あなたは中級文法を調べるときに、よく使う参考書はあるでしょうか?
きっとお気に入りの参考書があると思います。
今日は、たのすけが中級文法を調べるときに、実際に使っている参考書を紹介します。
最近、「中級文法を調べるときに、使っている文法書を教えてください」と聞かれることが多いので、使っている文法書と使用する順番、その理由を大公開です!
最新バージョンです!
それでは、さっそくお見せしていきます!
目次
中級文法を調べるときに使用する日本語の参考書を大公開!
中級文法書として調べるときに、現在使用している参考書はこちらです。

あなたがお持ちの参考書と比べてどうでしょうか?
現在中級で使っている参考書だけでこれだけあります。
子供に破かれて、表紙がビリビリのもあります・・・(焦)
いつも全ての参考書を見ていたのでは、時間がいくらあっても足りません…!
毎回この参考書たちを闇雲に引いて調べているわけではなく、
参考書の中でも1軍・2軍があったり、適当に見ているわけではなく調べる順番があるので、それを紹介しますね。
必ず見る日本語の文法書6冊

中級文法について調べるときに、毎回見ているのはこの6冊です。
6冊の中でも見る順番があり、以下の順番で見ています。
文法書の特徴となぜこの順番で見ているのか、その理由をご紹介します。
「”生きた”例文で学ぶ 日本語表現文型辞典」
「日本語表現文型辞典」は、一番のお気に入りといっても過言じゃないぐらい気に入っています。
説明が簡潔でわかりやすい、例文が身近、類似文型がわかる、といのがお気に入りの理由です。
もともと先輩日本語教師からお勧めされて購入したのですが、それ以降とても重宝しています。
- 掲載されている例文が身近で、例文としてそのまま授業で使える。
- モデル会話での例文が載っているので、会話文での使われ方がわかる。
- 説明が簡潔でわかりやすい。
- 文型の意味を簡単な言葉で置き換えている。
- 類似文型が一緒に掲載されていて、便利。
「どんなときにどう使う 日本語表現文型500」
「日本語表現文型500」も同様に、使用頻度が高いです。
- 説明が簡潔でわかりやすい。
- 文型の意味を簡単な言葉で置き換えている。
- 機能別に分かれているので、整理したいときや似ている文法を探すときに便利。
【補足】
最初に、一番最初に紹介した「日本語表現文型辞典」と「日本語表現文型500」を使うのには理由が2つあります。
- 文型の意味を簡単な言葉で置き換えてくれている。
- 説明が簡潔でわかりやすい。
学習者に文型の意味を簡単な言葉で伝えられたらいいですよね。
この2冊の文法書には、簡単な言葉で意味が書かれているので、そのまま説明に使える場合も多いです。
他の文法書のほうが文型の説明が細かく書かれている場合も多いのですが、
まずは簡単に文型について理解してからもっと深く細かく知った方が理解しやすいので、
説明が簡潔に書かれているこの2冊で文型の大きい核を把握するようにしています。
「日本語文型辞典」
「日本語文型辞典」は、掲載されている文型が3,000以上あって、その名の通り文型辞典のように使えます。
どの文法書にも載っていないときに「日本語文型辞典」で調べると見つかることも多いです。
- 掲載されている文型が3,000以上ある。
- 例文は中級以上らしい例文が多い。
- 説明は簡潔にまとまっている。
- あいうえお順に掲載されているので、同じ形でも違う意味や類似の形の文型を芋づる式に調べられる。
「中級日本語文法と教え方のポイント」
「中級日本語文法と教え方のポイント」は、類似文型の違いを調べたいときに便利で、類似文型ごとにまとまっています。
どのような言葉と結びつやすいのかは他の文法書に書かれていないので、
例文を考えるときに便利だと思います。
- 類似表現とどう異なるのか、どのような語と結びつきやすいのかが書かれている。
- 文法について細かいので、より詳しく調べたいときに便利。
- 説明は比較的わかりやすい言葉で書かれている。
- 類似表現との比較がメインなので、掲載文型の数は多くはない。
「中上級を教える人のための日本語ハンドブック」
「中上級を教える人のための日本語ハンドブック」は、文型の説明が詳しく書かれています。
また、類似文型との違いも書かれているので、類似文型との違いを調べたいときにおすすめです。
- 文法説明が詳しく書かれている。
- 類似文型との違いを調べたいときにに便利。
- 掲載文型数は、最初の2冊(「日本語表現文型辞典」「日本語表現文型500」)よりも少ないが、「中級日本語文法と教え方のポイント」よりは多い。
「くらべてわかる日本語表現文型辞典」
「くらべてわかる日本語表現文型辞典」は、類似文型との違いがメインで書かれています。
特徴は、類似文型について書かれている2冊(「中級日本語文法と教え方」「中上級を教える人のためのハンドブック」)よりも、さらに詳しく書かれています。
