学習者に
「先生、「~べきだ」と「~なければならない」の違いは何ですか?」
と質問されたら、どう答えますか?
では、違いを把握するために、まず例文を見てみましょう。
- 車に乗るときは、シートベルトをするべきだ。
- 車に乗るときは、シートベルトをしなければならない。
どうでしょうか・・・?
上記の例文の場合、「なければならない」を使ったほうがいいのですが、それはなぜでしょうか?
この記事を読めば、「~べきだ」と「~なければならない」の違いがわかります。
もし冒頭の学習者の質問や、例文の違いは何?なぜ「なければならない」を使ったほうがいいの?…と思ったのなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
「~べきだ」の用法
接続
V辞書形+べきだ/べきではない
意味
(社会通念上・道徳・常識的に)~するのが当然だ/~しなければならない/~しないほうがいい
「~なければならない」の用法
接続
Vナイ形+なければならない
意味
~する義務がある/~する必要がある
「~べきだ」と「~なければならない」の3つの違い
規則や予定を言うときは「~なければならない」を使う
「自分でその行為をする?しない?を決められるかどうか」がポイントです。
「~なければならない」は、嫌だと思っていても、そうする必要があり、自分では決められません。
ですので、「~なければならない」は、規則に使います。
【例①】
× 車に乗るときは、シートベルトをするべきだ(すべきだ)。
〇 車に乗るときは、シートベルトをしなければならない。
【例②】
× 空港でパスポートを見せるべきだ。
〇 空港でパスポートを見せなければならない。
予定で決まっていることにも、「~なければならない」を使います。
× 明日は8時までに会社に行くべきだ。
〇 明日は8時までに会社に行かなければならない。
個人的な義務は、「~なければならない」を使う
【例①】
× 飛行機が9時なので、明日は6時に起きるべきだ。
〇 飛行機が9時なので、明日は6時に起きなければならない。
【例②】
× 明日までにレポートを書くべきだ。
〇 明日までにレポートを書かなければならない。
「~べきだ」は基本的に、自分のことには使えません。
例外として、理想と本心が違っている場合は使えます。
謝るべきだと思うんだけど、謝りたくない!!
道徳や常識のときは「~べきだ」がよい
「~べきだ」は、社会の常識や人としての義務について言うときに使います。
ですので、道徳や常識を言うときは、「~なければならない」も間違いではないですが、「~べきだ」の方が相性がいいかと思います。
【例①】
◎ 借りたお金は返すべきだ。
〇 借りたお金は返さなければならない。
【例②】
◎ 約束は守るべきだ。
〇 約束は守らなければならない。
【まとめ】「~べきだ」と「~なければならない」の違いは3つ!
「~べきだ」と「~なければならない」の違いについて紹介しました。
3つのポイントをもう一度まとめます。
- 規則や予定を言うときは、「~なければならない」を使う。
- 個人的な義務は「~なければならない」を使う。
- 道徳や常識のときは、「~べきだ」がよい。
学習者には、2つのポイントを説明するといいと思います。
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
≫日本語教師になりたい方向けのまとめ記事
≫授業のやり方や教え方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
≫【完全保存版】日本語授業のやり方や教え方がわかるまとめ記事
≫働き方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。