N:名詞、V:動詞、イA:い形容詞、ナA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント
目次
概要】できる日本語 初中級L9(ST2)
Can-do
Can-do | |
課 | 集団の中で気持ちよく仕事ができるように、周りの人のことを考えながら会話することができる。 |
ST2 | スムーズに仕事ができるように、お互いに声をかけ合うことができる。 |
学習項目
学習項目 | |
ST2 | おVください/ごVください |
Vそうです(直前の様態) | |
Vておきます(放置) | |
~(よ)う | |
Vてしまいます(完了) | |
Vることになっています(予定) |
【教案】できる日本語 初中級L9(ST2)
状況イラストの確認
- ここはどこですか。
- 今、店はどうですか。
【チャレンジ1】おVください/ごVください
チャレンジの絵・導入
T:お客さんが来ました。パクさんはお客さんに何と言いますか。
S:何名様ですか。
T:お客さんは「4名です」と言いました。今、席が空いていますか。
S:いいえ、空いていません。混んでいます。
T:そうですね。パクさんはお客さんに何と言いますか。
S:ここに椅子があります。ここで待ってください。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんはお客さんに何と言いましたか。
S:すぐご案内します。こちらでお待ちください。
T:いいですね。
(板書して、リピート)
こちらでお待ちください。
T:今日は「お~ください」を勉強します。「お~ください」は「~てください」の敬語です。
導入
T:レストランへ行きました。店員が言います。(手の動作をつけて)「こちらにおかけください」トイレの場所を店員に聞きます。(手の動作をつけて)店員は「トイレはあちらをご利用ください」と言いました。ご飯を食べて、レジでお金を払います。(手の動作をつけて)店員はお釣を渡すとき「ご確認ください」と言いました。
(板書して、リピート)
- こちらにおかけください。
- トイレはあちらをご利用ください。
- ご確認ください。
★お Vマス形 ください(Ⅰ・Ⅱグループ)
★ご N ください(Ⅲグループ)
T:「お~ください」「ご~ください」は、「~てください」よりも丁寧な言い方です。店員がお客さんに使います。ⅠグループとⅡグループの動詞は「お~ください」です。Ⅲグループは「ご~ください」です。「〇ます」の前がひらがな一つのときは、できません。例えば、「見ます・います・出ます」などです。
- 「~てください」の敬語。
- 「ます」の前がひらがな一つ「〇ます」のときは、この文型が使えない。(例)✕お見ください
- 「ご注意ください」を「ご注意しください」と間違えやすい。
練習
①別冊:言ってみよう P33(1)練習1・練習2
*練習1のあとに、口頭で追加練習をしてもよい。
②本冊:言ってみよう P128(1)
【チャレンジ2】Vそうです(直前の様態)
チャレンジの絵・導入
T:パクさんはお皿を見て何と言いますか。
S:危ない!お皿が落ちます。
T:それから?
S:あそこにお皿を置きましょう。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんはお皿を見て何と言いましたか。
S:あ、お皿が落ちそうですよ。
T:いいですね。
(板書して、リピート)
お皿が落ちそうですよ。
T:次は「~そうです」を勉強します。「~そうです」は今まで3つの意味を勉強しました。今日は新しい意味です。
(復習で既習の意味(伝聞・様態・予測)を学生に確認してもよい)
導入
T:絵を見てください。テーブルの上にコップが置いてあります。でも…危ないです。たぶん、1秒あと、2秒あと、コップは落ちます。コップが落ちる前です。そのとき、「コップが落ちそうです」と言います。
T:この写真を見てください。これは何ですか。
S:ひも?
