日本語教師になって3・4カ月目の頃に、
「もう日本語教師をやめよう。」
そう本気で思った出来事がありました。
それは「授業に全くやる気のないクラス」を教えていたときでした。
特に、その日のクラスは酷いもんでした。
机に伏せて寝ている学生
携帯電話で遊んでいる学生
友達とのメッセージのやり取りに夢中な学生
授業を聞くきはなく、何回注意しても意味はありませんでした。
授業をしたところで意味もなく、もう授業をしたくなくて、
「もう今日の授業は終わりです」
と静かに一言だけ言って、私は授業するのをやめて、クラスから出て行ってしまったのです。
今思うと、本当に未熟でした。
記事にするべきか迷った出来事ですが、同じように悩んでいる人の役に立つことがあるかもしれないと思い、記事にしました。
その出来事については「「日本語教師をやめよう。」と思った出来事|新人の頃の体験談」の記事に詳しく書いています。
自分には日本語教師は向いていなくて、「もう日本語教師をやめよう。」と思ったわけですが、
学生のおかげで、続けることができました。
ずーっとくよくよしているわけにもいかないので、未熟なりに出来事を振り返って考えたことがありました。
この記事では、日本語教師として未熟だった私がこの経験から、反省したことや考えたことを、お伝えしたいと思います。
目次
「授業をやめて教務室へ帰った」出来事から学んだこと

日本語教師として反省した3つのこと
出来事を振り返って、3つのことを反省しました。
1.学生に向き合えていなかった
「日本語を勉強する気がない学生に授業をしても意味がない」
と思って、授業をやめて教室から出てしまうという事件を起こしましたが、本来はこうなる前にできることがありました。
普段から授業にやる気のない学生たちだったので、
をヒアリングするべきでした。
毎日の業務が忙しいからと、学生に寄り添って話を聞けていませんでした。
学生が楽しいと感じる授業や上達したと実感できる授業を提供できていなかったのならば、授業の改善ができます。
学生自身に明確な目標がなく、日本語を勉強するモチベーションが下がっていたのなら、いろんな可能性を提示することができます。
このように、学生と向き合って話をすれば、どこに原因があったのかわかったと思います。
このことから、学生に向き合うことは大切だと思っています。
2.学生一人一人に目を配れていなかった
できない学生に目がいってしまい、クラス全体を見れていただろうか。
振り返って、考えました。
クラスの全員が授業にやる気がなかったわけではないと思います。
大多数の授業にやる気がない学生にばかり目がいってしまって、
少数派の真面目に日本語を勉強したい学生に目を向けてあげられていただろうか。
もっと学生一人一人を見るべきだったと思います。
3.日本語が上手になれば、広がる世界や可能性を提示できていなかった
日本に留学に来る理由は様々です。
日本に来る留学生のほとんどは、「日本語を勉強したい」「日本語が上手になりたい」と思って日本に来ます。
日本語が上手になった先のことまで考えている人もいれば、漠然としている人もいます。
日本語を勉強するのが楽しくて、もっと勉強したい!という気持ちにさせてあげられていただろうか。
もし自分の強い意志で日本に来たわけではないというなら、日本語が上手になれば、将来どのような未来があるのかを伝えてあげられていただろうか。
きっと、できていなかったんだと思います。
明確な目標があったら、日本語を勉強する姿勢や日々の過ごし方が変わったかもしれない。
このことから、日本語が上手になるだけじゃなくて、
という、その先まで一緒に考えたいと思うようになりました。
日本語の授業について考えたこと

日本語の授業についても、振り返りました。
もともと他の先生からも「学生が勉強にやる気がない」と言われてはいましたが、
日本語の授業が楽しくて意味のあるものならば、携帯電話でゲームをしたりせずに、授業をきちんと聞いていたと思います。
それで、授業については次のことをより意識するようになりました。
新人だったとはいえ、このことは意識していたつもりでしたが、より意識した授業を心掛けるようになりました。
日本語教師として「何をしたいのか」について考えた

日本語教師としてすごく未熟な私でしたが、この出来事から、
日本教師として、日本語を学ぶ学習者の日本語力を上げたい!一人一人に向き合って、日本語を学習するサポートをしたい!と以前にも増して思うようになりました。
日本語を学びたい人の理由や背景は様々ですが、一つだけ同じことがあります。
ちょっと大袈裟ですが、『日本語ができれば、世界や可能性が広がる』ということです。
日本語が話せるようになれば、繋がれる人が増えます。
日本の大学や専門学校に進学して、新しい知識を身につけられます。
日本で就職して、国とは違う経験が積めます。
このように、日本語を通して、今までとは違った世界が開け、可能性が広がります。それは、日本語ができるようにならなければ、できないことです。
趣味で日本語を勉強している人だって、
日本のアニメやドラマを日本語で聞いて、その世界観をそのまま味わえます。
きっと、今までと違った印象を持って、より楽しめると思います。
【まとめ】どんな経験も何かを気づかせてくれる貴重な経験になる

授業にやる気のないクラスで授業をやめてしまった教務室へ帰ってしまった経験は、
私にもっと学生一人一人と向き合うことと、日本語教師として何をしたいのかを考えさせ、気づかせてくれました。
「もう日本語教師をやめよう」
「自分には日本語教師が向いていない」
「自分には日本語教師は無理なんだ」
と、ネガティブなことばかりを考えていましたが、あとから振り返ると、考えるきっかけをくれたありがたい経験となりました。
どんな経験でも、その出来事があるのは何か意味があるのだと思います。
その時はネガティブなことばかり考えてしまうと思いますが、その時は少し時間が経ってから考えてみると、違った視点で物事を考えられるようになります。
今振り返っても、あの時「日本語教師をやめないでよかった」です。
きっとあのままやめていたら、今頃後悔していたと思います。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。