できる日本語

【教案】できる日本語|初級L7(ST2)

たのすけ
たのすけ
できる日本語の初級L7(ST2)の教案です。L7(ST3)はこちらです。
教案の見方

N:名詞、V:動詞、イA:い形容詞、ナA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント

【概要】できる日本語 初級L7(ST2)

Can-do

Can-do
周りの状況を簡単に友達に伝えることができる。また、何かを頼んだり提案したりしながら、一緒に行動することができる。
ST2パーティーのとき、自分から手伝いを申し出たり食べ物などをすすめたりすることができる。

 

学習項目

学習項目
ST2Vてください
[道具]で
(Nの)V方
どのN
どれ

 

【教案】できる日本語 初級L7(ST2)

Can-doの確認

パーティーのとき、自分から手伝いを申し出たり食べ物などをすすめたりすることができる。

 

状況イラストの確認

  • ここはどこですか。
  • これから何をしますか。
  • 何がありますか。

 

【チャレンジ1】Vてください

チャレンジの絵

T:(状況イラストのパクさんを指して)パクさんとワンさんに言います。何を言いますか。
S:ワンさん、サラダを作ります。お願いします。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:パクさんはワンさんに何と言いましたか。
S:すみません、ワンさん、サラダを作ってください

(板書をして、リピート)

サラダを作ってください

T:「作ってください」の「作って」は「作ります」のテフォーム(form)、テ形です。今日はテ形を勉強します。

動詞のグループの導入

*ひらがなの五十音表があると視覚的にわかりやすい。(五十音表はこちらのサイトで無料でダウンロードできます≫ちびむすドリル

T:テ形を勉強する前に、動詞のグループを勉強します。動詞はグループが3つあります。Ⅰグループ、Ⅱグループ、Ⅲグループです。

T:Ⅰグループの動詞は、買います・行きます・飲みます・帰ります・・・、「ます」の前がi(イ)です。

Ⅰグループ( i ます)

  • ます(kaimasu)
  • ます(ikimasu)
  • ます(nomimasu)
  • かえます(kaerimasu)

T:次はⅡグループです。Ⅱグループの動詞は、教えます、開けます、食べます・・・、「ます」の前がe(エ)です。

Ⅰグループ( e ます)

  • おします(oshiemasu)
  • ます(akemasu)
  • ます(tabemasu)

*このままスぺシャルⅡグループ(見ます・(6時に)起きますetc…)をやってもいいが、新しい情報を一度に入れると混乱する恐れがあるため、3つのグループについて説明した後、スペシャルⅡグループについて説明する。

T:最後はⅢグループです。Ⅲグループの動詞は簡単です。「来ます」と「します」だけです。勉強します、掃除します、花見します・・・、「Nします」はⅢグループです。

Ⅲグループ

  • きます
  • します
  • Nします(べんきょうします・そうじします)

T:では、動詞のグループ分けをしましょう。先生が動詞を言いますから、動詞のグループを言ってください。

T:聞きます
S:Ⅰグループ
T:遊びます
S:Ⅰグループ
T:食事します
S:Ⅲグループ
T:閉めます
S:Ⅱグループ
T:見ます
S:Ⅰグループ

T:「見ます」は「ます」の前がi(イ)ですが、Ⅱグループです。スペシャルⅡグループがあります。6時に起きます・います・借ります・・・これも「ます」の前がi(イ)ですが、スペシャルⅡグループです。

(Ⅱグループの板書に追加する)

スペシャルⅡグループ

  • ます(minasu)
  • ます(okimasu)
  • ます(imasu)
  • ます(karimasu)
  • 「おきます」は「置きます」と「起きます」がある。「おきます」だけ言うと、どちらかわからないので、口頭で言うときは「かばんを置きます」「6時に起きます」などと言うとよい。
  • 漢字が違うので、そこにも注目させる。

*教師から動詞のグループを提示したが、学習者により積極的に授業に参加してもらうには、学習者に動詞を言ってもらい、それをグループ分けするとよい。こちらの記事の動詞のグループ分けで、やり方を紹介しています。

動詞のグループの練習

教師が動詞を言って、学習者にグループ分けをしてもらう。

(例)T:話します S:Ⅰグループ

 

テ形の導入

T:次にテ形の勉強をします。「作ってください」「見てください」「言ってください」の「作って」「見て」「言って」はテ形です。では、テ形を作りましょう。Ⅱグループが簡単ですから、Ⅱグループから勉強します。

*教師から動詞を提示してもいいが、先ほど勉強したばかりなので、復習を兼ねて学習者に動詞を言ってもらう。

T:Ⅱグループの動詞を言ってください。
S:食べます、教えます、見ます・・・

T:Ⅱグループの動詞は、「ます」がさよなら、「て」です。「食べます」は「食べて」、「教えます」は「教えて」、「見ます」は「見て」です。

Ⅱグループ( e ます→ e て)