T:そうです。これはひもです。でも、危ないですね。
S:切れます。
T:そうですね。(手で動作をしながら)たぶん、切れます。今はひもが切れる前です。ひもが切れそうです。
(板書して、リピート)
- コップが落ちそうです。
- ひもが切れそうです。
★Vマス形+そうです
T:今日の「~そうです」は、何かのすぐ前です。「コップが落ちそうです」は、コップが落ちるすぐ前です。もうすぐ落ちます。「ひもが切れそうです」は、ひもが切れるすぐ前です。
- 「~そうです」は動作が起こる直前の様態の意味。
- 既習は以下の通り。伝聞:できる日本語初級L15(ST1)、様態:できる日本語初中級L2(ST1)、予測:できる日本語初中級L6(ST2)
練習
①絵カード練習
②別冊:言ってみよう P34(2)
③本冊:言ってみよう P128(2)
【チャレンジ3】Vておきます(放置)
チャレンジの絵・導入
T:チンさんとロハンさんです。チンさんはロハンさんに質問をします。何を聞きますか。
S:冷蔵庫からビールを出しますか。
T:ロハンさんは何と言いますか。
S:まだ出さないでください。あとで出します。
T:いいですね。では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:チンさんがロハンさんに「冷蔵庫からビールを出しましょうか」と聞きました。ロハンさんは何と言いましたか。
S:まだ冷蔵庫に入れておいてください。
T:はい、いいですね。
(板書して、リピート)
まだ冷蔵庫に入れておいてください。
T:次は「~ておきます」を勉強します。
T:「~ておきます」は、前勉強しましたね。Sさん、覚えていますか。
S:はい、覚えています。
T:どんなときに使いますか。例文でもいいです。教えてください。
S:旅行に行く前に、ガイドブックを買っておきます。
T:いいですね。前勉強した「~ておきます」は準備の意味でした。できる日本語初中級のL6で勉強しました。今日はの意味は、「そのままにします」です。
導入
T:絵を見てください。部屋は少し寒いです。ですから、右の男の人は「窓を閉めましょうか」と聞きました。左の男の人は、今勉強しています。寒くないです。風が気持ちいいですから、「窓を開けておいてください」と言いました。右の男の人は窓を閉めません。そのままにします。
T:絵を見てください。男の人は何をしていますか。
S:雑誌を読んでいます。
T:テレビを見ていますか。
S:いいえ、見ていません。
T:そうですね。ですから、女の人は男の人に「テレビを消してもいいですか」と聞きました。男の人はこれからテレビを見るつもりです。ですから、そのままがいいです。「テレビを見るので、つけておいてください」と言いました。女の人はテレビを消しません。
(板書して、リピート)
- 窓を開けておいてください。
- これからテレビを見るので、つけておいてください。
★Vテ形+おきます
T:今日の「~ておきます」は、何かをして、そのままにするときに使います。
- 「~ておきます」は放置の意味。できる日本語初中級L6(ST2)では、準備の意味を既習。
練習
①絵カード練習
②別冊:言ってみよう P34(3)
③本冊:言ってみよう P129(3)
【チャレンジ4】~(よ)う
チャレンジの絵・導入
T:ロハンさんとパクさんが話しています。ロハンさんはパクさんに何と言っていますか。
S:お客さんが少ないから、昼ご飯を食べませんか。
T:パクさんは何と言いますか。
S:うん、食べましょう…?
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:ロハンさんがパクさんに「お客さんが少ないから、一緒に昼ご飯食べない?」と聞きました。パクさんは何と言いましたか。
S:いいね。食べよう。
T:そうですね。
(板書して、リピート)
食べよう。
T:「食べよう」は、前勉強しましたね。Sさん、何形ですか?
S:意向形です。
T:「食べましょう」の友達言葉が「食べよう」です。意向形です。
T:S1さん、私とSさんは友達です。友達の言葉で言ってください。Sさん、今晩、一緒に飲みに行かない?
S1:いいね。飲みに行こう。
T:S2さん、今週の日曜日、一緒に勉強しない?
