今回は「~ています」の用法について、整理したいと思います。
「今、電話しています」の「~ています」は、学習者にとって理解しやすい文法です。
ですが、「~ています」には、意味が複数あります・・・!
例えば、「みんなの日本語」なら、「~ています」は6回に分けて学習します。
- 今、電話しています。(14課:現在進行形)
- 結婚しています。(15課:結果の状態)
- 父は銀行で働いています。(15課:職業)
- トヨタは車を作っています。(15課:習慣的行為)
- 毎朝、ジョギングしています。(28課:日常の習慣)
- 電気がついています。(29課:結果の状態)
では、学習者に
「先生、「~ています」は意味がたくさんあります。違いは何ですか?」
と聞かれたら、何と説明すればいいのでしょうか?
「うーん・・・、どうやって説明すればいいのかな…」と悩んでしまったのなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
この記事を読めば、以下のことがわかります。
目次
「~ています」の整理|教え方とポイント
考え方としては、「~ています」は3つに分類するといいと思います。(番号は、冒頭で紹介した例文の番号です)
現在進行形:①
結果の状態:②、⑥(結果の状態)
習慣:③(職業)、④(習慣的行為)、⑤(日常の習慣)
現在進行形「~ています」の教え方
現在進行形の意味は、一番わかりやすいです。
教師がその場で、動作(ジェスチャー)をしながら見せるといいと思います。
例えば、以下のように動作で示します。
- 「友達に電話します」と言って、電話をする動作をする。
- 「もしもし~」と言いながら、「今、電話しています」と言う。
- 「じゃあね」と言い、電話を終わった動作をして、「友達に電話しました」と言う。
その他に、食べる動作をして、「今、食べています」と言ったり、歩きながら「今、歩いています」と言うことができますよね。
このように、現在進行形の意味は、実際に見せることで「~ています」は動作をしているときに使うんだな、というのが理解できます。
結果の状態「~ています」の教え方
結果の状態は、図を描くとわかりやすいです。
例えば、下記のような図を描いて、

「2021年に結婚しました。今、2024年です。結婚しています。」
と言います。
図を描くことで、2021年に結婚してから、その状態(結婚している状態)がずっと続いていることが、視覚的にわかります。
習慣「~ています」の教え方
習慣は細かく分けると、「みんなの日本語」の教科書では、職業・習慣的行為・日常の習慣の3つに分かれます。
ただ、どれもその動作が定期的に繰り返し行われているという点では同じです。
ポイントは、習慣なので、その動作が繰り返されることです。
口頭で説明するのなら、動作が繰り返し行われていることがわかるように、説明をします。
説明例を紹介しますね。
職業「父は銀行で働いています」
父は、前から銀行で働いています。5年前、一年前も銀行で働きます。一週間前、昨日、今日、明日も、一週間後も、一カ月後も、父は銀行で働きます。父は銀行で働いています。
習慣的行為「トヨタは車を作っています」
トヨタは車を作っています。一週間前、昨日、今日、明日も、一週間後も、一カ月後も、トヨタは車を作ります。トヨタは車を作っています。
日常の習慣「毎朝、ジョギングしています」
私は毎朝ジョギングします。一週間前もジョギングしました。昨日も今日もジョギングしました。明日も、あさっても、私は、毎朝ジョギングします。毎朝、ジョギングしています。
習慣の意味は口頭でわかると思いますが、以下のような図を描いてイメージしてもらってもいいですね。

「~ています」の3つの違いをどう教える?
「~ています」の3つの意味を図で整理しよう!
「~ています」の現在進行形・結果の状態・習慣の3つの違いは、図を用いると分かりやすいです。

現在進行形は、ある時点からある時点の間だけです。
結果の状態は、ある変化が起こってから、その状態がずっと続きます。
習慣は、ある行為が定期的に継続して行われます。
現在進行形と結果の状態の違い
現在進行形と結果の状態では、順番が違います。
以下の図を見てください。

現在進行形の意味では、「電話します→電話しています→電話しました」という順番になります。

結果の状態では、「結婚します→結婚しました→結婚しています」という順番になります。
少し詳しい図で表すと、以下のようになります。

現在進行形の意味では、それが続くのは「今」だけですが、
結果の状態では、その状態が「ずっと」続きます。
結果の状態と習慣の違い
結果の状態では、ある変化が起こったら、その状態がずっと続きます。
習慣は、ある行為が定期的に継続して行われます。

現在進行形と習慣の違い
現在進行形は、「今」それが続いていることですが、
習慣では、ある行為が定期的に継続して行われます。

【まとめ】「~ています」の違いは、図を用いると分かりやすい!
「~ています」の現在進行形・結果の状態・習慣の3つの違いと教え方を紹介しました。
もう一度、3つの違いの図を紹介します。
☞図で整理しよう

☞それぞれの特徴とポイント
- 現在進行形:ある時点からある時点の間だけ。その場で動作(ジェスチャー)を見せるとわかりやすい。
- 結果の状態:ある変化が起こってから、その状態がずっと続く。図を描くとわかりやすい。
- 習慣:ある行為が定期的に継続して行われる。定期的に継続して行われることがわかるように、一週間前・昨日・今日・明日・一週間後・・・などの言葉を使うとわかりやすい。
学習者に、現在進行形・結果の状態・習慣の3つの「~ています」の違いを説明するときは、図を用いて説明するといいんだ、と教えるときの参考にしてみてくださいね。
たのすけは、口頭で説明しにくいものは図やイラストなどを用いて、イメージで理解できるようにするといいのかなぁと思っています。
ですので、使えるものはどんどん使って、学習者にとって理解しやすい説明を目指していきましょう!
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
≫日本語教師になりたい方向けのまとめ記事
≫授業のやり方や教え方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
≫【完全保存版】日本語授業のやり方や教え方がわかるまとめ記事
≫働き方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。