「動詞のテ形ってどうやって教えるの…?」
「テ形は学習者にとって難しいけど、うまく教えられるかな…」
そんな疑問や不安を持っていませんか?
テ形は一番最初に出てくる活用で、「難しい・・・!!」と感じる学習者も多いです。
しかし、テ形さえできれば、それ以降に出てくる活用は簡単にできます。
だからこそ、学習者にわかりやすくテ形を教えたいですよね。
この記事では、テ形の教え方を教案風にポイントを交えて解説しています。マス形からテ形への変換です。
今度初めてテ形を教えるので不安だ・・・と感じているなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
テ形の教え方
まずは、テ形を教えるときの流れを確認します。
- テ形を使う場面を提示する。
- 動詞のグループ分けをする。
- テ形の作り方を教える。
- 練習する。
それでは、テ形の教え方を見ていきましょう。(教案風に書いて、ポイントを記入しています)
テ形を使う場面を導入する
T:みなさん、前を見てください。私の話を聞いてください。「見て」「聞いて」は、動詞のテ形です。
(例文を板書)
前を見てください。
わたしの話を聞いてください。
- 最初にテ形を使う文型を提示する理由は、テ形を勉強すればどのようなことが言えるようになるか、を認識してもらうため。
- 「~てください」は教室用語として使っていることが多いため、学習者の耳には馴染みがある。
- ここではテ形の提示のみで、「~てください」の意味や使い方には触れなくてよい。
T:今日は新しいformを勉強します。テ形です。
動詞のグループ分けをする
T:日本語の動詞はグループが3つあります。Ⅰグループ、Ⅱグループ、Ⅲグループです。
(学習者から、今まで学習した動詞を言ってもらい、それをグループ分けして板書する)
T:S1さん、動詞を言います。
S1:勉強します。
T:「勉強します」はⅢグループです。S2さんは?
S2:食べます。
T:「食べます」はⅡグループです。S3さんは?
S3:行きます。
T:「行きます」はⅠグループです。
学習者に動詞を挙げてもらうのは、今までどんな動詞を勉強したかの復習と、積極的に授業に参加してもらう狙いがある。
T:Ⅰグループは「ます」の前が「i(い)」です。Ⅱグループは「ます」の前が「e(え)」です。Ⅲグループは簡単です。「来ます」と「します」だけです。勉強します・掃除しますなど、「Nします」はⅢグループです。
センスのいい学習者は聞いてi(い)の音、e(え)の音だとわかるが、赤文字のようにローマ字で表記した方がわかりやすい。
動詞のグループについて解説している記事はこちら≫日本語の動詞とグループの見分け方|パッと見分ける方法を紹介します
T:では、これは何グループですか。
(以下の動詞をグループ分けさせる)
聞きます・寝ます・働きます・買い物します・読みます・会います・作ります・食事します・登ります・撮ります・洗濯します・開けます・閉めます・あります・貸します・行きます・帰ります・飲みます・食べます・見ます・します・買います・(朝6時に)起きます・来ます・借ります・掃除します・登ります・入ります・あります・遊びます・洗います・(かばんを)置きます・書きます・切ります・使います・手伝います・取ります・わかります・出します・入れます・教えます・歌います・吸います・話します・弾きます・持ちます・かけます
※__はスペシャルⅡグループ
- ここに書かれている動詞全てをグループ分けする必要はない。ただし、動詞のグループがわかっていないと、動詞を活用することはできないので、しっかり動詞のグループ分けができるようにする。
- 「話します」はⅢグループの動詞と間違えやすいので注意。
(わざとスペシャルⅡグループを間違えさせる)
T:「見ます」は何グループですか。
S:Ⅰグループです。
T:「見ます」は「i」ですが、スペシャルⅡグループです。「(朝6時に)起きます」「借ります」「います」もⅠグループじゃありません。Ⅱグループです。
「ます」の前はi(い)なのに、Ⅱグループの動詞がある。国文法で上一段動詞と呼ばれる動詞である。学習者には、スペシャルⅡグループとして教える。
テ形の作り方
- 動詞の活用を教えるときは、簡単なもの→難しいもの、の順で教える。
- テ形に限らず、活用を教えるときは、Ⅱグループ→Ⅲグループ→Ⅰグループの順で教える。
Ⅱグループのテ形の作り方
T:では、「テ形」を作りましょう。まずは、Ⅱグループからです。S1さん、Ⅱグループの動詞は?
S1:食べます。
(学習者にⅡグループの動詞を挙げてもらう)
(スペシャルⅡグループには★などのマークをつけておくとわかりやすい)
T:Ⅱグループは簡単です。「ます」はさよなら、です。そして「て」です。食べ・て、開け・て。「教えます」は?
S:教えて。
T:はい、いいですね。
(同様に、「見ます」「借ります」も学習者にテ形にしてもらう)
T:練習しましょう。
(フラッシュカード(以下、FCと表記)で変換練習)
FCはこちらで無料ダウンロードできます≫【教材無料ダウンロード】て形FC
Ⅲグループのテ形の作り方
T:次はⅢグループです。Sさん、Ⅲグループの動詞は?
S1:来ます。
S2:します。
T:そうです。Ⅲグループの動詞は「来ます」と「します」です。
T:Ⅲグループは覚えます。「来ます」は「来て」、「します」は「して」、「勉強します」は?
S:勉強して。
T:はい、いいですね。
T:練習しましょう。
(FCで変換練習)
Ⅰグループのテ形の作り方
T:次はⅠグループです。
Ⅰグループは、学習者に動詞を挙げてもらうより、こちらで提示してしまったほうがテ形のルールを教えやすい。
T:Ⅰグループは少し難しいです。でも、ルールがありますから、大丈夫です。「買います」、ますの前が「い」は「って」です。「持ちます・持って」「帰ります・帰って」「読みます・読んで」「遊びます・遊んで」「書きます・書いて」「泳ぎます・泳いで」「話します・話して」
(一つずつルールを確認して、テ形にしていく)
(テ形のルールを追加で板書する)
テ形のルールとして「に→んで」を書いているが、「に」を使う動詞はテ形を学習する時点では未習なので、あえて提示していない。学習者から言われたら、「死にます」を紹介する。
T:「行きます」のて形は?
S:行いて。
T:違います。「行きます」はスペシャルです。「ます」の前は「き」ですが、「行って」です。
「行きます」だけ特別なので、スペシャルであることを教える。
T練習しましょう。
(FCで変換練習)
テ形の練習をする
T:次はミックスします。
(Ⅰ・Ⅱ・ⅢグループをミックスしてFCで練習)
ここまで終わった後に、テ形を使った文型の導入をします。
テ形を覚える歌を紹介しよう!
Ⅰグループのテ形はルールがいろいろあって、最初は覚えにくいです。
そんなときはテ形の歌があるので、歌を紹介してもいいと思います。
きらきら星の歌に合わせたテ形の歌があるので紹介します。
出典:You Tube
こちらは、カントリーロードの歌に合わせたテ形の歌です。動詞の辞書形からの変換です。
出典:You tube
【まとめ】テ形さえできれば、後の活用は大丈夫!
テ形の教え方を紹介しました。
学習者が難しいと感じるように、初めてテ形を教えるときは、ドキドキしますよね。
でも、大丈夫です。一つ一つ丁寧にやっていけば、学習者も混乱することなくテ形を覚えられます。
授業に必要な準備と日本語教師に必要な基礎知識をギュッと7日間にまとめました。
それは、こちらでお届けしています。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。