  • たべます
  • おしえます
  • ます ★

T:練習しましょう。Ⅱグループの動詞をテ形にしてください。

*テ形のFC(フラッシュカード)を使って、Ⅱグループの動詞をテ形にする練習。≫【教材無料ダウンロード】動詞テ形のFC

 

T:次はⅢグループです。Ⅲグループの動詞を言ってください。
S:来ます、します、勉強します・・・
T:Ⅲグループは覚えてください。「来ます」は「来て」、「します」は「して」、「勉強します」は「勉強して」です。

Ⅲグループ

  • きます → きて
  • します → して
  • べんきょうします → べんきょうして

T:では、Ⅲグループの動詞をテ形にしてください。

*テ形のFC(フラッシュカード)を使って、Ⅲグループの動詞をテ形にする練習。≫【教材無料ダウンロード】動詞テ形のFC

 

T:最後はⅠグループです。Ⅰグループは少し難しいです。

*Ⅰグループは学習者に動詞を挙げてもらうより、こちらで提示したほうが教えやすい。Ⅰグループを板書してから、ルールを教える。

T:「買います」は「買って」、「持ちます」は「持って」、「帰ります」は「帰って」、「読みます」は「読んで」、「遊びます」は「遊んで」、「書きます」は「書いて」、「泳ぎます」は「泳いで」、「話します」は「話して」です。

T:Ⅰグループは少し難しいですね。でもルールがありますから、大丈夫です。「い・ち・り」は「って」、「み・び(・に)」は「んで」、「き」は「いて」、「ぎ」が「いで」、「し」は「して」です。じゃあ、「行きます」のテ形は?
S:行いて?
T:「行きます」はスぺシャルです。「行きます」のテ形は「行って」です。

*「ます」の前が「に」の語彙(例:死にます)は未習。

Ⅰグループ

  • ます → かって
  • ます → もって
  • かえます → かえって
  • ます → よんで
  • あそます → あそんで
  • ます → かいて
  • およます およいで
  • はなます → はなして
  • ます → 行って ★

T:では、Ⅰグループの動詞をテ形にしてください。

*テ形のFC(フラッシュカード)を使って、Ⅰグループの動詞をテ形にする練習。≫【教材無料ダウンロード】動詞テ形のFC

  • 動詞の活用は簡単なものから教えるのがいいので、基本的に新しい活用を教えるときはⅡグループ→Ⅲグループ→Ⅰグループの順で教える。
  • 始めて動詞の活用が出てきて、混乱する学習者が多い。テ形が最初の難関で、ここで学習者の学力に差が出てくることが多い。
  • 特にⅠグループは難しいので、定着するまで毎回授業の始めにするなど、繰り返すとよい。

テ形の練習

FCを使用して、テ形にする練習。慣れてきたら、3つのグループをミックスしてするとよい。

 

「Vてください」の導入

T:Sさん、前を見てください。Sさんは前を見ます。お願いします。

T:Sさん、(板書を指しながら)ここを読んでください。Sさんは、ここを読みます。お願いします。

(板書して、リピート)

  • 前を見てください
  • ここを読んでください

 Vテ形 ください。

T:「~てください」は、「お願いします」です。例えば、私がみなさんに、「前を見てください」と言います。意味は、前を見ます・お願いします、です。ですから、みなさんは前を見ます。「読んでください」と言います。みなさんは「読みます」。

練習

①変換練習

(例)T:聞きます S:聞いてください

②結合練習

(例)T:CD・聞きます S:CDを聞いてください

③絵カード練習

④別冊:言ってみようP25(1)練習2・3

 

【チャレンジ2】[道具]で

チャレンジの絵

T:パクさんはナタポンさんにお願いします。何と言いますか。
S:パンを切って?ください。
T:(ナイフのイラストを指して)これは何ですか?
S:ナイフです。
T:そうですね。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:パクさんはナタポンさんに何と言いましたか。
S:ナタポンさん、このナイフでパンを切ってください

(板書をして、リピート)

このナイフパンをきってください。

導入

*ペンを準備する。

T:これは何ですか。
S:ペンです。
T:そうですね。(名前を書く動作をする)ペンで名前を書きます。

 

ご飯を食べる男の子
T:(イラストの箸を指して)これは何ですか。
S:箸です。
T:そうです。箸で・・・
S:ご飯を食べます。
T:箸でご飯を食べます。

(板書を追加して、リピート)

  • ぺンなまえをかきます。
  • はしごはんを食べます。

★__で

T:ナイフでパンを切ります、ペンで名前を書きます、箸でご飯を食べます。助詞(particle)は「で」です。

練習

①結合練習

(例)T:フォーク・肉・食べます S:フォークで肉を食べます

②絵カード練習

③別冊:言ってみよう P25(2)

④本冊:言ってみよう P123(1)(2)

 

【チャレンジ3】(Nの)V方

チャレンジの絵

T:(状況イラストのカルロㇽさんを指して)カルロスさんです。カルロスさんは何をしたいですか。
S:カレーを作りたいです。
T:そうですね。でも、カルロスさんはカレーを作ります、わかりません。パクさんに何と言いますか。
S:カレーを作ります。わかりません。教えてください。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:カルロスさんはパクさんに何と言いましたか。
S:パクさん、カレーの作り方を教えてください

