様態の「~そうです」は学習者にとって比較的わかりやすい文法です。
しかし、簡単だからこそ、間違えやすいポイントがあります!あなどっちゃいけませんよ!
この記事では、様態「~そうです」の意味用法と、習者が間違えやすいところも紹介しています。
様態「~そうです」は学習者にとってわかりやすくても、注意点もあるので、しっかり把握しておきましょう。
目次
様態「~そうです」の用法
接続
イA~い+そうです
ナA+そうです
Vマス形+そうです
意味
見て、そう思うときに使う。(外観から受ける「感じ」を表す)
例文
- このケーキ、おいしそうですね!
- 田中さん、眠そうですね。昨日は何時に寝たんですか?
- 天気がよさそうなので、出かけましょう。
- 気分が悪そうですね。大丈夫ですか?
- キムさんの彼はやさしそうです。
- この荷物を運ぶのは大変そうです。
- 田中さん、暇そうですね。手伝ってもらえませんか?
- そのスーツケースは大きくて、便利そうです。
- 田中さんはお金がありそうです。家も大きいし、車を3台も持っています。
ポイント
外観から見てわかるものには使えない
外観からみて、明らかに状態を表すものには使えない。(例)きれい、かわいい、ハンサム、有名、赤い、黒い
× このシャツは赤そうです。
× 田中さんはハンサムそうです。
感覚や感情を表す言葉は、自分には使えない
感覚や感情を表す形容詞は、自分には使えません。
× 私はうれしそうです。
〇 私はうれしいです。
自分以外の人の感覚や感情を表すときは「~そうです」をつけなければなりません。
× 田中さんはうれしいです。
〇 田中さんはうれしそうです。
否定形の作り方は2通りある
否定形の作り方は、「~そうです」の前を否定にする場合と、後ろを否定にする場合があります。
このケーキはおいしくなさそうです。
このケーキはおいしそうじゃありません。
どちらも意味は同じです。厳密に言うと、前を否定する「~なさそうです」の方が、外観を見て直感的に判断するときに使います。
「~そうじゃありません」は、誰かが言ったことなど、会話の中で否定するときに使われます。
A:見て!初めてハンバーグを作りました!おいしそうでしょう?
B:(見た目がぐちゃぐちゃで)うーん、おいしそうじゃないかなぁ・・・。
名詞には接続しない
様態の「~そうです」は名詞には接続しません。
× 喫茶店は今日お休みそうです。
ナ形容詞と同じ変化をする
「~そうです」はナ形容詞と同じ変化をします。
おいしそうな料理ですね。(~そうな+名詞)
子供は楽しそうに遊んでいます。(~そうに+動詞)
学習者が間違えやすい3つのポイント
見てわかるものに「~そうです」を使ってしまう(例)きれいそうです。
様態「~そうです」は、外観から見てわかるものには使いません。学習者の誤用が出やすいところです。
× 田中さんの奥さんはきれいそうです。
「~そうです」は、見て「感じ」がするときに使います。上記の例文は、「田中さんの奥さんはきれいです」と言うのが正しいです。
「可哀そうです」が様態の意味だと思ってしまう
学習者から「よく日本人やドラマで『かわいそうです』と聞きます。どうしてですか?」と質問がある場合があります。
この場合、「可愛い+そう」ではなく、「可哀そう」という一つの形容詞です。様態の「~そうです」の文法ではありません。
学習者の耳に「かわいそう」という言葉が印象に残っており、様態の「~そうです」と勘違いをした間違えです。
伝聞「~そうです」の意味と混同してしまう
「~そうです」は意味が4つあります。その中でも「伝聞」の意味と混同しやすいです。
駅前のラーメン屋はおいしいそうです。(伝聞)
このラーメン、おいしいそうです。(様態)
意味以外で見分けるポイントは「接続」です。
伝聞:普通形+そうです
様態:イA~い+そうです、ナA~な+そうです、Vマス形+そうです
伝聞の用法についてはこちら≫伝聞「~そうです」の意味用法|導入ポイントと様態の意味との見分け方は?
まとめ
様態「~そうです」の意味用法について解説しました。
様態の「~そうです」は学習者にとってわかりやすい文法で、すぐに使えるようになります。
おいしそうな料理の写真を見せて「おいしそうです」と導入したり、高級車を見せて「高そうです」と導入したり、導入も難しくありません。
しかし、簡単だからこそ、見てわかるものには使えない、自分には使えないなど、注意すべきポイントもあるので、気をつけましょう。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。