日本語の読解授業の進め方がわからなくて、悩んでいませんか?
「読解の進め方」「読解授業のやり方」は、日本語学校で教えてくれないことがほとんどです。
私も日本語教師になったときは、読解の授業のやり方がわからなかったので、悩む気持ちがよくわかります。
私の場合は、何人かの先輩の読解授業を見学させてもらい勉強しましたが、授業見学ができなくて悩んでいる方もいると思います。
そこで、この記事では、日本語の読解授業のやり方について説明します。
(読解には、多読と精読がありますが、この記事では精読について書いています)
この記事を読めば、以下の悩みが解決します。
「読解の授業で悩んでいる」なら、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
目次
読解の授業の基本的な流れ
まずは、読解の流れを確認しましょう。
読解の授業は、大きく3つのパートに分かれています。
- 読解を読む前
- 読解を読む
- 読解を読んだ後
それでは、読解授業の進め方を詳しく見ていきましょう!
1.読解を読む前

学習者が読解を難しいと感じるのはなぜだと思いますか?
理由の一つは、知らない言葉が多い、文法がわからない、漢字が読めないなどです。
しかし、言葉の意味がわかっていても、読解文が何について書かれているかわからない場合があります。
それは、読解文の知識や背景がなく、読解の内容をイメージできない場合です。
イメージできる内容を読むのとイメージができない内容を読むのとでは、読解の理解度が違います。
では、「読解を読む前にイメージを膨らませるって何?」と思った方のために、次で説明します。
1-1.動機付けをする
最初に読解を読みやすくするために、イメージを膨らませる活動をします。
読解を読む前に、タイトルや読解の出典元について話をしてみましょう。
タイトルからも読解の内容をイメージできます。また、絵や写真、図表がある場合はそれについて話してみましょう。
イメージを膨らませるだけで、読解の文章は格段に読みやすくなります。
1-2.語彙・表現を確認する
あまりにもわからない語彙や表現が多すぎると、読み進めることができません。キーワードなどの語彙は最初に確認しておきます。
読解は推測をするのも大切なので、確認するのはキーワードのみでいいです。
キーワードを確認するときは学習者に質問して、知っている学習者に説明してもらいましょう。
2.読解を読む

読解の読み方は、基本的に一人で黙読をします。
学習者が読解を読んでいる間、教師は暇になっちゃうんじゃないの?と思うかもしれませんが、意外に学習者から質問が出るので、暇じゃないんですよ。
学習者からよく出る質問は、
- 語彙・表現の意味がわからない
- 漢字が読めない
- 主語(動作主)がわからない
- 指示語(これ、それ、あれ)が指すものがわからない
- 名詞修飾の文がわからない
学習者から質問があった場合は、まずは自分で考えさせるようにしましょう。
3.読解を読んだ後

3-1.読解文を音読する
一人で黙読した後は、クラス全体で音読をします。漢字が読めていない場合もあるので、漢字の読み方を確認します。
音読のやり方はいくつかあります。
- 一人一文を読む
- 段落ごとに読む
- 会話文は役割を与えて読む
一人一文ずつ読むのは学習者全員が読むことになるので、ぼーっとする人がいなくなっていいですよ。聞いているだけはつまらないですからね。
教師は学習者の発音をチェックしたり、漢字がどの程度読めるのか把握したりします。
段落読みをするのは、一人一文ずつ読むのより内容が頭に入ってきやすいというメリットがあります。
3-2.読解の内容の確認をする
読解の内容を確認しましょう。語彙や表現、文の意味を確認します。
この確認は音読をしながらでもいいですし、音読が終わってからでもいいです。ここで、読解を読んでいるときに出た質問にも答えましょう。
読解教材の場合は、問題があるので、問題の答えを確認していきます。
〇✕の確認だけでなく、なぜ✕なのかを答えてもらいましょう。手を挙げてもらい、誰を指すかメモをしておくといいですよ。
この確認をすることで、読解をきちんと理解して読めていたかがわかりますし、JLPTの読解練習にもなります。
「なんとなく正解した」「間違えたけどなぜ違うのかわからない」というのが、一番よくありません。
読解の答えは必ず本文に書いてあります。
勝手に自分で答えを想像してしまう人がいるので、ここは学習者に強調してくださいね!
確認の仕方はクラス全体で確認するやり方もありますが、ペアで確認をするやり方もあります。
ペアで確認する場合は、なぜその答えを選んだのか、相手に説明します。
自分で理解して答えを選ばないと相手に説明できないので、クラス全体で答え合わせをするよりも、内容理解に役立ちます。
ペアで答え合わせをした後は、クラス全体で確認しましょう。
3-3.読解の内容から広げる
読解の授業を、答えの確認までして終わりにしていませんか?
いつも読んで確認して終わりじゃつまらないし、もったいないですよ!
読んだあとは、話す活動や書く活動などにも広げてみましょう。
活動例を紹介しますね。
- 読解の内容を〇文字以内で要約させる
- テーマについて話を広げる
- テーマについてディスカッションをする
例えば「健康法」についての読解だったら、読解文に出てきた健康法についてディスカッションをしてもいいし、それぞれが知っている健康法について話し合ってもいいと思います。それから、健康法についてプレゼンしてもいいですよね。
読解後の活動は、いろんなことができるんです!読解は読んで確認して終わりにしないでください!
【まとめ】日本語の読解授業の進め方

読解授業の進め方をイメージできましたか?
読解の授業の進め方(精読)をまとめますね。
1.読解を読む前にすること
- 動機付けをする(タイトルや出典元、絵や図についてイメージを膨らませる)
- 語彙・表現を確認する(キーワードのみ確認する)
2.読解を読む
3.読解の内容を確認する
- 読解文を音読する
- 読解の内容を確認する(設問の答え合わせ)
- 読解の内容から広げる(要約、ディスカッションなど)
読解を読んで問題を解くだけでは、自習をしているのと一緒です。
せっかく授業で読解をしているのですから、より深く考えを深めたり、クラスならではの活動をできるように工夫しましょう^^
読解の基礎知識については、「日本語教育の読解の基礎知識 | ボトムアップとトップダウンって?」の記事で解説していますので、よかったらご覧ください。
読解授業はいつも同じでつまらない・・・と感じているなら、「ジグソーリーディング」は、学習者も楽しく活動できると思うので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
▼もっと詳しく知りたい方は、こちらの本を読んでみてください。
日本語教師になったばかりだと、分からないこと・不安なことがたくさんありますよね・・・!
授業準備のやり方など、日本語教師としておさえていきたいことをギュッと7日間にまとめました。
それは、こちらでお届けしています。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。