日本語の教案

「~ておく」の準備・措置・放置の違いと3つのポイント|例文で比べよう!

今回は、「~ておく」の用法についてご紹介します。

「みんなの日本語」では、30課で「~ておきます」を勉強するのですが、意味が3つにわかれています。

練習Aの例文を紹介しますね。

  • 子どもが生まれるまえに、服やベッドを買っておきます
  • 食事が終わったら、茶わんやお皿を洗っておきます
  • 明日会議がありますから、いすはこの部屋に置いておいてください。

 

どうでしょうか?

この3つはそれぞれ用法が異なるのですが、違いを説明できるでしょうか・・・?

 

「~ておきます」が、意味が「準備・措置・放置」の3つあります。

冒頭の例文の意味は、下記になります。

  • 子どもが生まれるまえに、服やベッドを買っておきます(準備)
  • 食事が終わったら、茶わんやお皿を洗っておきます(措置)
  • 明日会議がありますから、いすはこの部屋に置いておいてください。(放置)

 

準備はわかりやすいですが、措置や放置との違いなど、説明が難しいなぁと感じる方もいるのではないでしょうか。

 

この記事を読めば、以下のことがわかります。

  • 「~ておく」の3つの用法(準備・措置・放置)
  • 「~ておく」の用法の違いがわかる例文
  • 「~ておく」の3つのポイント

 

「~ておく」の違いを上手く説明できない・・・と思っているのなら、ぜひこの記事を読んでみてください。

 

「~ておく」の3つの用法

「~ておく」には意味が「準備・措置・放置」の3つあるとお伝えしました。

基本的にな意味は、「あとに起こることを予想して、前もって何かをする」です。

たのすけ
たのすけ
文法書によっては、意味が2つにしか分かれていないものもあります。

 

それぞれ、3つを比べると、以下のようになります。

  • 準備:目的のために必要な準備をする。
  • 措置:次に向けた準備をする。
  • 放置:今の現状をそのままにする。

それぞれ、特徴のポイントや例文を紹介していきます!

 

~ておく:準備

準備は、目的のために必要な準備をするときに使います。

ポイントは、きちんとした目的があることです。

 

例えば、「日本に留学するまえに、日本語を勉強しておきます。」は、

日本に留学するという目的があって、そのための準備をします。

 

例文

  • 日本へ行くまえに、スーツケースを買っておきます
  • 友だちが来るので、部屋をきれいにしておきます
  • 授業のまえに、予習しておきます
  • デートのまえに、レストランを予約しておきます
  • 旅行のまえに、ガイドブックを買っておきます
  • 旅行に行くので、お金をおろしておきます
  • 面接のまでに、髪を切っておきます
  • 映画が始まるまえに、トイレに行っておきます
  • パーティーまでに、料理を作っておきます
たのすけ
たのすけ
準備の意味が一番わかりやすく、例文も作りやすいです。「~まえに」「~までに」と一緒に使うことが多いです。

 

~ておく:措置

措置のポイントは、これからのための準備です。

準備の意味と混同しがちなのですが、準備はきちんとした目的がありますが、措置は、何か決まった目的があるわけではありません

 

例えば、「食事が終わったら、お皿を洗っておきます。」など、

次に明確な目的があるわけじゃありませんが、これからのためにしておきます

たのすけ
たのすけ
次回のため、未来のためにするときに使います。

 

例文

  • お皿を洗ったら、並べておいてください。
  • 辞書を使ったら、戻しておきます
  • 本を読んだら、棚に戻しておきます
  • ペンを借りたので、元のところに置いておきます
  • ハサミは引き出しの中に入れておいてください。
たのすけ
たのすけ
「~たら」と一緒に使うとわかりやすいです。人に指示を出す「~おいてください」の形もよく使います。

 

~ておく:放置

放置は、今の状態をそのままにすることです。(継続とも言われます)

 

例えば、「エアコンをつけておきます。」など、

何か特別な目的やこれからのために何かをするのではなく、今の状態をそのまま継続します

 

例文

  • 暑いので、窓を開けておきます
  • 今から勉強するので、テレビは消しておきます
  • コンビニに行ってすぐ帰ってくるので、エアコンをつけておきます
  • 後で使うので、そのままにしておいてください。
  • 勉強が終わったら食べるので、お菓子は机に置いておいてください。
たのすけ
たのすけ
人に指示を出す「~おいてください」の形もよく使います。

 

「~ておく」の3つのポイント

次に、「~ておく」の3つのポイントをご紹介します。

意志動詞につく

「~ておく」の意味を考えてもらうとわかりやすいと思います。

「~ておく」の基本的な意味は、「あとの起こることを予想して、前もって何かをする」でした。

なので、意志動詞にしか接続しません。意志動詞なので、自動詞・他動詞のどちらもOKです。

 

第三者のことには使えない

「~ておく」は、第三者のことには使えません

キムさんは授業のまえに、予習しておきます。×

 

第三者のことを言いたいときは、「~そうです」などの伝聞表現を使うといいです。

キムさんは授業のまえに、予習しておくそうです。〇

 

会話では、「~とく」に変わる

「~ておく」は、会話で使うときは「~とく」に変化することが多いです

  • 準備しておく→準備しとく
  • 置いておく→置いとく
  • 開けておく→開けとく
たのすけ
たのすけ
会話で「~とく」を聞いたことがある学習者も多いと思いますので、知っていると役立つ知識です。

 

【まとめ】「~ておく」は、例文で比べると違いがわかりやすい!

もう一度、「~ておく」の意味を紹介します。

  • 準備:目的のために必要な準備をする。(例)日本に留学するまえに、日本語を勉強しておきます
  • 措置:次に向けた準備をする。(例)食事が終わったら、お皿を洗っておきます
  • 放置:今の現状をそのままにする。(例)エアコンをつけておきます

 

「~ておく」は意味が似ている部分もあるのですが、以下のことをおさえておけばOKです。

  • 準備と措置の違いは、明確な目的があるかどうか。
  • 放置は、何か特別な目的やこれからのために何かをするのではなく、今の状態をそのまま継続すること。

 

言葉だけで意味や違いを説明するよりも、例文を使って説明した方がわかりやすいので、例文もセットで説明してくださいね。

 

以上、たのすけでした。

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