S:うん、一緒に勉強しよう。
T:いいですね。友達ですから、「~ましょう」じゃなくて意向形を使います。
- 飲みに行こう。
- いっしょに勉強しよう。
★~ましょう→~(よ)う(意向形)
練習
①変換練習(例)*意向形が定着していない場合は、意向形FCで練習してもよい。
T:撮ります S:撮ろう
T:遊びます S:遊ぼう
②別冊:言ってみよう P34(4)
【チャレンジ5】Vてしまします(完了)
チャレンジの絵・導入
T:ロハンさんがチンさんに言います。何と言いますか。
S:一緒に昼ご飯を食べませんか。
T:チンさんは何と言いましたか。
S:お皿を洗います。終わります。それから、食べます。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:チンさんはロハンさんに何と言いましたか。
S:私はこのお皿を洗ってしまいますから、お先にどうぞ。
T:はい、いいですね。
(板書して、リピート)
わたしはこのお皿を洗ってしまいますから、お先にどうぞ。
T:次は「~てしまいます」を勉強します。
T:できる日本語初中級のL5で「~てしまいました」を勉強しました。Sさん、覚えていますか。
S:はい。財布を忘れてしまいました。
T:はい、そうですね。前勉強した「~てしまいました」は困ったときに使いました。「財布を忘れてしまいました」「学校に遅刻してしまいました」などです。今日の「~てしまいます」は、「全部終わりました」の意味です。
導入
T:写真を見てください。本が1冊・2冊・3冊…たくさんあります。私はこの本を全部読みました。もう終わりました。そのとき「本を読んでしまいました」と言います。
T:これは私の昨日の夜ごはんです。料理がたくさんありますね。私は全部食べました。そのとき「全部食べてしまいました」と言います。
T:今日、みなさんに宿題をたくさん出します。
S:えー!!
T:宿題がたくさんありますが、友達が「遊ぼう」と言いました。Sさんは遊びますか?
S1:うーん…遊びます!
T:S2さんは?
S2:私は宿題をします。終わったら、遊びます。
T:全部終わってから、遊びますか?
S2:はい、全部終わってからです。
T:そのとき、「遊ぶ前に、宿題をしてしまいます」と言います。
(板書して、リピート)
- 本を読んでしまいました。
- 全部食べてしまいました。
- 遊ぶ前に、宿題をしてしまいます。
★Vテ形+しまいます
T:「~てしまいます」のときは、「これから全部終わります」の意味です。
- 「~てしまいます」は完了の意味。できる日本語初中級L5(ST1)で「後悔」の意味(~てしまいました)を既習。
練習
①別冊:言ってみよう P34(5)
②本冊:言ってみよう P129(4・5)
【チャレンジ6】Vることになっています(予定)
チャレンジの絵・導入
T:チンさんがパクさんにお願いをします。どんなお願いをしましたか。
S:木曜日のシフトを代わってもらえませんか。
T:パクさんは何と言いますか。
S:すみません。木曜日は家族が日本へ来るので、ちょっと…。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんは「すみません、木曜日はちょっと…」と言いました。パクさんはそのあと、何と言いましたか。
S:家族が日本へ来ることになっているんです。
T:はい、いいですね。
(板書して、リピート)
家族が日本へ来ることになっているんです。
T:次は「~ことになっています」を勉強します。
T:「~ことになっています」は昨日、勉強しましたね。どんな意味でしたか。
S:ルールです。
T:そうですね。昨日勉強した「~ことになっています」は、学校やアルバイトのルールを言うときに使います。今日の意味は、予定です。でも、私の予定じゃなくて、みんなで決めた予定です。例えば、学校・会社などの予定です。
T:Sさん、学校のテストはいつですか。
S:来週の月曜日です。
T:そうですね。来週の月曜日、テストをすることになっています。これはSさんが決めた予定ですか?
S:いいえ、違います。学校が決めました。
T:そうですね。学校が決めた予定なので、「~ことになっています」を使います。
T:来月、学校のイベントがありますね。どこへ行きますか。
S:スカイツリーへ行く…ことになっています。
T:いいですね。予定です。来月、スカイツリーへ行くことになっています。
(板書して、リピート)
- 来週の月曜日、テストをすることになっています。
- 来月、スカイツリーへ行くことになっています。
★Vじしょ形+ことになってます
- 自分一人の決定ではなく、複数人の人や学校・会社の予定のときに使う。≫参考)~ことになっている
- 個人の予定は「~つもりです」を使う。
- できる日本語初中級L9(ST1)で既習の「~ことになっています」は規則の意味。
練習
①質問
・(学校の予定)_______ことになっています。
・(何人かで決めた予定)______ことになっています。
②別冊:言ってみよう P36(6)
③本冊:言ってみよう P130(6)
やってみよう
①CDを聞いて、答える。
②絵を見て、ペアで会話する。
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以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。