日本語の教案

終助詞「ね」と「よ」の使い分け|日本語文法の基礎知識

先日、学習者に「ね」と「よ」の使い方について質問されました。

  • このケーキ、おいしいです
  • このケーキ、おいしいです

 

さて、この二つはどう違うのでしょうか?

学習者に聞かれたら、その違いをどうやって説明しますか?

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

私たちは何気なく「ね」と「よ」を使い分けていますが、学習者にとっては難しいんですよね・・・!

そこで、今回は終助詞の「ね」と「よ」の使い分けについて解説します。

 

終助詞とは

そもそも終助詞って何でしょうか・・・?

「終」助詞ですから、文の終わりについて、話し手の気持ちを表します

終助詞には、「か・ね・よ・よね・な・わ・かな・かしら・さ・ぞ・ぜ・もの・なあ」などがあります。

基本的には、会話でのみ使われます

たのすけ
たのすけ
終助詞を使うだけで、自然な会話らしくなりますよね。

 

終助詞「ね」

「ね」の意味用法

「ね」は、基本的には聞き手が知っていると思われることを言う時に使われ、相手に同意や共感、確認を求めるときに使います。

  • A:今日は寒いです。(同意) B:そうです。(共感)
  • このラーメンおいしいです。(同意)
  • 明日宿題を持って来るんです。↑(確認)
  • わかりました。↑(確認)
たのすけ
たのすけ
確認するときは、イントネーションが上がります。

 

他にも、感動の気持ちを表したり、自分の判断をはっきり言うときも使います。

  • 桜が本当にきれいです。(感動の気持ち)
  • 私は田中さんの意見に反対です。(自分の判断をはっきり言う)

 

注意したいこと

「ね」と「よ」では、学習者にとっては「ね」の方がよく耳にするので、使えるようになります。

ですが、「ね」を覚えると、「ね」を使いすぎる傾向があるので、注意しましょう

たのすけ
たのすけ
私も会話の中で「ね」を使いすぎる傾向があるので、気を付けています。

 

終助詞「よ」

「よ」の意味用法

「よ」は、聞き手が知らないことを知らせたり(情報の伝達)、注意や理解を進めてもらうときに使います。

  • このお菓子、おいしいです。(情報の伝達)
  • 外は雨が降っています。(情報の伝達)
  • 危ない。(注意)

 

他には、命令・禁止・誘いを強める意味もあります。

田中さんも飲み会に行きましょう。(強調)

 

学習者に「ね」と「よ」の使い分けをどうやって教える?

終助詞「ね」と「よ」の使い方について解説しました。

では、学習者にはどうやって教えるのがわかりやすいでしょうか?

 

一番最初の例文をもとに考えてみます。

  • このケーキ、おいしいです
  • このケーキ、おいしいです

 

この例文から、「ね」と「よ」の使い方について、以下のように説明をします。

(ここでは上記の例文での説明のみで、「ね」と「よ」のいろいろな用法については説明していません)

「ね」は、あなたもそう思いますよね?と言いたいときに使います。

「このケーキ、おいしいですね」は、一緒にケーキを食べているときに言います。

私はおいしいと思っています。あなたも、おいしいと思っていると思うんですが、どうですか?と言う時に使います。

 

「よ」は、私だけが知っていることを伝えるときに使います。

あなたは、まだこのケーキを食べたことがありませんが、私は食べました。このケーキはとてもおいしい!だから、それをあなたに言いたいときに「このケーキ、おいしいですよ」と言います。

たのすけ
たのすけ
気持ちを入れながら言うのもポイントです。「おいしいですね」のときは、相手に共感を求めるように、「おいしですよ」のときは、聞いてほしい!という気持ちを伝えるように言うといいです。

 

まとめ

終助詞「ね」と「よ」の使い分けはわかったでしょうか?

もう一度使い方をまとめます。

「ね」・・・聞き手が知っていると思われるときに使う。同意・共感・確認の意味がある。

「よ」・・・聞き手が知らないことを言う時(情報伝達)や、注意を言う時に使う。

 

会話の中で「ね」と「よ」を自然に使えるようになると、より自然な日本語になって、学習者の日本語レベルがまたレベルアップすると思います。

たのすけ
たのすけ
「ね」と「よ」は初級のうちからすぐに使えるので、ぜひ使い分けを教えてあげてくださいね。

 

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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