日本語の教案

「べきだ」と「ほうがいい」の違いは?|3つの違いを例文で比べよう

学習者に

「先生、「~べきだ」と「~ほうがいい」の違いは何ですか?」

と質問されたら、どう答えますか?

 

 

では、違いを把握するために、まず例文を見てみましょう。

  • 子供が悪いことをしたら、叱るべきだよ
  • 子供が悪いことをしたら、叱ったほうがいいよ

どうでしょうか・・・?

上記の例文の場合、「べきだ」を使ったほうがいいのですが、それはなぜでしょうか?

 

 

この記事を読めば、「~べきだ」と「~たほうがいい」の違いがわかります。

もし冒頭の学習者の質問や、例文の違いは何?なぜ「べきだ」を使ったほうがいいの?…と思ったのなら、ぜひこの記事を読んでみてください。

 

たのすけ
たのすけ
まずは用法を確認して、その後に違いについて紹介します。

「~べきだ」の用法

接続

V辞書形+べきだ/べきではない

たのすけ
たのすけ
「する」は「するべきだ」と「すべきだ」の二通りの言い方があります。ここでは「~たほうがいい」との比較なので、「~べきではない」は取り上げません。

 

意味

  • ~したほうがいい(勧め)
  • ~しないほうがいい/~してはいけない(忠告)
たのすけ
たのすけ
「~べきだ」は義務の意味もあります。もう一つの意味については、こちらの用法①をご確認ください。「~たほうがいい」との比較なので、勧めの意味での違いを紹介します。

 

「~たほうがいい」の用法

接続

Vタ形/ナイ形+ほうがいい

たのすけ
たのすけ
ここでは「~べきだ」との比較なので、「~ないほうがいい」は取り上げません。

 

意味

相手にアドバイスをするときに使う。

 

「~べきだ」と「~たほうがいい」の3つの違い

現実的なことには「~たほうがいい」を使う

現実的なこと、実際にあることには「~たほうがいい」を使います。

【例①】

× もう家を出るべきだよ。電車の時間に間に合わないよ。

〇 もう家を出たほうがいいよ。電車の時間に間に合わわないよ。

 

【例②】

× 雨が降りそうだから、傘を持って行くべきだよ

〇 雨が降りそうだから、課さを持って行ったほうがいいよ

 

道徳的・倫理的なことには、「~べきだ」を使う

道徳的・倫理的に、その行為の方がいいよね、という時は「~べきだ」を使います。

【例①】

〇 財布を拾ったのなら、警察に行くべきだよ

× 財布を拾ったのなら、警察に行ったほうがいいよ

 

【例②】

〇 子供が悪いことをしたら、叱るべきだよ

× 子供が悪いことをしたら、叱ったほうがいいよ

たのすけ
たのすけ
「~べきだ」は、話し手が正しいと思っていることに対して、使います。

 

強く勧めるときは「~べきだ」がよい

強く勧めるときは、「~べきだ」が使われます。

◎ 駅前のラーメン屋さん本当においしいから、食べに行くべきだよ

〇 駅前のラーメン屋さん本当においしいから、食べに行ったほうがいいよ

たのすけ
たのすけ
「~べきだ」を使うと、絶対したほうがいいよ!!というニュアンスになるかと思います。

 

【まとめ】「~べきだ」と「~たほうがいい」の違いは3つ!

「~べきだ」と「~たほうがいい」の違いについて紹介しました。

3つのポイントをもう一度まとめます。

  • 現実的なことには、「~たほうがいい」を使う。(例)雨が降りそうだから、傘を(×持って行くべきだ 〇持って行ったほうがいい)よ。
  • 道徳的・倫理的なことは、「~べきだ」を使う。(例)子供が悪いことをしたら、(〇叱るべきだ ×叱ったほうがいい)よ。
  • 強く勧めるときは、「~べきだ」がよい。
たのすけ
たのすけ
意味はアドバイスなので、「~べきだ」「~たほうがいい」と、文末に「よ」をつけるのが自然です。

 

似ている文法があると、何が違うのかな?と学習者は疑問に思いますよね。

質問をされたときに答えられるように、事前に準備しておくと安心ですよ!!

 

以上、たのすけでした。

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