学習者から
「先生、「ことにする」と「ことになる」は何が違いますか?」
と質問されたら、あなたはどう答えますか?
「~ことにする」と「~ことになる」は、「する」と「なる」の違いで、形がとても似ています。
このように形の似ている文型は、学習者からその違いについて質問されることが多いです。
この記事では、「~ことにする」と「~ことになる」の違いを紹介しています。
冒頭の学習者の質問に「何て答えよう…」と思ったのなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
「~ことにする」と「~ことになる」の用法
まずは、「~ことにする」と「~ことになる」の基本的な意味を確認しましょう。
「~ことにする」
意味
「~ことにする」は、「自分がこうしたい」と思って決めたときに使います。
接続
V辞書形/Vナイ形+ことにする
例文
- 今日は遊びに行かないで、家で勉強することにする。
- 旅行は沖縄へ行くことにした。
- 彼の誕生日プレゼントは時計をあげることにする。
- 健康のために、たばこを辞めることにする。
- 欲しいけど、買わないことにする。
- ダイエットのために、お菓子を食べないことにする。
- お腹が痛いので、今日の飲み会は参加しないことにした。
「~ことになる」
意味
「~ことになる」は、自分ではなく組織や機関、他社によって決められたとき、結果的にそうなるときに使います。
ただし、自分で決めたことでも、それを出さない言い方として使うことがあります。(後ほど例外として紹介します)
接続
V辞書形/Vナイ形+ことになる
例文
- 卒業式は3月20日にすることになった。
- 次の会議では私が発表することになった。
- 悪い病気が見つかって、入院することになった。
- 親の仕事で、来月引っ越すことになった。
- 今年は社内旅行はしないことになった。
- 駅前にデパートができるって聞いていたじけど、できないことになったらしいよ。
「~ことにする」と「~ことになる」の違い
誰が決めたのか
「~ことにする」は決定者は自分で、「~ことになる」は決定者は自分以外です。(組織や機関)
では、例文で違いを見ていきましょう!
〇 日本へ行くことが夢だったから、日本に留学することにした。
× 日本へ行くことが夢だったから、日本に留学することになった。
日本へ行くことが子供の頃からの夢でした。だから、日本に留学することを決めました。
これは、自分で決めたことなので、「~ことにする」を使います。
× 一週間アメリカに出張することにした。
〇 一週間アメリカに出張することになった。
出張を決めたのは自分ではなく会社の決定です。
会社で決めたことには「~ことになる」を使います。
例外もある・・・!
自分で決めたことには「~ことにする」を使うとお伝えしましたが、例外もあります。
自分で決めたことでも客観的に相手に報告する場合は、「~ことになる」が使われます。
来月、結婚することになりました。
結婚することを決めたのは自分なのに、「~ことになる」を使っています。
これは婉曲な言い方をしたいときで、相手に配慮した言い方です。
学習者にどうやって説明する?
冒頭の学習者の質問への回答ですが、
- 「~ことにする」は、自分で決めたときに使う。
- 「~ことになる」は、会社やグループなど、自分じゃない人が決めたときに使う。
- 「~ことにする」は例外があり、自分で決めたことを言わない言い方をするときもある。(例)結婚することになった。
という説明でいいと思います。
【まとめ】「~ことにする」と「~ことになる」は、誰が決めたかがポイント!
「~ことにする」と「~ことになる」の違いについて説明しました。
違いは、誰が決めたかです。
- 「~ことにする」は、自分で決めたときに使う。(例)日本へ行くことが夢だったから、日本に留学する(〇ことにした ×ことになった)。
- 「~ことになる」は、会社やグループなど、自分じゃない人が決めたときに使う。(例)一週間アメリカに出張(×することにした 〇ことになった)。
- 「~ことにする」は例外があり、自分で決めたことを言わない言い方をするときもある。(例)結婚することになった。
似ている文型に「~ようにする」と「~ようになる」があります。
こちらも合わせて確認していただければと思います。≫「ようにする」と「ようになる」の違いを例文で紹介|実は奥が深い文型です…!
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。