- 類似文型との違いを調べるときに便利。
- 意味ごとに例文が分かれて書かれているのはおすすめ。
- 他の文法書には載っていないような違いも書かれている。
- 違いの説明が難しい場合もある。
【補足】
たのすけは、最初に文型の大まかな意味を理解してから類似文型との違いを調べています。
ですので、下3冊は文型の理解をもっと深めて、類似文型との違いを把握するために使用することが多いです。
使用する順番は説明がわかりやすい順に、
「中級日本語文法と教え方」→「中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック」→「くらべてわかる日本語表現辞典」です。
中級文法を調べるときにあると便利な3冊

必ず見る参考書ではないですが、あると便利な3冊を紹介します。
「てにをは日本語助詞辞典」
「てにをは日本語助詞辞典」は、助詞に特化した参考書です。
初級や中級文法書では助詞については詳しく書かれていませんが、この本は助詞に特化して詳しく書かれているので、痒いところに手が届くような、そんな本です。
- 助詞に特化した参考書。
- 助詞の公式が書かれているので、使い方のルールを知れる。
- 言葉が簡潔で例文も豊富にあり、わかりやすい。
詳しくは「助詞の用法を詳しく知りたいなら「てにをは日本語助詞辞典」がおすすめ!」の記事で紹介しています。
「日本語誤用辞典」
「日本語誤用辞典」は、実際の学習者の誤用が掲載されており、それに対してどう指導するべきかが書かれています。
誤用なのはわかるんだけどどう指導したらいいんだろう・・・と悩んでいるときに、便利です。
- 実際の学習者の誤用が掲載されている。
- 誤用の原因を分類し、それに対してどのように指導するべきかがわかる。
- 文型のポイントは簡潔でわかりやすい。
- 文型以外にも副詞なども掲載されているが、取り上げている数は少ない。
詳しくは「学習者の誤用と指導方法がわかる「日本語誤用辞典」|どんな本か紹介します」の記事で紹介しています。
「日本語類義語表現使い分け辞典」
「日本語類義語表現使い分け辞典」は、他の文法書では載っていないような分析が書かれています。
ただですね、分析が細かいのと説明が難しいので、学習者の説明用に調べるというよりは、
この文型とこの文型の使い分けがイマイチわからず納得できない・・・というときに、自分が把握するために使うことが多いです。
- 他の文法書には載っていないような細かい説明が書かれている。
- 分析が細かく説明が難しいので、理解するのに多少時間がかかる。
- 自分で勉強したい人向け。
【補足】
紹介した3冊は必ず見る参考書ではありませんが、
困ったとき・もっと詳しく調べたいとき・自分の納得のいく説明を求めているときに役立つので、あると便利です。
特に「てにをは日本語助詞辞典」は助詞に特化した参考書なので、一冊手元に起きて置くといいと思います。
思わぬ発見がある文法書2冊

この2冊は類似文型について紹介されています。
「くらべてわかる 日本語表現文型辞典 初中級編」
「くらべてわかる 日本語表現文型辞典 初中級編」は、初中級とありますが、N3の文型を中心に載っています。
例文が身近で、違いの説明が簡潔でわかりやすいのでおすすめですが、掲載されている文型・表現数が少ないのがデメリットです。
- 似ている文型・表現の比較と単独で文型説明がある。
- 違いの説明が簡潔でわかりやすいが、細かい分析までは書かれていない。
- 例文が身近で学習者になじみやすい。
- 掲載されている文型・表現はあまり多くない。
「くらべてわかる 中級日本語文型ドリル」
「くらべてわかる 中級日本語文型ドリル」は、類似文型の違いや例文だけじゃなく、練習問題も掲載されています。
- 同じ使い方でも「ここが違う!」という点が簡潔に書かれている。
- 練習問題も掲載されているので、学習者の理解度確認に役立てられる。
- 掲載されている文型数はあまり多くないが、学習者から質問の出そうな文型に絞っている。
【補足】
紹介した2冊も類似文型との違いについて書かれているのですが、
最初に紹介した3冊(「中級日本語文法と教え方のポイント」「中上級を教える人のためのハンドブック」「くらべてわかる中級日本語文型辞典」)よりも、
探したときに載っていない確率が高いからです。
(調べる文型にもよると思いますので、一概には言えませんが、たのすけはそうでした)
ですので、最初には調べずに思い出した時に調べる程度に使っています。
ただ、どちらも説明は簡潔でわかりやすいと思いますので、時間があるのなら調べてみる価値ありです。
このように中級文法を調べるときに、使用している参考書はたくさんあるのですが、全てに目を通していたら時間がいくらあっても足りません・・・!
