比較的発音しやすい言葉です。
日本語の発音は難しくないのに、日本語が上手に聞こえないのには理由があります。
それは後ほどお伝えしますね。
外国人にとって発音の難しい日本語は何?
比較的発音が簡単な日本語ですが、外国人にとって難しい発音はあるのでしょうか。
うん、ありますよ~!
外国人にとって難しい発音について、面白い動画を発見しました!
こちらの動画で、外国人にとって発音が難しい日本語が紹介されています。
参照:You tube
1位は「ツイッターでつぶやく」という日本語でした。2位は「伝えられなかった」です。
どちらも「つ」が入った発音です。ランキングからわかるように、外国人にとって「つ」の発音がいちばん難しいんです。
Youtubeで紹介されていた「外国人にとって難しい日本語トップ10」は以下の通りです。
1位 ツイッターでつぶやく
2位 伝えられなかった
3位 便利
4位 侵略
5位 出力
6位 店員
7位 旅行
8位 暖かくなかった
9位 駐車場
10位 おっちょこちょい
ベトナム人や韓国人は「つ」の発音が難しい
韓国人やベトナム人をはじめとして、「つ」の発音ができずに「ちゅ」になってしまう人が多いです。
理由は、母語の影響を受けていて、母語にない発音は発音するのが難しいからです。
韓国人やベトナム人の学生の中には発音が苦手だと自覚している人もいます。
しかし、発音が下手なのは「つ」が上手に発音できないせいだと思っていませんか?
それには「ちょっと待った!」ですよ!
「つ」が「ちゅ」になったところで、日本語の発音が下手だなんて思いません。
発音が下手な原因は、本当は違うところにあります。
発音が上手に聞こえると、日本語も上手だと思われる!
日本語の発音は「絶対に」綺麗なほうがいいです。
身近にこんな学生はいませんか?
N2を持っている。
文法も語彙の知識もある。
話すのも好き。
なのに、なぜか日本語が上手に聞こえず、N5レベルに思えてしまう。
どんなに日本語の知識を持っていても、発音が悪かったら伝わりません。
N5レベルで簡単な語彙と文法しか使っていなくても、発音がきれいな学生のほうが日本語レベルが高く感じることもあるぐらいです。
日本語が上手に聞こえない理由
では、日本語が上手に聞こえない理由を紹介していきます。
ちょっとやさしめに言いましたが、日本語の発音が下手な理由ですね。
- 日本語のリズム(拍)が取れない
- アクセントが違う
- 清音・濁音・半濁音の区別ができない(例)は・ば・ぱ
- イントネーションに日本語らしさがない
- 単音の発音ができない(例)つ、ず、ん
- 話すときに突っかかって流暢さがない
では、発音指導のポイントを見ていきましょう!
【発音指導】日本語の発音の教え方4つのポイント
まずは、「これを改善するだけで今より上手に聞こえるようになる」という、発音の教え方のポイントを4つ紹介します。
リズム(拍)
日本語のひらがな一つの長さは1拍です。長音(-)、撥音(ん)、促音(っ)も1拍です。
拗音(きゃ、きゅ、きょetc)はひらがな2つですが、1拍なので注意しましょう。
外国人は拍がとれません。例えば「volunteer」を英語で発音すると、「ボランティィア」で6拍です。
日本語は「ボランティア」なので、5拍になります。
例えば、拍が取れない学習者がサッカーを発音すると、「サッカ」になってしまい日本人が聞くと「作家」に聞こえます。
発音指導として、手をたたきながら拍の感覚をつかむのがいいです。
拍を意識して話すだけで、外国人らしい日本語が日本語らしくなります。
ひらがな一つの長さが1拍といっても、発音するときに一つ一つ発音してしまうと日本語らしくなくなってしまうので、注意ですよ!
例えば、「おはよう」は「お・は・よ・う」と言うとロボットみたい感じませんか?
正しくは、「おは・よう」と言います。
イントネーション
日本語の普通の文は、ひらがなの「へ」の字のようなイントネーションになります。
外国人が日本語を話すと、最後のイントネーションが上がる傾向にあります。
これが日本語らしく聞こえない原因です。
もちろん一つの文の中で言葉一つ一つに高低アクセントもありますが、
全体的なイントネーションは「へ」の字のように最後は下がると指導しましょう。
清音と濁音と半濁音
清音は無清音といって、のどが震えない音です。例えば「はひふへほ」は清音です。
濁音は有声音といって、のどが震える音のことで、「ばびぶべぼ」は濁音です。
「ぱぴぷぺぽ」は半濁音です。半濁音も無清音です。
清音、濁音、半濁音の使い分けができないと、違う言葉に聞こえます。
例えば、清音と濁音を使い分けられないと、「電気」なのか「天気」なのか、わかりません。
指導法としては実際に自分で感じてもらうのが一番です。やり方は2通りあります。
無声音は、
- 手を耳にかぶせて発音したとき、音が響かない。
- のどに手を当てて発音したとき、のどが震えない。
有清音は、
- 手を耳にかぶせて発音したとき、音が響く。
- のどに手を当てて発音したとき、のどが震える。
実際に自分で発音をして、
音が響いているのか響いていないのか、のどが震えているのか震えていないのか、
自身で確認するのが一番です。
アクセント
日本語のアクセントは、高低アクセントです。
例えば、「雨」と「飴」、「箸」と「橋」のアクセントは違いますよね。
今、ドキッとしませんでしたか?きちんと使い分けられていますか?
私の場合、話しているときは使い分けられるんですが、冷静になってアクセントを意識して言うと、間違えちゃうことがあります。
日本語はアクセントが違うとまったく違う言葉になってしまうので、注意が必要です。
アクセントの発音指導のポイントを2つだけ紹介しますね。
まず、1拍目と2拍目の音の高さが違います。
それから一つの言葉の中では一度下がったアクセントは再び上がることはありません。
「ハイキング」を見てもらえばわかると思いますが、「イ」で下がったアクセントはずっと下がったままです。
【まとめ】日本語の発音の教え方
日本語の発音は4つのポイントを意識するだけで、日本語が上手に聞こえるようになります。
- リズム(拍)
- イントネーション
- 清音・濁音・半濁音
- アクセント
日本語の発音を教えるときは、学生が4つのポイントをできているか、確認してみましょう。
特に、リズムとイントネーションを意識して話すだけで、日本語が今より上手に聞こえるようになりますよ。
リズムやイントネーションが自然に身につけるには、シャドーイングがおすすめです。
詳しくは「シャドーイングの3つの学習効果|日本語がペラペラになる!? 」の記事をどうぞ。
発音練習はすぐに効果がでるものではありません。根気よく毎日練習することが大切です。
「継続は力なり」です!!
発音が悪いと実際の日本語レベルより下に見られてしまいもったいないです。
▼発音指導におすすめの教材はこちら
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授業に必要な準備のやり方と、日本語教師としておさえておきたいことをギュッと7日間にまとめました。
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以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。