N:名詞、V:動詞、イA:い形容詞、ナA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント
目次
【概要】できる日本語 初中級L5(ST2)
Can-do
Can-do | |
課 | 突然のハプニングにあったとき、簡単なことなら事情を説明して、対処することができる。 |
ST2 | 駅や道で困ったとき、簡単に事情を説明して、頼んだり謝ったりすることができる。 |
学習項目
学習項目 | |
ST2 | Vていただけませんか |
~て、~(理由) | |
~たら、~た(発見) |
【教案】できる日本語 初中級L5(ST2)
状況イラストの確認
- ここはどこですか。
【チャレンジ1】Vていただけませんか
チャレンジの絵・導入
(1枚目のイラストを指して)
T:ワンさんです。ワンさんが女の人に何か聞きます。何を聞きますか。
S:アナウンス?アナウンスがわかりません。教えてください。
T:女の人は何と言いますか。
S:事故がありました。
(2枚目のイラストを指して)
T:ワンさんは困った顔をしています。何と言いますか。
S:しばらく電車が来ませんか?
T:女の人は?
S:たぶん・・・。まだわかりません。
(3枚目のイラストを指して)
T:ワンさんはナタポンさんに電話をします。何と言いますか。
S:すみません。電車が止まってしまったので、ちょっと遅れます。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:ワンさんはどうして女の人に聞きましたか。
S:アナウンスがわからなかったからです。
T:では、ワンさんは女の人に何と聞きましたか。
S:今のアナウンス、よくわからなかったんですが、何と言ったか教えていただけませんか。
(板書をして、リピート)
何と言ったか教えていただけませんか。
T:「~ていただけませんか」は人にお願いをするときに使います。L2で人にお願いをするときの言い方を勉強しました。S1さん、覚えていますか。
S1:はい。教えてもらえませんか。
T:そうです。「~ていただけませんか」は「~てもらえませんか」よりも、もっと丁寧(polite)です。ですから、社長、部長、店長、先生にお願いするときは「~ていただけませんか」を使ってください。
T:S2さん、先生の日本語がわからなかったとき、何と言いますか。
S2:先生、もう一度言って…いただけませんか。
T:そうです。「もう一度言っていただけませんか」と言います。
T:S3さん、S3さんは駅へ行くとき、道に迷いました。コンビニへ行って、駅への行き方を聞きます。でも、わかりません。店員に「地図を描いてください」と丁寧(polite)にお願いしてください。
S3:すみません、地図を描いていただけませんか。
T:はい、そうです。
- もう一度言っていただけませんか。
- すみません、地図を描いていただけませんか。
★Vテ形+いただけませんか
T:「いただけませんか」の前は動詞の何形ですか。
S:て形です。
T:はい、そうです。「~ていただけませんか」は「~てもらえませんか」よりも丁寧(polite)にお願いするときに使います。
- 「~ていただけませんか」は相手にお願いをするときに使う。
- 依頼表現の丁寧レベル:~てください<~てもらえませんか<~ていただけませんか
練習
①変換練習(例)
T:手伝ってください。S:手伝っていただけませんか。
T:ゆっくり話してください。S:ゆっくり話していただけませんか。
T:消しゴムを取ってください。S:消しゴムを取っていただけませんか。
②絵カードで練習
③別冊:言ってみよう P19(1)
④本冊:言ってみよう P74(1)
【チャレンジ2】~て、(理由)
チャレンジの絵
(1枚目のイラストを指して)
T:ワンさんはナタポンさんに言います。
S:すみません。電車が止まりました。
(2枚目のイラストを指して)
T:ワンさんはナタポンさんに何と言いますか。
S:速いですから、わかりません。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:ワンさんはナタポンさんに何と言いましたか。
S:駅のアナウンスが速くて、よくわかりませんでした。
(板書をして、リピート)
駅のアナウンスが速くて、よくわかりませんでした。
<Vテ形、気持ち><Vナイ形~ないくて、気持ち>の導入
T:Sさん、日本へ来たとき、道に迷ったことがありますか。
S:はい、あります。
T:そのとき、どんな気持ちでしたか。
S:大変でした。
T:Sさんは、日本へ来たとき、道に迷いました。大変でした。道に迷って、大変でした。
T:知っていますか?△△先生、結婚します!
S:ええ!?
