日本語の教案

自動詞・他動詞はどうやって教える?|教え方を教案風に紹介します!

「自動詞・他動詞を学習者に教えるのはどうしたらいいんだろう・・・」

そんなお悩みを持っていませんか?

 

初めて自動詞・他動詞を教えるときは、「どうやったら分かりやすく教えられるんだろう・・・」と悩んでしまいますよね・・・!私もそうでした。

学習者の国によって、自動詞・他動詞がない場合もあります。

なので、自動詞・他動詞が出てきたときに「難しい・・・!」と感じる学習者も多いようです。

だからこそ、分かりやすく教えられたらいいですよね。

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

この記事を読めば、以下の疑問が解決します。

  • 自動詞・他動詞はどうやって教えればいいの?
  • 教えるときのポイントはある?
  • 学習者からはどんな質問がくる?どうやって答えればいい?

自動詞・他動詞の教え方に自信がないなら、ぜひこの記事を読んでみてください。

 

自動詞・他動詞の教え方

前提として、「みんなの日本語」29課を教えるときに、初めて自動詞・他動詞を教えるときの教え方になります。

1.動詞には自動詞・他動詞があることを紹介する

まずは、動詞には自動詞・他動詞があることを紹介します。

T:動詞には、自動詞と他動詞があります。

自動詞と他動詞
たのすけ
たのすけ
ここでは、「動詞には自動詞と他動詞があるんだ~」と知ってもらえればOKです。

 

2.絵カードを使って、自動詞・他動詞を紹介する

自動詞・他動詞の動詞の絵カードを見せて、学習者に動詞を言ってもらいます。

T:動詞を言ってください。

ドアが開く

S:開きます

T:ドア・・・

S:ドアが開きます。

T:そうですね。ドアが開きます。

 

T:この動詞は?

ドアを開ける

S:開けます

T:ドア・・・

S:ドアを開けます。

T:そうですね。ドアを開けます。

ポイントは、学習者が「開けます」や「開けます」と言ったら、「ドア・・・」と名詞を言て、助詞も引き出します。

理由は、助詞が違うことに注目させたいからです。

「開きます」「開けます」以外にも、自動詞・他動詞がペアである動詞の絵カードをいくつか見せて、助詞が「を」と「が」があることを理解してもらいます

たのすけ
たのすけ
絵カードで紹介する動詞は、今まで学習したことのある動詞で、自動詞・他動詞がペアである動詞にしましょう。

 

下記のように、それぞれ対になる動詞を一覧にして紹介してもいいと思います。

自動詞他動詞
開(あ)きます開(あ)けます
閉(し)まります閉(し)めます
つきますつけます
入(はい)ります入()れます
消()えます消()します
壊(こわ)れます壊(こわ)します
たのすけ
たのすけ
同じ漢字を使っても、「消(き)えます」「消(け)します」など、読み方が違うときもあるので気を付けましょう!ひらがなではなく漢字で書いて、フリガナを書くといいと思います。

 

3.自動詞・他動詞で使う助詞に注目させる

次は、自動詞のとき、他動詞のときに使う助詞を聞きます。例を紹介します。

T:「開きます」「閉まります」「つきます」は自動詞です。助詞は?

S:「が」です。

T:そうです。「開けます」「閉めます」「つけます」は他動詞です。助詞は?

S:「を」です。

T:そうです。自動詞のときは「が」、他動詞のときは「を」を使います。

★自動詞:名詞+が+自動詞

ドアが開きます

★他動詞:名詞+を+他動詞

ドアを開けます

 

教える側の知識として、「が」だからいつも自動詞、「を」だから他動詞ではないことはおさえておきましょう

学習者には伝えなくていいと思いますが、いつも「自動詞=が」ではないのです・・・!

 

例えば、「犬が小屋に入ります」では、助詞は「に」を使います。

自動詞でも「階段を上ります」「橋を渡ります」は、助詞は「を」になります。これは通過点の意味の「を」です。

 

ですが、初めて学生に自動詞・他動詞を教えるときは、自動詞は「が」、他動詞は「を」と覚えてもらうと覚えやすいです。

自動詞でも助詞は「が」以外を取るときもある、というのはこの段階ではなく、次の段階でもいいと思います。

たのすけ
たのすけ
学習者のレベルに合わせて、伝えること・伝えないことを決めるといいと思います。

 

4.自動詞・他動詞で「誰がするのか」に注目させる

自動詞と他動詞の特徴として、『誰がするのか』に注目させます。

T:他動詞の「ドアを開けます」、誰がしますか?

S:人です。

T:自動詞の「ドアが開きます」は誰がしますか?

