コロナ以降、オンライン日本語教師の需要が一気に増え、実際に働く人も増えましたよね。
現在は外国から入国する人の規制緩和が進み、日本に来る留学生の数が増え、日本語学校の日本語教師の需要もコロナ禍と比べて、ぐっと増えたなぁと感じます。
日本語学校だけで働いている日本語教師の方もいれば、オンラインだけで日本語を教えている日本語教師の方もいますよね。
はたまた、両立されている方もいると思います。
では、日本語学校とオンラインで日本語を教える違いはあるのでしょうか・・・?
どちらが働きやすいのでしょうか・・・?
この記事では、私の経験をもとに、日本語学校とオンラインで教える違いや、それぞれのメリット・デメリットを書いています。
一個人の意見になりますこと、ご了承くださいませ。
私自身のことについて述べると、以前は日本語学校の専任講師として働いていました。
ですが、現在はオンライン日本語教師として働いています。
理由は、ライフスタイルの変化があり、今はオンライン日本語教師の働き方の方が、今のライフスタイルに合っているからです。
実際に、オンライン日本語教師をしてみると、日本語学校とは違うなぁと感じています!
そこら辺の違いから、実際にどっちがいいの?というところを書きたいと思います。
目次
日本語学校とオンラインの違い
臨場感
日本語学校とオンラインで教える一番の違いは、臨場感だと思います。
オンラインでも同じ時間を共有してレッスンをしているのですが、その場にいるライブ感といいますか、臨場感は全然違います。
日本語学校は対面なので、その場の空気感や学生の表情がよくわかりますが、オンラインだとどうしても、わかりにくい場合があります。
オンラインレッスンでは、学習者は顔を出す場合(カメラをオン)も多いですが、カメラをオフにして顔を出さない場合もあるからです。
言葉はコミュニケーションなので、相手が今どんな表情で話しているのかな、理解しているのかな、難しく感じているかな、というのはオンライン上では読み取りにくいな・・・と感じています。
学習者との接し方(距離感)
日本語学校に来る留学生は、通常1年3カ月から2年間在籍します。
日本語学校で勤務する場合、日本語の勉強だけでなく、日本での生活のサポートや卒業後の進路にも関わることになります。
なので、日本語学校の方がオンラインで教えるよりも学習者と接する機会は多くなります。
より学習者の日本語の成長も感じられ、「あれ?〇〇さん、表情がどんどん良くなっている!!」などなど、どんどん日本で生活をしてたくましくなっていくのがわかるんです・・・!
その点、オンラインでは、レッスンだけの繋がりなので、学習者の日々の成長を感じにくいですし、学習者の人生に関わっているという想いは少ないように感じます。
以上、日本語学校とオンラインで教える違いを2つ紹介しましたが、
それらを踏まえた上で、日本語学校とオンラインで教えるメリット・デメリットを紹介していきます。
日本語学校で教える3つのメリット
学習者の日本語の成長を、日々身近で感じられる
私が思う、日本語学校で教える一番のメリット・やりがいは「学習者の日本語の成長を、日々身近で感じられること」だと思います!
日本に来たばかりのときは、ひらがな・カタカナも上手に書けなかったのに、
半年もすれば日常会話ができるようになって、
1年経てば難しい話題も話せるようになって、
卒業するときには、教師に敬語を使って話したり、日本語で冗談が言えるようになったりします。
授業でやった日本語を使って話しているのを見ると、「日本語が上手になっている・・・!」と感じます。
日本語の教え方を学べたり、カリキュラムを知れたりする
日本語学校では、文法以外に漢字、読解、聴解、発音などなど、たくさんの科目があります。
日本語学校で働けば、それぞれの科目では、どんな教科書を使ってどう教えるのかを知ることができます。
学校によっては、授業見学を自由にさせてもらえる学校もあると思います。
先輩の授業を見学するのは、口で教えてもらうよりも勉強になりますよ!『百聞は一見に如かず』です!
