N:名詞、V:動詞、いA:い形容詞、なA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント
目次
【概要】できる日本語 初中級L2(ST1)
Can-do
Can-do | |
課 | お店やレストランで友達と商品やメニューについて話したり、お店の人と話しながら買い物したりすることができる。 |
ST1 | 何か買うときに、その物を見てどんな様子かを友達と話したり、お店の人に自分が知りたい情報を聞いたりして、自分の行動を決めることができる。 |
学習項目
学習項目 | |
ST1 | Aそうです(様態) |
Vてみます | |
Vてもらえませんか | |
Vやすいです/Vにくいです | |
Aすぎます |
【教案】できる日本語 初中級L2(ST1)
話してみよう
絵を見ながら、TからSに質問をする。以下、質問例。
(上)
- これは何ですか。
- 日本でレストランや居酒屋に行ったことがありますか。
- メニューを見てわからないとき、どうしますか。
- 自分の国と日本のメニューで違いはありますか。
- おすすめのレストランや居酒屋がありますか。
(左下)
- ここはどこですか。
- 日本の店員のサービスはどうですか。
(右下)
- ここはどこですか。
- 女の人は何をしていますか。
- 女の人は店員に何を話していると思いますか。
聞いてみよう
CDを聞く。(CD:A16)
【教案】できる日本語 初中級L2(ST1)
Can-doの確認
何か買うときに、その物を見てどんな様子かを友達と話したり、お店の人に自分が知りたい情報を聞いたりして、自分の行動を決めることができる。
状況イラストの確認
- ここはどこですか。
- パクさんは何をしていますか。
【チャレンジ1】Aそうです(様態)
チャレンジの絵・導入
T:パクさんとメアリーさんは何をしていますか。
S:買い物しています。
T:パクさんがカメラを見て何か言います。パクさんはメアリーさんに何と言いますか。
S:あのカメラはどうですか。
T:メアリーさんは?
S:あのカメラは高いと思います。
T:右の絵のパクさんは?
S:あのカメラは安いです。9,800円です。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんが「あのカメラはどうですか」とメアリーさんに聞きました。メアリーさんは何と言いましたか。
S:あれは高そうです。
(板書をして、リピート)
あれは高そうです。
T:この「そうです」はN5で勉強した「そうです」とは意味が違います。Sさん、N5の「そうです」はどんな意味でしたか。
S:人から聞きます。
T:例文は?
S:明日は雨が降るそうです。
T:そうですね。N5で勉強した「そうです」はテレビやインターネットで見たこと、人から聞いたことを誰かに言うときに使いました。今日勉強するのは見たときに使う意味です。
イAの導入
T:この写真を見てください。これは何ですか。
S:お肉です。ステーキです。
T:おいしいと思いますか。おいしくないと思いますか。どうですか。
S:おいしいと思います。
T:そうですね。見て、思います。まだ食べていないので、わかりません。でもおいしいと思います。このステーキはおいしそうです。
T:これは何ですか。
S:ジュースです。
T:このジュースはいろいろな野菜から作りました。おいしいと思いますか。おいしくないと思いますか。どうですか。
S:緑色ですから・・・おいしくないと思います。
T:見て、おいしくないと思いました。まだ飲んでいないので、わかりません。でも、見ておいしくないと思います。このジュースはおいしくなさそうです。
(板書をして、リピート)
- このステーキはおいしそうです。
- このジュースはおいしくなさそうです。
★イA~いそうです
★イA~くないさそうです
ナAの導入
T:この男の人を見てください。男の人は何をしていますか。
S:何もしません。
T:そうですね。男の人は何もしていません。男の人は暇ですか。
S:はい、暇だと思います。
T:男の人を見て、男の人は何もしていないので、暇だと思いました。男の人は暇そうです。
T:このおじいさんは今病気です。元気だと思いますか。
S:元気じゃないと思います。
T:そうですね。おじいさんを見て、元気じゃないと思います。おじいさんは元気じゃなさそうです。
(板書をして、リピート)
- 男の人はひまそうです。
- おじいさんは元気じゃなさそうです。
★ナA~そうです。
★ナA~じゃないさそうです
T:「そうです」は見て思うときに使います。見て思うので、まだわかりません。例えば、男の人は暇ですか。暇じゃありませんか。わかりません。
T:「そうです」を使えないときが3つあります。見て100%そう思う時です。例えば、あの女の人はきれそうです。それから、色です。あのかばんは黒そうです。自分の気もちには使えません。例えば、私は元気そうです。
- 女の人はきれそうです。✕ 100%おもう
- あのかばんは黒そうです。✕ いろ
- わたしは元気そうです。✕ じぶんのきもち
- 初中級L2の「そうです」は様態。見て思う時に使う。(初級L15は伝聞、初中級L6(ST2)は予測、初中級L9(ST2)は直前の意味を勉強する)
- 「そうです」を使えないときがあるので注意。(100%思う時(きれい、かわいい、かっこいい、ハンサム)、色、自分の気持ち)
練習
①絵カード練習
②別冊:言ってみよう P5(1)
③本冊:言ってみよう P32(1)
【チャレンジ2】~てみます
チャレンジの絵・導入
T:メアリーさんと店員さんが話ています。店員はメアリーさんに何と言いますか。
S:写真を撮りますか。
T:メアリーさんは?
