日本語の教案

「まで」と「までに」は図と例文で違いを明確に!|日本語文法の基礎知識

先日オンラインレッスンをしていて、N1を持っている学習者で「まで」と「までに」を逆に使っている学習者がいました。

本人は、いつも「まで」と「までに」はどっちを使っていいのか混乱してしまうと言っていました。

 

学習者にとって「まで」と「までに」は間違えやすいですよね。

実際に学習者から、その違いについて質問されることも多いです。

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

この記事では、学習者が混乱しやすい「まで」と「までに」をどうやって教えたら分かりやすいのかを、図や例文で示しながら考えていきたいと思います。

 

「まで」と「までに」

「まで」の意味

「まで」は、続いている動作や状態の終わりの点を表します。

つまり、動作が継続している状態です。

たのすけ
たのすけ
「まで」は『ずっと』と覚えるといいです。

 

「までに」の意味

「までに」は、ある時点までにできること(すること)を表し、1回きりの動作に使います。

たのすけ
たのすけ
予定や決まりなどの『期限』『締め切り』を表すときに使うことが多いです。

 

「まで」と「までに」の違い

違いを図で示そう!

「まで」は、動作がずっと継続していることを表すので、幅があり『線』のイメージです。

9時から12時まで日本語を勉強します。

9時から17時まで日本語を勉強します
たのすけ
たのすけ
9時から12時まで『ずっと』日本語を勉強します。

 

「までに」は、ある時点までの期限、1回きりの動作を表すので、『点』のイメージです。

金曜日までにレポートを出してください。

気曜日までにレポートを出してください。
たのすけ
たのすけ
期限が金曜日なので、レポートは金曜日までならいつ出してもいいです。「金曜日までに」のときは、金曜日も含みます。

 

使われる動詞に違いはある?

「まで」は、継続する動詞と一緒に使われます。勉強する、働く、待つ、などです。

「までに」は、1回きりの動作を表す動詞と一緒に使われます。提出する、申し込む、返す、などです。

 

両方使える動詞もあるので、注意しましょう。

例えば、「いる」は両方使えるので、「まで」と「までに」で意味が違ってしまいます。

  • 13時まで教室にいてください。(13時までずっと(継続)教室にいる)
  • 13時までに教室にいてください。(13時までに(期限)教室にいればよい)
たのすけ
たのすけ
両方使える動詞の場合は、「まで」と「までに」を理解していないと、ミスコミュニケーションが起きてしまうので、やはりしっかり覚えておきたいですね。

 

では、例文を見ていきましょう!

「まで」と「までに」の例文

  • 17時(〇まで ×までに)待っています。
  • 毎日18時(〇まで ×までに)働きます。
  • 昨日の晩、21時から23時(〇まで ×までに)映画を見ました。
  • 今朝は10時(〇まで ×までに)寝てしまいました。
  • 図書館の本は土曜日(×まで 〇までに)返さなければなりません。
  • パーティーに参加するときは、明日(×まで 〇までに)返事をしてください。
  • すみません、今忙しいので19時(×まで 〇までに)電話します!
  • 水曜日(×まで 〇までに)申し込んでください。
たのすけ
たのすけ
確認や練習として、学習者に「まで」と「までに」のどちらがいいか、選んでもらうといいですね。

 

【まとめ】「まで」は『ずっと(継続)』、「までに」は『期限』

「まで」と「までに」の違いについて説明しました。

  • まで:ずっと(継続)。継続する意味を持つ動詞と一緒に使われることが多い。
  • までに:期限・締め切り。1回きりの動作を表す動詞と一緒に使えることが多い。
たのすけ
たのすけ
「まで」は線、「までに」は点とイメージで覚えてもらうのもいいと思います。

 

「まで」と「までに」は学習者が混乱しやすいので、図や例文を用いて簡潔に説明できるようにしておきたいですね。

国際交流基金のHPにも分かりやすい解説が載っていたので、こちらも参考にしてみてください≫日本語教育通信 文法を楽しく「まで・までに」

 

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それは、こちらでお届けしています。

 

以上、たのすけでした。

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