オンラインで日本語を教えるとなると、「日本語の教え方」を教えてくれる人は誰もいないんです・・・。
もちろん日本語学校で勤務していても、他の先生が忙しそうで聞けるような雰囲気じゃない・・・ということもあると思います。
実際に私は人に聞くのが苦手だったので、日本語教師になったばかりの頃は、誰にも相談できずに抱え込んでしまっていました。
また、研修や勉強会があるかどうかも、日本語学校によって違うと思います。
ですが、ベテランの教師が作ったカリキュラムを知れるだけでも、日本語学校は日本語教師として勉強になることはすごく多いと思います。
日本語の教材が見られる
日本語学校には日本語の教材がたくさん置いてあります。それらを見られるのは、有り難いことなんです!
オンラインで日本語を教えるとなると、個人で教えるので、所有している教材は限りがあると思います。
「あ、あれ調べたいんだけどなぁ」という時に、すぐに教材があって調べられるのは、今思えば有り難い環境だったなと感じています。
日本語の本は結構持っているのですが、実際は、もっともっと欲しいです。
日本語学校で教える5つの苦労
クラス人数が多いと、クラスコントロールが大変
クラスの人数が多いと、クラスコントロールは大変になります。
だんだん慣れてはくるのですが、20名ものクラスを隅から隅まで目を行き届かせるのは、やはり体力が要ります。
もちろんクラスによって、人数が多くてもやりやすいクラスもあれば、人数が少なくても先生の目を盗んで、授業中にスマホでこっそり遊ぶような問題学生がいる場合もあり、一概にクラス人数が多いから大変とは言えません。
ですが、クラスの人数が増えれば増えるほど、相手は多くなるので、やはり気を使うことも増え、大変に感じると思います。
日本語の授業以外でもてんやわんや
日本語教師の仕事は日本語を教えるだけじゃありません。
生活指導も日本語教師の仕事なのです。
私が日本語教師になったばかりの頃、授業以外に頭を悩ませていたのが、学生対応でした・・・。
年齢的にはもう大人でも、育ってきた環境や文化が違うので、日本では常識と言われることが通じなかったり・・・
どう指導したらいいのか、どう指導するのが正解なのか分からずに、本当に悩みました。
それから、日本で生活しているので、様々な問題が起こります。
アルバイト先でのトラブル、住んでいるアパートの住民とのトラブル、事故にあってしまった、警察に捕まった、などなど、日々いろんな出来事が起こります。
授業を休みにくい
授業を休めないことはないのですが、自分が担当している授業ができなくなるとなると、代わりの先生にお願いしなければなりません。
私は他の先生の代講を引き受けるのは嫌じゃないですのですが、自分が頼むのはどうも苦手でした・・・。
なので、学期中は基本的に有給休暇などは使いませんでしたし、風邪なども一切引かず、
授業中に鼻水が出る、喉が痛くて声が出ない、というのは絶対ないようにしていました。
教える科目が多く、慣れるまでは大変
日本語学校では、文法以外も様々な科目を教えます。
例えば、読解・聴解・漢字・作文・・・などなど、日本語文法を教えるだけじゃないんです。
日本語教師養成講座では、初級文法の教え方をメインに教わります。
なので、日本語学校で勤務初めてから、「あれ・・・、漢字はどうやって教えるの?読解の授業はどうやって進めるの?」ということになりかねず、最初は大変に感じることもあると思います。
他の先生との連携を大切にしなければならない
日本語学校は、複数の先生が一つのクラスを受け持つチームティーチングが基本です。
なので、同じクラスを担当している先生との連携や情報共有が必要になります。
学生の情報を共有しておくことは、とっても大切なことなんです・・・!