(板書して、リピート)

カレーの作りをおしえてください。

導入

ベトナム語のこんにちは

T:これは・・・何語ですか?
S:ベトナム語です。
T:そうですか、ベトナム語ですか。でも、先生は読めません。ですから、Sさん(ベトナム人の学習者)、読み方を教えてください
S:シン チャオです。
T:そうですか。シンチャオは・・・?
S:「こんにちは」です。
T:そうですか、ありがとうございます。

 

りんごうさぎ
T:これは果物です。何ですか?
S:りんごです。
T:そうです。でも、切ります・・・わかりません。このりんごの切り方がわかりません

 

警察官に道を聞くおばあさん
T:女の人は駅へ行きたいです。でも、駅はどこですか?わかりませんから、聞きます。駅への行き方を教えてください

(板書を追加して、リピート)

  • よみをおしえてください。
  • りんごきりがわかりません。
  • えきへの行きをおしえてください。

 N  V 

T:(「わからない」素振りのジェスチャーをしながら)どう読みますか?読み方です。どう切りますか?切り方です。どう行きますか?行き方です。「方」の前の動詞はマス形です。カレーの作り方、りんごの切り方・・・「名詞(N)の」です。「行き方」は駅への行き方・図書館への行き方・銀行への行き方・・・、「への行き方」です。

練習

①結合練習

(例)T:漢字・書きます S:漢字の書き方

②別冊:言ってみよう P25(3)

④本冊:言ってみよう P125(3)

 

【チャレンジ4】どのN

チャレンジの絵

T:メアリーさんはダニエルさんに何を言いますか。
S:お皿を取ってください。
T:そうですね。でも、お皿がたくさんあります。ダニエルさんはこれ?これ?これ?わかりません。メアリーさんに何と言いますか。
S:このお皿ですか?そのお皿ですか?
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:メアリーさんはダニエルさんに「お皿を取ってください」と言いました。ダニエルさんはメアリーさんに何と言いましたか。
S:どのお皿ですか
T:そうですね。メアリーさんは何と言いましたか。
S:そのお皿です。

(板書して、リピート)

Q:どのおさらですか。
A:そのおさらです。

導入

どのコップですか?

T:(男の人を指して)喉が乾きました・・・!すみません、コップを取ってください。(女の人を指して)女の人はこのコップですか?そのコップですか?あのコップですか?わかりませんから、聞きます。どのコップですか。男の人は言います。そのコップです

(教卓の上にペンをたくさん並べる)

T:Sさん、先生に「ペンを取ってください」と言ってください。
S:先生、ペンを貸してください。
T:机の上にペンがたくさんあります。私はこのペンですか?このペンですか?わかりません。ですから、Sさんに「どのペンですか?」と聞きます。

(板書して、リピート)

Q:どのコップですか。
A:そのコップです。

Q:どのペンですか。
A:そのペンです。

★どの N 

T:Sさんが「ペンを取ってください」と言いました。(机の上に並べたペンを指して)でも、ペンがたくさんありますから、このペンですか?このペンですか?わかりません。とのとき、「どのペンですか?」と聞きます。「どの」の後ろは名詞(N)です。

練習

①別冊:言ってみよう P26(4)

②本冊:言ってみよう P125(4)

 

【チャレンジ5】どれ

チャレンジの絵

T:メアリーさんがアンナさんに言います。塩・・・、何を言いますか。
S:塩を取ってください。
T:(容器を指して)ここに塩・砂糖・胡椒(ブラックペッパー)があります。アンナさんはわかりません。メアリーさんに何と聞きますか。
S:塩はこれですか。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:メアリーさんは「塩を取ってください」と言いました。その後、アンナさんは何と言いましたか。
S:どれですか
T:そうですね。メアリーさんは何と言いましたか。
S:それです。

(板書して、リピート)

Q:どれですか。
A:それです。

導入

お茶のペットボトル

T:紅茶、コーヒー、お茶のペットボトルがあります。男の人が言います。紅茶を取ってください。でも、(ペットボトルを指しながら)これ?これ?これ?わかりません。ですから、「紅茶はどれですか」と聞きます。男の人は「それです」と言います。

(板書を追加して、リピート)

Q:こうちゃはどれですか。
A:こうちゃはそれです。

★どれ

T:(チャレンジ⑤のイラストを指して)塩、砂糖、胡椒(ブラックペッパー)・・・わかりません。(導入イラストを指して)紅茶、コーヒー、お茶・・・わかりません。このとき、「どれ?」と聞きます。

  • 「できる日本語」初級L7ST2のチャレンジ④の「どのN」と間違いやすいが、似ているものの中から探しているときは「どれ」を使う。
  • 「どのN」と似ているが、「どれN」にはならないので注意。

練習

①別冊:言ってみよう P26(4)

④本冊:言ってみよう P126(4)

 

やってみよう

①CDを聞いて答える。

②ペア・グループで話す。

 

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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