先日、学習者に「ね」と「よ」の使い方について質問されました。
- このケーキ、おいしいですね。
- このケーキ、おいしいですよ。
さて、この二つはどう違うのでしょうか?
学習者に聞かれたら、その違いをどうやって説明しますか?
私たちは何気なく「ね」と「よ」を使い分けていますが、学習者にとっては難しいんですよね・・・!
そこで、今回は終助詞の「ね」と「よ」の使い分けについて解説します。
終助詞とは
そもそも終助詞って何でしょうか・・・?
「終」助詞ですから、文の終わりについて、話し手の気持ちを表します。
終助詞には、「か・ね・よ・よね・な・わ・かな・かしら・さ・ぞ・ぜ・もの・なあ」などがあります。
基本的には、会話でのみ使われます。
終助詞「ね」
「ね」の意味用法
「ね」は、基本的には聞き手が知っていると思われることを言う時に使われ、相手に同意や共感、確認を求めるときに使います。
- A:今日は寒いですね。(同意) B:そうですね。(共感)
- このラーメンおいしいですね。(同意)
- 明日宿題を持って来るんですね。↑(確認)
- わかりましたね。↑(確認)
他にも、感動の気持ちを表したり、自分の判断をはっきり言うときも使います。
- 桜が本当にきれいですね。(感動の気持ち)
- 私は田中さんの意見に反対ですね。(自分の判断をはっきり言う)
注意したいこと
「ね」と「よ」では、学習者にとっては「ね」の方がよく耳にするので、使えるようになります。
ですが、「ね」を覚えると、「ね」を使いすぎる傾向があるので、注意しましょう。
終助詞「よ」
「よ」の意味用法
「よ」は、聞き手が知らないことを知らせたり(情報の伝達)、注意や理解を進めてもらうときに使います。
- このお菓子、おいしいですよ。(情報の伝達)
- 外は雨が降っていますよ。(情報の伝達)
- 危ないよ。(注意)
他には、命令・禁止・誘いを強める意味もあります。
田中さんも飲み会に行きましょうよ。(強調)
学習者に「ね」と「よ」の使い分けをどうやって教える?
終助詞「ね」と「よ」の使い方について解説しました。
では、学習者にはどうやって教えるのがわかりやすいでしょうか?
一番最初の例文をもとに考えてみます。
- このケーキ、おいしいですね。
- このケーキ、おいしいですよ。
この例文から、「ね」と「よ」の使い方について、以下のように説明をします。
(ここでは上記の例文での説明のみで、「ね」と「よ」のいろいろな用法については説明していません)
「ね」は、あなたもそう思いますよね?と言いたいときに使います。
「このケーキ、おいしいですね」は、一緒にケーキを食べているときに言います。
私はおいしいと思っています。あなたも、おいしいと思っていると思うんですが、どうですか?と言う時に使います。
「よ」は、私だけが知っていることを伝えるときに使います。
あなたは、まだこのケーキを食べたことがありませんが、私は食べました。このケーキはとてもおいしい!だから、それをあなたに言いたいときに「このケーキ、おいしいですよ」と言います。
まとめ
終助詞「ね」と「よ」の使い分けはわかったでしょうか?
もう一度使い方をまとめます。
「ね」・・・聞き手が知っていると思われるときに使う。同意・共感・確認の意味がある。
「よ」・・・聞き手が知らないことを言う時(情報伝達)や、注意を言う時に使う。
会話の中で「ね」と「よ」を自然に使えるようになると、より自然な日本語になって、学習者の日本語レベルがまたレベルアップすると思います。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。