先日オンラインレッスンをしていて、N1を持っている学習者で「まで」と「までに」を逆に使っている学習者がいました。
本人は、いつも「まで」と「までに」はどっちを使っていいのか混乱してしまうと言っていました。
学習者にとって「まで」と「までに」は間違えやすいですよね。
実際に学習者から、その違いについて質問されることも多いです。
この記事では、学習者が混乱しやすい「まで」と「までに」をどうやって教えたら分かりやすいのかを、図や例文で示しながら考えていきたいと思います。
目次
「まで」と「までに」
「まで」の意味
「まで」は、続いている動作や状態の終わりの点を表します。
つまり、動作が継続している状態です。
「までに」の意味
「までに」は、ある時点までにできること(すること)を表し、1回きりの動作に使います。
「まで」と「までに」の違い
違いを図で示そう!
「まで」は、動作がずっと継続していることを表すので、幅があり『線』のイメージです。
9時から12時まで日本語を勉強します。
「までに」は、ある時点までの期限、1回きりの動作を表すので、『点』のイメージです。
金曜日までにレポートを出してください。
使われる動詞に違いはある?
「まで」は、継続する動詞と一緒に使われます。勉強する、働く、待つ、などです。
「までに」は、1回きりの動作を表す動詞と一緒に使われます。提出する、申し込む、返す、などです。
両方使える動詞もあるので、注意しましょう。
例えば、「いる」は両方使えるので、「まで」と「までに」で意味が違ってしまいます。
- 13時まで教室にいてください。(13時までずっと(継続)教室にいる)
- 13時までに教室にいてください。(13時までに(期限)教室にいればよい)
では、例文を見ていきましょう!
「まで」と「までに」の例文
- 17時(〇まで ×までに)待っています。
- 毎日18時(〇まで ×までに)働きます。
- 昨日の晩、21時から23時(〇まで ×までに)映画を見ました。
- 今朝は10時(〇まで ×までに)寝てしまいました。
- 図書館の本は土曜日(×まで 〇までに)返さなければなりません。
- パーティーに参加するときは、明日(×まで 〇までに)返事をしてください。
- すみません、今忙しいので19時(×まで 〇までに)電話します!
- 水曜日(×まで 〇までに)申し込んでください。
【まとめ】「まで」は『ずっと(継続)』、「までに」は『期限』
「まで」と「までに」の違いについて説明しました。
- まで:ずっと(継続)。継続する意味を持つ動詞と一緒に使われることが多い。
- までに:期限・締め切り。1回きりの動作を表す動詞と一緒に使えることが多い。
「まで」と「までに」は学習者が混乱しやすいので、図や例文を用いて簡潔に説明できるようにしておきたいですね。
国際交流基金のHPにも分かりやすい解説が載っていたので、こちらも参考にしてみてください≫日本語教育通信 文法を楽しく「まで・までに」
事前に、学生がつまづきやすい文法を把握しておけたらいいと思いませんか・・・?
それは、こちらでお届けしています。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。