S:写真を撮りたいです。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:店員はメアリーさんに何と言いましたか。
S:このカメラで写真を撮ってみますか。
T:メアリーさんは何と言いましたか。
S:撮ってみてもいいですか。
(板書をして、リピート)
Q:このカメラで写真をとってみますか。
A:とってみてもいいですか。
導入
T:S1さんは、服を買う前に服を着ますか。
S1:はい、着ます。
T:どうしてですか。
S1:服が自分にいいですか。わかりませんから。
T:そうですね。服を買う前に、服は大きいですか。小さいですか。いいですか。わかりません。ですから、服を買う前に、服を着てみます。
T:「~てみます」はまだわからないので、やります。その時に使います。
T:S2さん、眼鏡を買う前に、眼鏡をかけますか。
S:はい、かけます。
T:「~てみます」を使っていってください。
S:眼鏡を買う前に、眼鏡をかけてみます。
(板書をして、リピート)
- 服を買う前に、服を着てみます。
- めがねを買う前に、めがねをかけてみます。
★Vテ形+みます
T:「みます」の前は何形ですか。
S:て形です。
T:「~てみます」は自分に使います。人には使えません。例えば、友だちは服を着てみます。はできません。
- 「~てみます」は自分に使う。人には使えない。(例)友達は服を着てみます。
- 「~てみます」は漢字で書かない。(例)×服を着て見ます。
練習
①絵カード練習
②QA練習(例)
- 日本で何をしてみたいですか。
- 日本のどこへ行ってみたいですか。
③別冊:言ってみよう P5(2)
④本冊:言ってみよう P32(2)
【チャレンジ3】Vてもらえませんか
チャレンジの絵・導入
T:メアリーさんと店員が話しています。メアリーさんは店員に何と言いますか。
S:そのカメラを見たいです。見せてください。
T:店員は何と言いますか。
S:いいでですよ。このカメラは夜、きれいな写真を撮ることができます。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:メアリーさんは何と言いましたか。
S:そのカメラを見せてもらえませんか。
(板書をして、リピート)
そのカメラを見せてもらえませんか。
T:「~てもらえませんか」はお願いをするときに使います。「~てください」よりも丁寧(polite)です。人にお願いをするときは「~てください」じゃなくて「~てもらえませんか」を使いましょう。
導入
T:S1さん、消しゴムを忘れました。どうしますか。
S1:友達に借ります。
T:「~てもらえませんか」を使って友達にお願いしてください。
S1:消しゴムを借りてもらえませんか。
T:友達が私に消しゴムを貸します。それをお願いしますから、動詞は「貸します」を使います。もう一度言ってください。
S1:消しゴムを貸してもらえませんか。
T:S2さん、教科書がないときはどうしますか。
S2:友達の教科書を見ます。
T:友達の教科書を見たいとき、「~てもらえませんか」を使って友達にお願いしてください。
S2:教科書を見せてもらえませんか。
(板書をして、リピート練習)
- けしゴムを貸してもらえませんか。
- 教科書を見せてもらえませんか。
★Vテ形+もらえませんか
T:「もらえませんか」の前は動詞の何形ですか。
S:て形です。
- 「~てもらえませんか」はお願いをするときに使う。「~てください」は指示の意味もあるので、お願いをするときは「~てもらえませんか」を使ったほうがいい。
- 「貸してもらえませんか」を「借りてもらえませんか」とする間違いが多い。
練習
①変換練習(例)
T:取ります S:取ってもらえませんか
T:持って来ます S:持って来てもらえませんか
②別冊:言ってみよう P6(3)
③本冊:言ってみよう P32(3)
【チャレンジ4】Vにくいです
チャレンジの絵・導入
T:メアリーさんはどうしましたか。
S:わかりません。
T:何がわかりませんか。
S:カメラの使い方です。
T:どうして使い方がわかりませんか。
S:難しいですから。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:メアリーさんは、このカメラについて何と言いましたか。
S:ボタンが多いですから、わかりにくいです。
ボタンが多いですから、わかりにくいです。
T:「~にくい」は難しいの意味です。「わかりにくいです」は「わかるのが難しいです」の意味になります。
導入
T:この絵を見てください。
T:このえんぴつ、とても短いです。書くとき、どうですか。
S:書きます。難しいです。
T:そうですね。この鉛筆は短いので、書きにくいです。
