「日本語教師になりたいけど、新卒で日本語教師になるのは不安・・・」
「日本語教師になる前に、一般企業に就職したほうがいいのかな」
こんな悩みを持っていませんか?
この記事では、「新卒で日本語教師になってもいい?一般企業に就職したほうがいい?」をテーマに、新卒で日本語教師になるメリット・デメリットを紹介しています。
この記事を読めば、以下の疑問が解決します。
「新卒だけど…」と悩んでいるのは「新卒で日本語教師になりたい」から悩んでいるんですよね。
先輩日本語教師の意見として、ぜひ選択するときの参考にこの記事を読んでみてください。
目次
日本語業界の事情
新卒の日本語教師に需要はある?
結論から言うと、新卒でも日本語教師に需要はあります。心配しないてください^^
ただし、「社会人経験あり」のほうが求人数は多いです。
国内の日本語教師の求人を見ると「社会人経験〇年以上」と書いてある学校もあります。
今は売り手市場と言われていますが、社会人経験がある日本語教師の方のほうが需要があるのは事実です。
教師という職業柄、『社会経験もある人のほうが日本社会での経験もあり、教えられる幅が広い』と思われているからです。
日本に来る留学生は、現地で働いていた人も多く、新卒で日本語教師になった人より年上の場合もあります。
現地で社会人経験がある方は、日本語の文法だけでなく、日本企業や日本社会のことも知りたい人が多いです。
しかし、自分が経験していないことを教えるのは難しいですよね。
そういった面では、社会人経験がある日本語教師のほうが教えられる幅も広いし、需要があると言えます。
日本語教師の求人で確認したいなら、「日本語教師の求人サイトまとめ|10サイトから好みの求人を探そう!」からどうぞ。
日本語学校は少数精鋭?
日本語学校は少数精鋭です。
専任講師の数は最少人数に収めて経営しているところ学校がほとんどです。
どの日本語学校も「人手が足りています!」なんて学校は、ほとんどないと思います。
日本語学校は人手不足の学校も多いので、新人教育をする余裕もないですし、新人教育制度が整っている学校も少ないです。
(2021.7.24追記)
コロナが広まってから日本に留学に来られる人が少なくなったので、以前より日本語教師の求人は少なくなりました。
また、専任講師として働く場合は”即戦力”になることを求められるので、社会人経験がある人が優遇されます。
日本語業界で中途採用が多い理由ですね。
私は、新卒で日本語教師になったという人に、今まで1人しか出会ったことがありません。
その先生は社会人としてしっかりされていましたが、「最初は一般企業で就職すればよかった」と言っていました。
理由は、日本語学校は一般企業と違うことも多いので、普通の会社で働いたほうが社会人経験がつめるからだそうです。
新卒で日本語教師に就職してもいいの?
【結論】新卒なら、一般企業に就職したほうがいい!
結論から言うと、新卒ならまずは一般企業に就職したほうがいいです。
理由は、3つあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
1.社会人経験が積める
社会で働いた経験があるのは、すごく貴重な経験になります。
なぜなら、『社会経験もある人のほうが日本社会での経験もあり、教えられる幅が広い』からです。
社会人経験といのは、漠然としていますね。
社内の人との人間関係、取引先の方、お客様との関係、いろんなタイプの違う方と出会えます。
社会の経済活動の仕組みもわかるようになります。
日本語学校でも社会人経験は積めますが、少し特殊だと思います。
新卒で日本語教師になると、「日本語学校の常識=一般企業(社会)の常識」と思ってしまいがちです。
両方で働いた経験がある私からすると、一般企業で働いていたときのほうが、いろんな人や業務に携わることができ、社会人としての経験が積めたと思います。
基本的な電話応対やパソコンスキルも身につきますしね。
日本語学校で働くようになれば、日本語学校での社会人経験が積めますが、それは他の日本語教師の方々とあまり変わりません。
一般企業で働いた経験は、あなたにしかない強みになります。
2.新卒ブランドがある
「新卒ブランドを捨てるのはもったいない」です。
この理由は、日本の企業風土にも関わっています。
日本企業は世界的に見ても変わっています。
日本は新入社員を育てようという企業風土ですよね。
今でこそ減ってきていますが「終身雇用」「年功序列」という考え方がまだ残っている企業も多いです。
外資系の会社や海外で就職しようと思うと専門スキルを求められますが、日本の場合は新卒の人は特に何のスキルを持っていなくても就職できちゃいます。
日本は新人教育をして、いろんな部署を経験させて、その人個人の能力を上げ、結果とし会社に貢献してもらおうという考えです。
新卒で入社すると、ほとんどの会社が最初に新人研修を行っています。
新人研修では、電話応対や名刺交換、ビジネスマナーなどの基本的なことが学べます。
この新人教育というのは新卒で入社した人だけの特権です。
チャンスは一生に一回だけなんです。
新入社員に投資した金額が返ってくるのは3年後だと言われています。
新卒で会社に入れば、お給料をもらいながら、社会人としてのスキルも勉強できちゃうんです。
こんな機会を見逃すのはもったいないと思いませんか?
3.安定した給料が得られる
一般企業に就職すれば、毎月安定したお給料がもらえます。
大学を卒業したばかりだと、持っているお金が少ないですよね。
「奨学金を返済しなければならない」「車が必要だから購入しなければならない」など、お金が要るかもしれません。
新卒で日本語教師になったときに、常勤講師(専任)ではなく非常勤講師として採用されることのほうが多いかもしれません。
なぜなら、日本語業界は、非常勤講師からスタートして常勤講師(専任)にステップアップすることがほとんどだからです。
非常勤講師は時給制なので、働いた分しかお給料はもらえません。
日本語教師になりたてで、たくさんの授業を受け持つのには授業準備の時間も足りなくなるので、あまりおすすめできません。
最初の頃は、アルバイトを掛け持ちして日本語教師をやっている方が多いです。
【参考】日本語教師の「常勤」と「非常勤」の違い|メリット・デメリットを紹介!
