日本語の教案

意外と知らない「上手/得意」と「下手/苦手」の使い分け|日本語文法の基礎知識

「学習者が『私は日本語が上手です』と言ったけど、どこか違和感を感じる・・・」

「上手と得意、下手と苦手は置き換えできる?』

そんな疑問を持っていませんか?

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

「上手」や「得意」、「下手」や「苦手」は学習者にとって難しくなく、覚えたら比較的簡単に使えるようになります。

だからこそ、使うときのポイントや違いを押さえておきたいですよね。

「上手/得意」、「下手/苦手」の使い方に自信がない・・・というなら、ぜひこの記事を読んてみてください。

 

「上手」「得意」について

「上手」「得意」はどんなときに使う?

「上手」は、技術が普通よりも高いときに使います。

「得意」は、技術が普通よりも高くて自信があるときに使います。

たのすけ
たのすけ
技術とは、スポーツ・楽器・語学・料理などです。

 

「上手」と「得意」の違いは?

「上手」は、自分や家族のことを言うときに使いません。それ以外の人のことを言うときに使います。

自分や家族のことを言うときに「上手」を使うと、自慢しているように聞こえてしまいます。

× わたしはテニスが上手です。

〇 田中さんはテニスが上手です。

たのすけ
たのすけ
学習者は「わたしは〇〇が上手です」とする誤用が多いので、気を付けましょう。

 

自分や家族のことを言うときは、「得意」を使うのがいいです。

〇 は料理が得意です。

まとめると・・・

自分、家族自分、家族以外の人
上手×
得意
たのすけ
たのすけ
「得意」は、自分や家族、それ以外の人を言うときの両方に使えます。

 

「上手」を使うときに気を付けるポイント

目上の人には使わないほうがよい

目上の人に、上手を使うと失礼に聞こえることがあるので、あまり使わないほうがいいです。

目上の人に直接言うのも、避けた方がいいとされています。

△ 先生は日本語の教え方が上手ですね!

もし使うのならば、「上手です」という言い方をすれば、あまり失礼に感じないかと思います。

〇 先生は日本語の教え方がお上手ですね!

 

勉強や仕事と一緒には使えない

よく「勉強が上手です」「仕事が上手です」と言ってしまう誤用があります。

このような言い方はしないので、気を付けましょう。

勉強が上手です → 勉強が得意です

仕事が上手です → 仕事が早いです/仕事ができます

たのすけ
たのすけ
「そんなときはこう言うよ」と、言い換えた言葉を紹介しましょう。

 

「下手」「苦手」について

「下手」「苦手」はどんなときに使う?

「下手」は、技術が普通よりも低いときに使います。

「苦手」は、技術が普通よりも低くて自信がないときに使います。また、あまり好きでないものを言うときにも使います。

 

「下手」と「苦手」の違いは?

「下手」は、自分や家族のことを言うときに使います。自分や家族以外の人には使いません。

〇 わたしはテニスが下手です。

× 田中さんはテニスが下手です。

たのすけ
たのすけ
仲のいい友達に冗談で使うならいいですが、そうじゃないと失礼になります。

 

自分と家族以外の人のことを言うときは、苦手を使います。

〇 田中さんはテニスが苦手です。

まとめると・・・

自分、家族自分、家族以外の人
下手×
苦手
たのすけ
たのすけ
「苦手」は、自分や家族、それ以外の人を言うときの両方に使えます。

 

【まとめ】「上手/得意」「下手/苦手」は似ているようにで、使い方は異なる!

「上手」と「得意」、「下手」と「苦手」の使い方について紹介しました。

学習者にとってもあまり難しくないので、覚えたらすぐに使える日本語ですが、ポイントを押さえておきましょう。

「上手」「下手」は自分と家族以外の人には使わない。

× わたしはテニスが上手です。

× 田中さんはテニスが下手です。

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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