なので、優先順位をつけて、
「必ず見る参考書→もっと詳しく知りたいときに見る参考書→時間があったら見る参考書」
とある程度、見る順番が決まっています。
補足的に使う参考書2冊

この2冊の参考書は補足的に使っています。
「類語例解辞典」
「類語例解辞典」は文型ではなく語彙の辞典なのですが、文法授業でも、接続詞や副詞が問われているときがありますよね。
その時に、似ている言葉の違いを調べるときに役立っています。
文型の参考書ではないので、補足的に使用する参考書の括りにしましたが、たのすけは好きで重宝しています。
- 類語の微妙なニュアンスの違いや使い方の違いなど、例文や対比表がありわかりやすい。
- 分類ごとにまとまっているので、関連語彙も近くに掲載されており、芋づる式で調べることもできる。
詳しくは「JLPTのN3以上を教えるときに「類語例解辞典」が役に立つ!」の記事で紹介しています。
「基礎日本語事典」
「基礎日本語事典」は、とにかく分析が細かいです。
文型や語彙など幅広くありますが、掲載数はあまり多くありません。
どの文法書や類語辞典を見ても違いが載っていない・・・!!というときに、手元に一冊あると答えが見つかるかもしれません。
- 分析が細かく、説明が詳しく書かれていく。
- 掲載されている文型・語彙の数はあまり多くない。
- 学習者の説明用というよりは、自分の勉強用におすすめ。
詳しくは「「基礎日本語辞典」日本語の分析が細かすぎる!お助けマン的参考書!」の記事で紹介しています。
授業準備に役立つ学習者用テキスト3種類

学習者用テキストですが、中級文法を調べるとき、授業準備に役立つ3種類のテキストを紹介します。
- 「日本語総まとめ 文法」
- 「TRY!日本語能力試験 文法」
- 「新完全マスター文法」
「日本語総まとめ 文法」
実は、「日本語総まとめ」は、教師が教えるのにはちょっと使いにくいなぁと感じています。
基本は、似ている意味の文型でまとまっているのですが、
これは意味を分けたほうが良さそうだなという文型も、一括りになってしまっていることがあるからです。
また、他のテキストと違い文型の意味・説明があまりないので、教師自身で一から調べることが多いかと思います。
「日本語総まとめ」は、文型のポイントがズバリ一言で書かれていることがあって、それがいいなぁと感じています。
最低限ここだけおさえればいい!というポイントです。
また、例文が身近で学習者にとってわかりやすいので、例文を考える参考にもなると思います。
- 文型のポイントが一言で書かれていることがある。
- 例文が身近で参考になる。
「TRY!日本語能力試験 文法」
「TRY!日本語能力試験」は、文型を似ている意味ごとには分類されていません。
意味が似ている文型を連続で教える場合は、その違いについて聞かれることが多いですよね。
そういった意味では、文型の違いについて質問されることは他のテキストよりは多くないですが、自分で類似文型について調べる必要があります。
「TRY!日本語能力試験」は、文型の意味・使い方・ポイントが簡単な言葉で書かれています。
教師用の参考書ほど詳しくは書かれていないので、学習者に最低限伝えるべきことは何か?を把握するのに役立ちます。
また、練習問題もあるので、例文だけじゃなく練習問題も作りたい場合に参考にできると思います。
主要な言葉の翻訳版は出ていて、学習者からは説明がわかりやすいと好評です。
- 文型の意味・使い方・ポイントが書かれていて、学習者の最低限伝えるべきことは何かを把握できる。
- ほとんどの文型で練習問題があるので、練習問題を作る場合は参考にできる。
「新完全マスター 文法」
「新完全マスター」は、意味の似ている文型ごとにまとまっています。
ですので、類似文型を調べる必要がない分、その違いについて自分で調べておく必要があります。
また、テキストが1から3章まであり、章ごとに見せ方が違うので、進め方・教え方は悩みますが、文型についてのアレコレが詰まっていると言えます。
(この3種類の中では、一番文型について細かく載っているのではないかと思います)
「新完全マスター」は、文型の説明が書かれています。
「TRY!」のテキストよりも、少し難しいかな?という印象ですが、教師用の参考書よりは詳しくないので、文型のポイントを把握するのに役立ちます。
例文は他のテキストよりも硬めで、そのレベルに合った語彙を使用している印象です。
- 文型の説明が書かれており、ポイントを把握できる。
- 文型の意味ごとに分かれているので、類似文型を把握できる。
- 例文はJLPTのレベルに合った語彙を使用している印象。
【補足】
授業で使うなら別ですが、教師用の参考書として持つならば「TRY!日本語能力試験」は「新完全マスター」をおすすめします。
理由は、文型のポイントが書かれているからです。
これら3冊は補足的に使うのであって、常時見てるわけではありません。
見るならば、「新完全マスター」→「TRY!」→「総まとめ」の順番です。
理由は、よりポイントが書かれている可能性が高いテキストから見た方が効率がいいからです。
授業準備では、こんなに何冊も参考書を使って調べなくちゃダメ・・・?
