日本語教師のこと

外国人が日本で就職するために大切な3つのこと|留学生の就職指導

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日本語教師の方!「進学しないで就職したい」と言っている学生はいませんか?

「大学や専門学校の進路指導はわかるけど、留学生の就職指導ってどうしたらいいの?」と悩んでいる方もいらっしゃいますよね。

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

「留学生の就職指導」という観点で、参考になる資料を見つけたので、紹介しますね。今回参考にした本はこちらです。

 


この記事は、以下の人におすすめです。

  • 進学指導はしたことあるけど、就職指導はあまり経験がない。
  • 留学生が日本で就職するとき、必要なことを知りたい!
  • 日本企業が求めている日本語レベルを知りたい!
  • 日本企業が留学生に求めているものを知りたい!

 

「あまり留学生の就職指導をしたことがない」なら、ぜひこの記事を読んでみてください。

 

日本語学校を卒業した後の留学生の進路

未来への→

日本語学校を卒業した後の進路は、バラバラです。

専門学校や大学に進学する人、はたまた大学院に進学する人もいます。

日本で就職する人もいれば、帰国する人もいます。

 

一番多いのは専門学校や大学に進学する人です。

しかし、卒業後はすぐに日本で就職したいと思っている学生も多いのも事実です。

専門学校や大学に進学すると、お金も時間もかかりますからね。

 

大学や専門学校の進路指導だけでなく、日本で就職したい学生の就職指導をするのも日本語教師の大切な仕事です。

 

日本で働く外国人の数

現在、日本で働く外国人がどのぐらいいるのか知っていますか?

 

外国人労働者は128万人で、日本の労働力人口の約1.5%です。(平成29年10月度時点)

下のグラフをご覧ください。

外国人労働者の割合出典:パーソル総合研究所

 

日本で働く外国人労働者の数は、年々増えています。

日本の就業人口は、今後「少なくなる」ことが予想され、代わりに外国人労働者が「増えていく」ことが予想できます。

 

つまり、留学生が日本で働くチャンスは、これからもっと増えていきます!

 

日本企業が留学生に求める3つのもの

留学生が就活をするには、まずは日本企業が留学生に求めていることを知ることが大切です。

日本企業が留学生に求めているものは、大きく3つあります。

  1. 日本語能力
  2. 日本に対する理解
  3. 日本企業に勤務する社会人として求められる行動力

詳しく解説していきます。

 

1.日本語能力

男性と話している女性

日本語能力は必須です。なぜなら、日本はまだまだグローバル化されていないので、社内公用語は「日本語」です。

 

敬語などの待遇表現が必要と書いてあるように、社会人のビジネスマナーとして、相手に不快に感じさせないように「敬語」が使えるかどうかは大切なポイントになります。

業種にもよりますが、資料を読んだりメールを読んだりするのに、ある程度読解力は必要です。

漢字は書けなくてもいいので、漢字の意味がわかるようにしておきましょう。

 

働き時にJLPTはどのレベルを持っていればいいのか、「JLPTはどんな試験?N1~N5の日本語の会話力はどのぐらい?」の記事に書いていますので、ご覧ください。

 

  • 実践的な日本語の運用能力がある。
  • 読解能力(新聞や資料を読む力)がある。
  • 資料作成能力がある。
  • 敬語などの待遇表現が使える。

 

2.日本に対する理解

会社で話している人

「日本人は仕事に真面目だ」と言われているように、日本人の仕事に対する考え方や日本の企業風土を知っていることは大切です。

 

留学生のときにアルバイトをして、日本人と一緒に働きながら、日本人の考え方や日本企業の風土を勉強しておくといいですね。

日本語能力はもちろんのこと、日本社会に順応できるのかどうかもポイントです。

  • 日本人の考え方の理解がある。
  • 日本企業特有の企業風土への理解がある。
  • 日本社会全般に関する理解がある。

 

3.日本企業に勤務する社会人として求められる行動力

未来を向いている女性

お金のためだけではなく、『日本で働く目的』が大切です。

目的をきちんと言えれば、日本で長期的に働く意思があると受け取ってもらえます。

 