S:誰もしません。

T:そうです。他動詞のときは、「人」がします。「人が…します」です。自動詞のときは誰もしません。スーパーのドア、電車のドアは私たちは何もしません。でも、開きます。

※ジェスチャーでドアを開ける動作、自動でドアが開く動作をしながら説明するといいと思います。

「みんなの日本語」29課でのポイントをまとめると、以下のようになります。

他動詞を使うのは、「人が何かするとき」で、目的語の「を」を取る。

自動詞のときは、「自然にそうなるとき(人がしないとき)」で、目的語の「を」を取らない。

たのすけ
たのすけ
他動詞のときは人の動作に注目して、自動詞のときは動作を受ける対象に注目しています。

 

注意点は、いつも「自動詞=自然にそうなるとき」ではありません。

例えば、「行きます」「歩きます」「立ちます」などは人がする動作ですが、目的語を取らない(「Nを」の形にならない)ので自動詞です。

たのすけ
たのすけ
「みんなの日本語」29課の時点では、ペアになっている動詞で自動詞・他動詞を覚えればいいので、「行きます」は自動詞です、などは言わない方がいいです。混乱します・・・!

 

5.絵カードで練習する

自動詞・他動詞について理解したら、絵カードを使って練習します。

このとき、動詞だけを言わせるのではなく、「名詞+助詞」も一緒に言わせます

動詞だけ覚えても使えるようにはならないので、「名詞+助詞」も一緒に覚えさせることをお勧めしています。

× 開きます

〇 ドアが開きます

たのすけ
たのすけ
動詞は単体で覚えるのではなく、コロケーションといって、一緒に使う動詞や助詞も一緒に覚えるといいです。1回だけじゃなく、繰り返しやって覚えてもらいましょう!

 

自動詞・他動詞の練習絵カードは、こちらの本にあります。

たのすけ
たのすけ
この本は、導入や練習できる絵カードが文型ごとに豊富にあるので、おすすめですよ~!

 

自動詞・他動詞を教えるとき、学習からどんなこと聞かれる?

学習者から聞かれそうな質問をまとめました。

学習者から質問があるかも・・・!と思って、頭の片隅に入れておいていただければと思います。

自動詞と他動詞は必ずペアがあるの?

自動詞と他動詞が必ずペアで存在するのかどうかは、NOです

自動詞と他動詞にはペアになるものもあれば、ペアがないものもあります。

また、自動詞か他動詞の片方しかない動詞もありますし、一つの動詞で自動詞と他動詞の役割をする動詞もあります。

 

ペアのない動詞例:書く(他動詞のみ)、わかる(自動詞のみ)

自動詞・他動詞のどちらにもなれる動詞例:終わる(仕事が終わる、仕事を終わる)

 

自動詞・他動詞にはルールがある?

一般的に自動詞・他動詞の特徴はありますが、厳密なルールは存在しません

学習者に聞かれたら、「ルールはありません」でいいと思います。

特徴として、以下のようなものがあります。

  • 自動詞には-aru、-reruで終わるものが多い。(例)閉まる(shimaru)、変わる(kawaru)、壊れる(kowareru)、汚れる(yogoreru
  • 自動詞-aruを-eruに変えると、他動詞になる。(例)閉まる(shimaru)→閉める(shimeru)、変わる(kawaru)→変える(kaeru
  • -suで終わるものは他動詞。(例)消す(kesu)、出す(dasu
たのすけ
たのすけ
自動詞・他動詞にはルールがないので、余計に「難しい・・・」と感じてしまう学習者が多いんだと思います。

 

自動詞はいつも助詞が「が」で、他動詞はいつも助詞が「を」?

他動詞は目的語を取る動詞なので、いつも助詞は「を」です

ですが、自動詞は「が」以外の助詞もたくさんあります。

例えば、「~へ行きます」「~を通ります」「~に入ります」などは、自動詞ですが、助詞は「が」じゃありません。

 

【まとめ】

自動詞と他動詞の教え方について紹介しましたが、どうでしょうか・・・?

学習者にとって、初めて自動詞・他動詞を勉強するときは、難しく感じるものです。

 

もう一度、自動詞・他動詞を教えるときのポイントをまとめますね。

☞自動詞・他動詞の教え方

  1. 動詞には、自動詞・他動詞があることを紹介する。
  2. 絵カードを使って、自動詞・他動詞を紹介する。
  3. 自動詞・他動詞で使う助詞に注目させる。
  4. 自動詞・他動詞で「誰がするのか」に注目させる。

☞学習者からの質問例

  • 自動詞・他動詞には必ずペアがあるの → NO!!
  • 自動詞・他動詞にルールはある → NO!

 

学習者だけでなく、私たちも初めて教える文型は、ちょっと緊張しますよね・・・!

最初から完璧を目指すのではなく、次回に改善しよう!ぐらいの気持ちでやっていけばいいと思っています。

たのすけ
たのすけ
100%完璧な授業なんてありません・・・!!大丈夫です!リラックスしてやっていきましょう!

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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