授業後に、〇〇さんが元気なかった、〇〇さんは△△が理解できていないようだった、などなど、学生の様子も報告する必要があります。
あれ?それ聞いていないよ!とならないために、また、スムーズに授業の引継ぎをするためにも、他の先生との連携は大切にしなければなりません。
それから、日本語学校では学期中のスケジュールは決まっていて、その日に何を教えるのかがすでに決まっています。
進めるところまで進めばいいや!というわけにはいきません。
スケジュール通りに終わらない場合は、次の日の先生に迷惑をかけてしまうことになります。
オンラインで教える6つのメリット
場所を選ばすに仕事ができる
オンラインで日本語を教える一番のメリットは、自宅にいながら仕事ができることです。
日本語学校だと通勤するので、通勤時間がかかります。
その点オンラインレッスンは、自宅でできるので、通勤時間がかかりません。
また、パソコン一つあれば、自宅じゃなくても通信環境が整っていれば、レッスン可能です。
自由に働きたいという人にとっては、パソコン一つでどこでも仕事ができるのは、とても魅力的だと思います。
スケジュールを調整しやすい
オンラインで日本語を教える場合は、自分のスケジュールに合わせてレッスンをすることができます。
なので、旅行に行きたいからちょっと長期休みにしちゃおう!ということもできます。
ただ、オンラインレッスンでは、学習者の都合と合わなければ、レッスン予約は入りません。
そのため、レッスンが可能な時間は多い方がレッスンが入りやすいです。
また、オンラインレッスンではリピートしてくれる学習者が大事になってくるので、学習者の都合に合わせた曜日・時間にレッスンをできるように空けておく必要もあると思います。
相性の合う学習者とレッスンできる
学習者との相性はあると思います・・・!
あれ?ちょっと波長が合わないかな、相性が悪いかな、ちょっと苦手だな、と感じる学習者がいるのも事実です・・・!
ですが、日本語学校では、全員同じように平等に接しなければなりません。
その点、オンラインで日本語を教え始めてから感じたのですが、
波長が合うなぁ、やりやすいなぁ、と感じる学習者は継続的にレッスンを受講してくれます。
逆に、なんかハマらなかったな、と感じる学習者は1回切りでその後リピートがない場合もあります。
自分の得意分野に特化できる
日本語学校では、いろんな科目を教えるとお伝えしました。
ですが、オンラインでは自分の得意分野に特化したレッスンができます。(オンラインといっても形態は様々で、自分でレッスン内容を考えられるプラットフォームの場合です)
文法授業が得意なら文法に特化したレッスン、会話を中心にフリートークのレッスンなど、自分が提供したいレッスンを提供し、それを受講したい学習者が集まってきます。
初級の学習者に特化してもいいですし、上級の学習者に特化してもいいですよね。
人間関係が楽
オンライン日本語教師は、日本語学校で働くのと違い、基本的に一人で仕事をします。
なので、あの同僚苦手だなぁ・・・というような、人間関係の煩わしさはありません。
よく言えば人間関係が楽ではあるのですが、人によっては孤独だったり、相談できる人がいなくて困るという場合もあり、デメリットだと感じる人もいると思います。
服装をあまり気にしなくていい
これはたのすけだけでしょうか・・・?
