日本語の教案

「見える」「見られる」の違いは〇〇かどうか|日本語文法の基礎知識

学習者から「『見える』と『見られる』の違いは何ですか?」

と聞かれたら、あなたはどう答えますか・・・?

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

「見える」と「見られる」の違いについて、学習者から質問されることがあります。

学習者から違いについて聞かれたときに、答えられるようにしておくと、安心ですよね・・・!

 

この記事を読むと、以下の疑問が解決できます。

  • 「見える」と「見られる」の意味は?
  • 「見える」と「見られる」の違いは?
  • 「見える」と「見られる」の分かりやすい例文はある?

「見える」と「見られる」の違い

「見える」の意味

「見える」は、自然と目の中に入ってくるという意味です。

自然と目に入ってきた出来事を伝える場合に使われます。

あ、今流れ星が(〇見えた ×見られた)!

見える
たのすけ
たのすけ
「見える」は自発動詞です。

 

「見られる」の意味

「見られる」は、「見る」の可能形です。つまり、見ることができる、という意味ですね。

自分の意志があって意識して見る場合は、「見られる」を使います。

 

もう少し詳しく説明すると、最新の映画を映画館のスクリーンで見たいから映画館へ行ったとします。

その場合、わざわざ映画館まで行ってお金を払って映画を見ますよね。つまり、意識して見ることになります。

映画館で映画が(×見えます 〇見られます)。

見られる
たのすけ
たのすけ
ときどき、「『見られる』と『見れる』も同じですか?」と質問をされることがあります。「見れる」は「見られる」のら抜き言葉なので、注意しましょう!

 

「見える」と「見られる」の違いは?

「見える」と「見られる」は言葉は似ていても、上記で紹介したように意味は違います。

違いは、以下のことがポイントになります。

  • 自然に目に入ってくるかどうか
  • 自分の意志で意識して見るのかどうか

 

「見える」「見られる」

自然に目に入ってくる場合「見える」を使い、自分の意志で意識して見る場合は「見られる」を使います。

たのすけ
たのすけ
わざわざお金や時間、手間をかける場合は「見られる」を使います。

 

学習者への説明は?

学習者への簡単に説明するなら、以下のような言い方になるかと思います。(初級の学習者が理解できるように簡単に説明しています)

  • 「見える」を使うのは、何もしないけど、見たときに使う。
  • 「見られる」を使うのは、見たいから、見るときに使う。(見ることができる)
たのすけ
たのすけ
下記で紹介するような例文と一緒に違いを示すのがわかりやすいと思います。

 

「見える」「見られる」の違いを例文で示そう!

「見える」と「見られる」は、例文で違いを示すのがわかりやすいと思います。

ここで注意してほしいのは、「その状況になれば自然と~になる」の意味で使うときは、「見える」も「見られる」のどちらも使うことができます

ビルの屋上に行けば、富士山が(〇見えます 〇見られます)。

たのすけ
たのすけ
どちらも使える例文は違いを示すときには提示しないほうがいいです。学習者が違いを理解するのに、ややこしくなってしまいますからね。

 

  • あ、遠くに田中さんが(〇見えた ×見られた)!行ってみよう!
  • 美術館でピカソの絵が(×見えます 〇見られます)。
  • フラワーパークできれいな花が(×見えます 〇見られます)。
  • 目が悪いので、ホワイトボードの小さい文字が(〇見えません ×見られません)。
  • あそこに犬がいたのに・・・(〇見えなく ×見られなく)なっちゃった。
  • DVDの機械が壊れたので、DVDが(×見えない 〇見られない)。
たのすけ
たのすけ
例文だけじゃなくて、状況も一緒に説明すると、より分かりやすくなると思います。

 

【まとめ】分かりやすい例文で違いを示そう!

「見える」と「見られる」の違いについて解説しました。

もう一度まとめます。

見える:自然に目に入ってくる場合に使う。

見られる:「見る」の可能形。自分の意志で意識して見る場合に使う。

たのすけ
たのすけ
「見られる」を使うのは、わざわざお金や時間・手間をかけるときでしたね。

 

学習者から「見える」と「見られる」の違いについて聞かれたときは、「自然に」「意識的に」と説明しても理解しにくいと思うので、違いを示せるように例文を準備しておくといいと思います。

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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