現在たのすけが中級文法を調べるときに実際に使用している参考書と使用する順番を紹介しました。
どうだったでしょうか・・・?
もしかしたら、「こんなに参考書持っていないよ・・・」「こんなに調べなくちゃダメなの・・・?」と疑問に感じた方もいらっしゃると思います。
ですよね、そう思いますよね・・・!
いつのまにかこんなに参考書が集まってしまったという感じなんです(笑)
実際には、「授業準備はできるだけ時短に!」が一番ですから、
自分でコレ!と決めた参考書を基本にして、足りない場合は違う参考書を使って調べるで十分だと思います。
たのすけも毎回すべての参考書を使っているわけじゃなく、使う参考書・見る順番はある程度決まっています。
文法書によって書かれていることが微妙に違っていたり、
この文法書には説明がAと書かれていて、この文法書には説明がBと書かれていたりなど、
微妙に違うことも結構あるんです・・・!
ですので、たのすけの場合、
より深く文型の理解を深めたい!どれが一番しっくりくるかな?と調べていると、
どんどん参考書を開いて調べてしまうこともありますが、
「自分で納得がいったらこれで良し」とある程度調べるのを終了するラインを決めたほうがいいです。
お伝えした通り、授業準備は時短にしていくのを心がけた方がいいと思いますので、
当サイトのJLPT文法一覧なども参考にしていただき、できるだけ時短を目指してただけたらと思います。
調べても求めている答えがないときはどうする?
調べても求めている答えがないとき、ありますよね・・・!
たのすけも自分が持っている参考書を全部見てみても、自分が求めている答えがなかったり、疑問が解決しないということは多々あります。
じゃあそのときにどうするかですが、「自分で考察する」ことにしています。
わからないことがあったときの順番はこうです。
- 持っている参考書を片っ端から調べる
- ①をもとに、自分で考察する
とりあえず、手元にある参考書を片っ端から見てみます。
そうすると、求めている答えがなかったとしても文型のことが大体わかってきます。
それをもとに、今回自分が疑問に思った場合はどうか、どう考えればいいか、を考察していきます。
調べても求めている答えがなかったということは、
気にするポイントではないのかもしれないですし、そもそも答がないようなことなのかもしれません。
そう思って、自分の中で「こうかな・・・?」と考えて、ある程度納得できたらそれで良し!としてしまいます。
そうしないと、どんどん泥沼にハマって、
「何でじゃー!!気になってしょうがない・・・」となり、いつまで経っても授業準備が終わらなかったりするからです。
【まとめ】中級文法の参考書は使うもの・使用する順番を決めて使おう!
もう一度、中級文法を調べるときに使う参考書についてまとめますね。
☞必ず見る日本語の文法書
- 「”生きた”例文で学ぶ 日本語表現文型辞典
」
- 「どんなときにどう使う 日本語表現文型500
」
- 「日本語文型辞典
」
- 「中級日本語文法と教え方のポイント
」
- 「中上級を教える人のための日本語文法ハンドブック
」
- 「くらべてわかる日本語表現文型辞典
」
☞中級文法を調べるときにあると便利な3冊
☞思わぬ発見がある文法書
☞補足的に使う参考書
☞授業準備に役立つ学習者用テキスト3種類
- 「日本語総まとめ 文法」
- 「TRY!日本語能力試験 文法」
- 「新完全マスター文法」
いつも参考書の順番を適当に調べていたのなら、よかったら参考にしてみてくださいね。
日本語の参考書って高いですよね・・・!
アレもコレも欲しいのですが、全部を買っていたらお金が大変なことになります(焦)
こらから何か中級の参考書を購入しようと考えているのなら、買う時に参考にしてみてくださいね。
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。