学習者が学校を休んだとき、学習者にメッセージを送りました。
そしたら、以下のようなメッセージが返ってきました。
A:明日は学校へ来られますか?
B:はい、来ます。
ちょっと変・・・ですよね。
正しくは、「はい、行きます」だと思います。
この学習者は中級の学習者なのですが、「行く」と「来る」が混同しているようでした。
学習者に「行く」と「来る」の使い分けについて、どのように説明したらいいでしょうか?
「行く」と「来る」は、初級の一番最初に習う動詞です。
ですので、簡単だと思われがちなんですが、実は、使い方を混同している学習者も多いんです・・・!
この記事では、「行く」と「来る」の使い分けができていない学習者に、違いと使い分けをどのように説明すればいいのかを紹介しています。
目次
「行く」と「来る」の違い
「行く」と「来る」の基本的な意味
まず、「行く」と「来る」の動詞を整理したいと思います。
行く
今いる場所から別の場所へ移動するときに使います。
(例)学校へ行きます。
ある場所からある場所に移動するときに使います。
(例)(学校から)喫茶店へ行きます。
来る
別の場所から、今いる場所に移動する(戻る)ときに使います。
(例)学校へ来ます。
自分がいる場所へ誰かが移動するときに使います。
(例)友達が(私の)家へ来ます。
「行く」と「来る」を教えるときのポイント
「今自分はどこにいるのか」で考える
「行く」と「来る」を使い分けるポイントは、『今自分がどこにいるか』です。
冒頭の誤用に戻ってみますね。
A:明日は学校へ来られますか?
B:はい、来ます。×
Aさんは学校にいて、Bさんは学校にいません。(家だと仮定します)
ですので、今いる場所から別の場所に移動するので、「行く」を使うのが正しいです。
「来る」を使うときは、BさんもAさんと同じ学校にいなければなりません。
(学校で)
A:明日も学校へ来られますか?
B:はい、来ます。
「行く」と「来る」の使い分けの例文
例文を紹介します。
「行く」の例文
- 毎日学校へ行きます。
- 9時に会社へ行きます。
- 友達の家へ遊びに行きます。
- 駅から学校まで歩いて行きます。
「来る」の例文
- (学校で)明日は学校へ来ません。
- (会社で)明日は7時に会社へ来ます。
- (自分の家で)友達が遊びに来ます。
- (事務所で)A:キムさん、授業が終わったら、ここに来てください。 B:はい、わかりました。
【まとめ】「今自分はどこにいるか」で考えよう!
「行く」と「来る」の違いと使い分けについて紹介しました。
行く:今いる場所から別の場所へ移動するときに使う。または、ある場所からある場所に移動するときに使う。
来る:別の場所から、今いる場所に移動する(戻る)ときに使う。または、自分がいる場所へ誰かが移動するときに使う。
中級の学習者でも「行く」と「来る」を混同している間違いがみられます。
教えるときは、『学習者が今どこにいるか』を考えて、「行く」と「来る」の使い分けを教えてあげるといいと思います。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。