T:びっくりしましたか。
S:はい、びっくりしました。
T:△△先生の結婚を聞きました。びっくりしました。△△先生の…
S:△△先生の結婚を聞いて、びっくりしました。
T:今日本にいますから、家族に会えませんね。Sさん、どんな気持ちですか。
S:寂しいです。
T:寂しいですよね。家族に会えません。寂しいです。家族に会えなくて、寂しいです。
T:日本に来たときは、あまり日本語が話せませんでしたね。どうしでたか。
S:困りました。
T:そうですか。日本語が話せません。困りました。日本語が…
S:日本語が話せなくて、困りました。
(板書して、リピート)
- 道にまよって、大変でした。
- △△先生の結婚を聞いて、びっくりしました。
- 家族に会えなくて、さびしいです。
- 日本語が話せなくて、困りました。
★Vテ形~、
★Vナイ形~ない くて、~
T:動詞は何形を使いますか。
S:て形とない形です。
T:そうです。ない形は、「い」がありません。「~なくて」です。
T:「て」の前は、理由です。後は、自分の気持ちです。自分の気持ちは何がありますか。
S:嬉しい、楽しい、寂しい、悲しい、etc…
- 「~て、…」は理由を表す。
- 後件は、気持ちを表す言葉が来る。(無意志動詞)
- 理由を表す「~て」は、「ので」「から」よりも意味が弱い。
練習
①変換練習(例)
T:財布を忘れます S:財布を忘れて
T:パーティーに行けません S:パーティーに行けなくて
②結合練習(例)
T:試合に負けました。残念です。 S:試合に負けて、残念です。
T:連絡がありません。心配です。 S:連絡がなくて、心配です。
③後件作文(例)
・恋人ができて、_______。
・コンサートのチケットが買えなくて、_______。
④前件作文(例)
・______、びっくりしました。
・______、困りました。
⑤別冊:言ってみよう P19(1)
<Vテ形、~><Vナイ形~ないくて、~>の導入
T:私は昨日、財布を家に忘れました。お弁当が買えますか。
S:買えません。
T:そうです。財布を忘れました。お弁当が買えませんでした。財布を忘れて…
S:財布を忘れて、お弁当が買えませんでした。
T:それから、携帯電話も家に忘れました。困りました。
T:携帯電話がありません。友達に連絡できません。携帯電話を…
S:携帯電話がなくて、友達に連絡できません。
T:私は学校から家まで電車で帰ります。でも、昨日は電車が止まりました。1時間待ちました。電車が…
S:電車が止まって、1時間待ちました。
(板書して、リピート)
- さいふを忘れて、お弁当が買えませんでした。
- 携帯電話がなくて、友達に連絡できません。
- 電車が止まって、1時間待ちました。
- 後件は気持ちじゃなくても大丈夫。
- 否定形のときは可能動詞を使う。
練習
①別冊:言ってみよう P19(2・3)
<イA~くて/~ないくて、~><ナA~で/~じゃないくて、~>の導入
T:Sさんのアパートには、隣・上に誰か住んでいますか。
S:はい、住んでいます。
T:夜、「ドンドンドンッ」聞こえますか。
S:はい、聞こえます。とてもうるさいです。
T:それはうるさいですね。夜、「ドンドンドンッ」聞こえたとき、寝られますか。
S:いいえ、うるさいですから、寝られません。
T:「て」を使って言いましょう。うるさく…
S:うるさくて、寝られません。
T:Sさんは、ラーメンをよく食べますか。
S:はい、食べます。好きです。
T:私もラーメンが好きです。昨日、ラーメンを食べました。でも、とてもとてもおいしくなかったです。私は食べられませんでした。
T:ラーメンがおいしくないです。食べられませんでした。ラーメンがおいしくなくて、食べられませんでした。
T:これは何か知っていますか。

S:いいえ、わかりません。何ですか。
T:東京の地下鉄の地図です。とても、複雑です。見て、わかりますか。
S:いいえ、わかりません。
T:地図が複雑です。わかりません。地図が…
S:地図が複雑で、わかりません。
(板書して、リピート)
- うるさくて、寝られません。
- ラーメンがおいしくなくて、食べられませんでした。
- 地図がふくざつで、わかりません。
★<イA>~い くて、~
★<イA>~ない くて、~
★<ナA>~な で、~
★<ナA>~じゃない くて、~
T:動詞と同じで、「て」の前は理由です。後は可能動詞が多いです。「寝られません・食べられません・わかりません」などです。
- 後件は、可能動詞が多い。(意志動詞は✕)
- (例)うるさくて、(〇寝られません ✕寝ません)。
練習
①結合練習(例)
T:高いです。買えません。 S:高くて、買えません。
T:話し方が速いです。聞き取れません。 S:話し方が速くて、聞きとれません。
T:試験が心配です。寝られません。 S:試験が心配で、寝られません。
②後件作文(例)
・字が小さくて、______。
・説明が複雑で、______。
③別冊:言ってみよう P20(4)
④本冊:言ってみよう P74(2)
【チャレンジ3】~たら、~た(発見)
チャレンジの絵・導入
T:ワンさんはナタポンさんに話します。何と言いますか。
S:地下鉄へ行きました。人がたくさんいました。
T:ナタポンさんは何と言いますか。
S:喫茶店は行きましょう。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:ワンさんはナタポンさんに何と言いましたか。
S:地下鉄の駅へ行ったら、とても混んでいました。
(板書して、リピート)
地下鉄の駅へ行ったら、とても混んでいました。
導入
T:Sさんは、寝坊したことがありますか。
S:はい、あります。
T:朝何時に起きたんですか。
S:12時です。
T:それは寝すぎですね。Sさんは朝起きます。12時でした。朝起きたら、12時でした。
T:財布を家に忘れたことがありますか。
S:はい、あります。
T:いつ、財布がありません。わかりましたか。
S:かばんを開けたときです。
T:かばんをあけます。財布がありません。かばんを開け…
S:かばんを開けたら、財布がありませんでした。
(板書して、リピート)
- 朝起きたら、12時でした。
- かばんを開けたら、さいふがありませんでした。
★~たら(Vタ形+ら)、~た
T:この「たら」は、何かをします。その後、「わかった」時に使います。
- 発見の「たら」
- 「たら」は既習。(できる日本語初級L15(仮定条件)、できる日本語初中級L3(確定条件))
練習
①結合練習(例)
T:かばんを開けました。宿題がありませんでした。 S:かばんを開けたら、宿題がありませんでした。
T:学校へ行きました。誰もいませんでした。 S:学校へ行ったら、誰もいませんでした。
②別冊:言ってみよう P20(3)
③本冊:言ってみよう P74(3)
やってみよう
①CDを聞いて答える。
②絵を見て、ペアで会話を作る。
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以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。