オンラインレッスンのとき、カメラに映る上だけ着替えて、下はパジャマだったり、適当な服だったり・・・ということもあります。
日本語学校で働いていたときは、「先生らしい服装」を意識していたのですが、オンラインレッスンは、服装をあまり気にしなくていいので気楽ですね。
日本語学校で働いていたときは定期的に洋服を購入していましたが、今は買う服が圧倒的に少なくなって、節約にもなっています。
オンラインで教える5つの苦労
収入が安定しない
オンラインで日本語を教える一番のデメリットは、収入が安定しないことです。
日本語学校の場合、専任講師なら月給制、非常勤講師ならコマ時給になります。
月給制なら安定していますし、コマ時給なら、月に何コマ授業をするかで、収入がいくらになるのか予想ができます。
しかし、オンラインレッスンは予約が入らなければ収入にはなりません。
また、レッスン予約が入ったとしてもキャンセルがあることもあり、やはり安定はしていないと思います。
オンラインレッスンでも、週に〇回などの仕事もあるので、そういった場合は、日本語学校の非常勤講師と同様に、コマ数で収入の予想が立てられると思うので、これに該当しないかもしれませんね。
スケジュール管理が難しい
オンラインで教えるメリットとして、スケジュールを調整しやすいとお伝えしました。
しかし、日本語学校と違って曜日や時間が固定しない分、自分でスケジュールを管理しなければなりません。
あれ?あの時間はレッスンをOPENにしておいたんだっけ・・・?なんて、忘れてしまったり、急にレッスンが入ることもあります。
また、いくつかのプラットフォームに登録している場合は、レッスン時間が被らないように、上手に管理しなければなりません。
新しい学習者のレッスンの度に緊張する
たのすけの場合、毎回、新しい学習者を教えるときは緊張します・・・!
どんな学習者かな、性格は?日本語能力は?とわからないことだらけで、初回のレッスンは緊張するのです。
日本語学校では、学期中は担当するクラスは変わりません。
その点、オンラインレッスンの方が、新しい学習者に会う回数が多くなると思うので、緊張も多くなります。
インターネット環境が重要
オンラインで教える以上、インターネット環境はとても重要です。
我が家はオンラインで日本語を教えることになってから、wifiを変更しました。
ただ、インターネット環境はこちらだけでなく、学習者側でも安定したものを使ってもらわないとダメなので、難しいところではあります。
今まで、レッスンの途中でインターネットが切れてしまった、音が飛び飛びで聞こえにくい、カメラだけが見えない、音が数秒後に聞こえる・・・などのトラブルがありました。
誰にも疑問を聞いたり、相談ができない
オンラインで教えるメリットとして、基本的に一人で仕事をするので、人間関係が楽だとお伝えしました。
しかし、一人だからこそ、困ったこと、相談したいことがあったときに、誰にも聞けずに途方に暮れてしまう・・・というのがあると思います。
今はインターネットで検索すれば、様々な情報が手に入ります。
しかし、検索しても分からないこともたくさんありますし、相談したいこともあると思います。
その時に、同僚がいないと聞けないので、一人で仕事をするのは、メリットでもありデメリットでもあると思います。
【まとめ】自分に合った働き方を選ぶのが一番!
日本語学校とオンラインの違いから、それぞれのメリット・デメリットを述べました。
私は現在、オンライン日本語教師として働いていますが、それは、今の生活スタイルに合っているからです。
それから、自由に働きたいという想いもあって、そういう点では、やはりオンライン日本語教師が合っていると感じています。
オンライン日本語教師の働きか方に満足はしているのですが、何年後かには、オンラインだけでなく、もう一度日本語学校で働きたいなぁと思っています。
それは、学習者の成長を日々感じて、学習者の夢や目標が叶う瞬間に立ち会いたいと思っているからです。
その時の感動や喜びは、オンラインで日本語を教えている今は感じることがないな・・・と思っているのが、その理由です。
日本語学校で働くのか、オンラインで教えるのか、どちらがいいのかは人それぞれだと思います。
オンラインで教えるにしても、
italkiやpreplyなどのレッスン内容やレッスン価格を自分で決める自由度が高い語学学習プラットフォームもあれば、
すでに教材などもあり、料金も決まっている日本語学習を提供している語学プラットフォームで働くかでも、働き方は働きやすさは変わってくると思います。
今の生活スタイル、どれぐらいの収入を得たいのか、仕事で何を求めているのか、どういう日本語教師になりたいのか、などなど、自分に合った働き方を選ぶのが一番いいと思います。
両方経験してみて、自分に合った方を選んでもいいですね。
大切なのは、あなたが「自分らしく」「のびのび」と「楽しく」働けることだと思います!
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。