T:これはタコです。とても大きいですね。食べます、どうですか。
S:難しいです。大変です。
T:「にくいです」を使って言いましょう。これは・・・
S:これは食べにくいです。
(板書をして、リピート)
- このえんぴつは短いので、書きにくいです。
- これは食べにくいです。
★Vマス形+にくいです
T:「にくいです」の前は動詞の何形ですか。
S:ます形です。
T:そうですね。「にくいです」は難しいの意味です。
- L2の「~にくいです」の意味は「~難しい」。反対の「~やすいです」はチャレンジ6で勉強する。(初中級L12(ST2)で傾向・性質の意味を勉強する)
- 「できる日本語初中級」では勉強しないが、類似文型に「~づらい」「~がたい」がある。
練習
①絵カード練習
②別冊:言ってみよう P6(4)
【チャレンジ5】Aすぎます
チャレンジの絵・導入
T:パクさんとメアリーさんはカメラを見ています。パクさんはカメラを見て、何と言うと思いますか。
S:このカメラはボタンがとても多いです。
T:メアリーさんは?
S:そのカメラはボタンが多いですから、このカメラがいいです。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんはメアリーさんに何と言いましたか。
S:ボタンが多すぎますね。
ボタンが多すぎますね。
T:「すぎます」はとても、とてものときに使います。これはボタンが「とても」多いですね。
導入
T:この絵を見てください。

T:服はどうですか。
S:とても小さいです。
T:そうですね。とても小さいです。この服は小さすぎます。
(板書をする)
①7899×6549=?
②10×1=?
T:①は何ですか。
S:難しいです。わかりません。
T:①は難しすぎます。②はどうですか。
S:10です。とても簡単です。
T:そうですね。みんな、わかります。②は簡単すぎます。
(板書をして、リピート)
- この服は小さすぎます。
- ①は難かしすぎます。
- ②は簡単すぎます。
★イA~いすぎます
★ナA~すぎます
T:いAのときは「い」がありません。「すぎます」はとても、とてものときに使います。「すぎます」を使う時は、あまりいい意味じゃありません。少し、ネガティブな意味です。
- 「~すぎます」は数・量がとても多いときや少ないなど、「とても」のときに使う。
- 意味はネガティブな意味になる。(例)この服は小さすぎます。(だから、着られない)
- 「Vマス形+すぎます」はL2ST2で勉強する。
練習
①絵カード練習
②別冊:言ってみよう P7(5)
③本冊:言ってみよう P33(4・5)
【チャレンジ6】Aやすいです
チャレンジの絵・導入
T:パクさんとメアリーさんはカメラを見ています。店員さんはパクさんたちに何を言いますか。
S:そのカメラは人気がありますよ。
T:メアリーさんは何と言いますか。
S:このカメラは画面が多いです。見ます。いいです。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:メアリーさんは何と言いましたか。
S:画面が大きいので、見やすいです。
(板書をして、リピート)
がめんが大きいので、見やすいです。
T:「やすいです」の意味は簡単です。
導入
T:この絵を見てください。
T:これはさっき勉強しました。右の鉛筆は・・・
S:書きにくいです。
T:そうですね。右の鉛筆は短すぎるので、書きにくいです。左の鉛筆はどうですか。
S:いいです。書きます。簡単です。
T:左の鉛筆は書きます。簡単です。左の鉛筆は書きやすいです。
T:この絵を見てください。
T:右は・・・
S:食べにくいです。
T:そうですね。左は食べます。簡単です。これは・・・
S:食べやすいです。
(板書をして、リピート)
- 左のえんぴつは書きやすいです。⇔書きにくいです。
- これは食べやすいです。⇔食べにくいです。
★Vマス形+やすいです⇔Vマス形+にくいです
T:「やすいです」の前の動詞は何形ですか。
S:ます形です。
T:そうでうね。「やすいです」の意味は簡単です。
- L2の「~やすいです」の意味は「~するのが簡単」。反対の「~にくいです」はチャレンジ4で勉強済。(初中級L12(ST2)で傾向・性質の意味を勉強する)
練習
①絵カード練習
②別冊:言ってみよう P7(6)
③本冊:言ってみよう P33(6)
やってみよう
①CDを聞いて答える。
②ロールプレイをする。
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以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。