  • 長期的に日本で働く意思・目的を持っている。
  • 基本的なビジネスマナーができる。

 

基本的なビジネスマナーは、本を一冊読んでおけばいいと思います。

 

日本企業が留学生を採用するポイント

面接している男性

日本企業が留学生に求めているのは、日本語能力と専門知識です。

英語や母国語以外の語学力もできると、有利ですね。

もちろん、向上心や性格などのパーソナリティーの部分も大切です。

【留学生採用のポイント】

  1. 日本語力
  2. 専門知識、能力
  3. 日本語以外の語学力
  4. 向上心
  5. 異文化への適応
  6. 性格
  7. 日本文化、社会に関する一般教養知識

出典:「これで安心!外国人留学生のための日本就職オールガイド」凡人社,2009年

 

日本企業が留学生を採用する理由

話している女性

留学生を採用する理由は「人手不足」という理由じゃありません。

「留学生は優秀だから」という理由が多いです。

今後、海外展開を見据えて今のうちに、優秀な人材を確保しておこうという考えもあるようです。

【留学生を採用する理由】

  1. 国籍に関係なく優秀な人材を確保するため
  2. 海外の取引先に関する業務を行うため
  3. 自社(またはグループ)の海外法人における将来の幹部候補として
  4. 新規に海外進出する際に発生する業務を行うため
  5. 日本人への影響を含めた社内活性化のため
  6. 日本人では確保しにくくなった専門分野を補うため

出典:「これで安心!外国人留学生のための日本就職オールガイド」凡人社,2009年

 

日本企業の外国人人材に対する評価を知っておこう

人々

日本企業は、”元”留学生を評価している

企業は「留学生の企業への順応性」「長く働き続ける」ことを評価しているようです。

留学生は日本語の勉強を始めたきっかけが、「日本が好き」「日本文化が好き」という人も多いです。

なので、留学生は日本への順応性もあり、ずっと日本で働きたいと考えている人も多いです。

順応性という面では、留学生活で日本社会に慣れたというのもあるのでしょう。

【ほかの外国人人材と比較して元留学生が評価できる点】

  1. 現場における日本人とのコミュニケーションを上手に取ることができる
  2. 日本企業における働き方に理解が得やすい
  3. 日本人にも好印象が与えることができ、社内がより活性化される
  4. 長期雇用に対する理解が比較的得やすく、定着が期待できる
  5. 日本人への愛着が高く、企業への愛着にもつながりやすい
  6. 専門知識が豊富である
  7. 長期的な人材育成に対する理解が得やすく、キャリアパスが比較的作りやすい

出典:「これで安心!外国人留学生のための日本就職オールガイド」凡人社,2009年

 

日本企業は外国人に対して、不安も感じている

いい評価だけではなく、不安に感じている面もあります。

  1. 定着/離職率
  2. 組織への順応性
  3. 日本語能力 ☜ココ!
  4. 日本の文化、社会に関する一般教養的知識 ☜ココ!
  5. 雇用手続き
  6. 協調性
  7. 顧客対応
  8. 性格
  9. 年齢
  10. その他:専門知識、能力、向上心

出典:「これで安心!外国人留学生のための日本就職オールガイド」凡人社,2009年

 

「日本語能力」と「日本の文化、社会に関する一般教養的知識」は、日本語教師が学生に指導できます。

 

【まとめ】

女性

現在は外国人の採用に積極的な企業が多いです。

留学生も日本語学校卒業後に、すぐ日本で働くことを希望している人も多くなっています。

企業が「留学生に求めてるものは何か」を知ることで、少しでも就職活動の指導に役立ててもらえたらと思います。

 

留学生が日本で就職するために大切なことをまとめます。

  • 日本語力は必須。相手に不快を感じさせないように、敬語を使えるようにしよう!
  • 日本人の仕事に対する考え方を知って、日本社会に順応できるようにしよう!
  • 日本で長く働く意思を示せるように、日本で働く「目的」をはっきりさせよう!

 

学生が思っていることと、企業が求めていることは違うことも多いので、まずはそのギャップを教えてあげましょう。

就職を希望している学生が一人でも多く、日本で就職できるといいですね。


 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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