お金がなければ、旅行などの経験やお金が必要な体験は買うことができませんよね。
まずは、一般企業に就職して、社会人経験を積みながらお金を貯金するのもいいと思います。
新卒で日本語教師として働くメリット
新卒で日本語教師として働くメリットもあります。
1.先輩の日本語教師から学びやすい
日本語教師は学びの連続です。
日本語教師として、常に日本語の知識は学んでいかなければなりません。
新しい教科書を使う場合は、教案を一から作り直したり、教材研究をする必要があります。
日本語文法は一人で考えても答えがでないときがあります。
「先輩から学ぶ」ほうが早いです。
素直にわからないことを質問できるのは若い人が多いです。
2.チャレンジ精神がある
年齢が高くなればなるほど、新しい教科書を使うことを嫌がる傾向があるようです。
理由は面倒くさいからです。
新しい教科書になったら、教案を一から作り直さなければなりません。
教師は常に「学習者主体」で考えなければなりません。
柔軟性も関係していると思いますが、若い人のほうが新しい教科書を使うことへの抵抗は少ないです。
3.柔軟性・吸収力がある
年齢が上がるにつれだんだん頑固になりますね。
新しいものを受け入れがたくなる・・・これはしょうがないんでしょうか。
留学生は世界各国から来ています。
国が違えば文化も違います。日本の常識が世界の常識じゃありません。
新しい衝撃に出会ったときに、受け入れる「柔軟性」や「吸収力」は若者のほうがあります。
4.体力がある
日本語教師は、想像しているよりも体力を使う仕事です。
私が日本語教師を始めたばかりの頃は、授業準備に時間がかかって、寝ないまま授業・・・ということもありました。
日本語教師の授業準備については、「授業準備が終わらない!?~日本語教師の授業準備にかかる時間~」の記事に書いているので、参考にしてみてください。
寝ないで仕事に行くなんて、20代の頃しかできません。
『日本語教師は体力勝負』なので、体力がないと務まりません。
新卒で日本語教師を選ぶデメリット
新卒で日本語教師を選ぶデメリットは、先ほど「【結論】新卒なら、一般企業に就職したほうがいい!」で述べた反対です。
- 社会人経験が積めない(日本語学校は一般企業とは違い少し特殊である)
- 新卒ブランドがなくなってしまう(一般企業では、新人教育があることも多い)
- 安定した給料が得られない(最初は非常勤講師から始める場合が多い)
もう一つデメリットを上げるならば、若いので学生になめられやすいかもしれません。
こればっかりは仕方がないかもしれません。
学生は教師がが自分よりも年下だったり、年齢が若かったりすると、甘く見られる場合もあります。
「毅然とした態度をとる」ように心がけましょう!
「教師=友達」ではありませんよ。
「毅然とした態度をとる」なんて、昔の私の性格からしたら最初は絶対できないと思っていました。
でも、大丈夫です。これも経験なので、できるようになります。
裏を返せば、歳が近いので学生の気持ちを理解できたり、学生が相談しやすいというメリットもありますよ。
いつ日本語教師になったらいいの?
「絶対日本語教師じゃなくちゃイヤだ!」という人以外は、まずは1年でもいいので一般企業で働いてみませんか?
日本語学校は働いている人数も一般企業より少ないところが多いですし、同じ職種の人が多いので、考えや社会経験も偏りがちです。
日本語学校はやっぱり一般企業とは少し雰囲気が違います。
私は新卒で一般企業で働いた後に、日本語教師になりました。
「一般企業で社会人経験を積んでから日本語教師になってよかった」と思っています。
20代のうちは一般企業で働き、30代になってから日本語教師になっても遅くないですよ。
現に、転職して日本語教師になる人は多いです。
20代で日本語教師に転職した経験を「【体験談】20代で一般企業から日本語教師に転職|決意した理由と実際どうだった?」に書いています。
よかったら、参考にご覧ください。
【まとめ】まずは社会人経験を積もう!
本記事では、「新卒ならまずは一般企業に就職したほうがいい」と述べましたが、新卒で「日本語教師になる」か「一般企業に就職する」かを選択するのはあなた自身です。
日本語教師はいくつになってもチャレンジできます。
退職した後に、第2のキャリアとして日本語教師を選択される方も大勢いらっしゃいますよ。
急いで日本語教師になるよりも、いろんな社会経験を積んでからなっても遅くないです。
すぐに日本語教師になりたい人の夢を邪魔するわけじゃありません。
20代のうちに海外に行って日本語教師として働いてみるのもいいかもしれません。
日本に来る留学生のバックグラウンドを知ることができます。
それでも、新卒で日本語教師になりたいなら、夢を追いかけたほうがいいと思います。
「いつ日本語教師になるか」ではなく、「日本語教師になった後にどうするか」のほうが大切ですからね。
将来のことで悩んでいるのなら、「ミイダス」というサイトで自分の市場価値が調べられますので、ぜひやってみてください。≫市場価値診断なら、ミイダス!
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
≫日本語教師になりたい方向けのまとめ記事
≫授業のやり方や教え方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
≫【完全保存版】日本語授業のやり方や教え方がわかるまとめ記事
≫働き方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。