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「~ようと思っています」「~つもりです」は何が違う?|日本語文法の基礎知識

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学習者から「~ようと思っています」と「~つもりです」の違いについて聞かれて、困ったことはありませんか?

「~ようと思っています」と「~つもりです」の違いは、学習者から質問が多いところです。

文法書によっていろんなことが書かれているので、まとめました。

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

この記事では、以下のことがわかります。

  • 「~ようと思っています」と「~つもりです」の違い
  • 「~ようと思っています」の用法
  • 「~つもりです」の用法
  • 似ている表現に「~予定です」があるけど、どんな時に使うの?

 

学習者から質問が多いところなので、「~ようと思っています」「~つもりです」の違いや用法は把握しておきたいですね。

 

「~ようと思っています」「~つもりです」の違い

「~ようと思っています」「~つもりです」は、自分の意志を言う表現

それでは、例文をもとに違いを考えてみましょう。

意志の強さは、「~ようと思っています」より「~つもりです」の方が強い

「~ようと思っています」より「~つもりです」の方が意志が強いです。

大学を卒業したら、アメリカに留学しようと思っています

大学を卒業したら、アメリカに留学するつもりです

「絶対に留学したい!!絶対に留学する!」という強い気持ちがある場合は、「留学するつもりです」を使ったほうが強い決意を表現できます。

 

日常のこと述べるときは「~ようと思っています」を使う

「~つもりです」は、強い意志(決意)を表すので、日常のちょっとしたことには使えません。

日常のちょっとしたことを言いたいなら、「~ようと思っています」を使います。

〇 天気がいいので、洗濯しようと思っています

× 天気がいいので、洗濯するつもりです

たのすけ
たのすけ
強い意志(決意)があるなら別ですが、「~つもりです」は日常のちょっとしたことには使えないと覚えましょう。

 

動詞のナイ形に接続する場合は「~つもりです」を使う

「~ようと思っています」は動詞のナイ形に接続できません。

〇 明日からお菓子を食べないつもりです

× 明日からお菓子を食べないようと思っています

たのすけ
たのすけ
そもそも意向形に否定の形はありません。「~ようと思っています」の接続は辞書形のみなので、学習者への説明は最初の2つでいいのかなと思っています。

 

「~ようと思っています」の用法

接続

V意向形+と思っています

 

意味

話者の意志(将来の気持ちや希望)を述べる。

 

ポイント

話者の意志(将来の気持ちや希望)を表す

「~ようと思っています」は、話者の将来の気持ちや希望を表します。

大学に入ったら、経済を学ぼうと思っています

「経済を学びます」という言い方もありますが、これだと将来の希望というより、すでに決定していることを伝えるニュアンスです。

 

「~ます」よりも「~ようと思っています」の方が丁寧

「~ようと思っています」という言い方をした方が、「~ます」というより丁寧な印象になります。

理由は、自分の意志を「思う」を使うことでハッキリ伝えない言い方になるからです。

明日の飲み会は欠席します

明日の飲み会は欠席しよう思っています

上記の例文は、どちらが丁寧な印象でしょうか。きっと、下の「~と思っています」を使った方が丁寧な感じがしますよね。

たのすけ
たのすけ
日本で生活する上では、「~ようと思っています」を使うと丁寧な印象になることは学習者が知っておくと便利な知識かもしれません。

 

第三者の意志も表せる

「~ようと思っています」は、第三者の意志も表せます。

キムさんは来月国へ帰ろうと思っています

 

調べた文法書には載っていなかったのですが、後ほど紹介する「~つもりです」同様に、明確にわかっていない場合は、以下のように言ったほうが自然だと思います。

キムさんは来月国へ帰ろうと思っているようです

たのすけ
たのすけ
他には「~と言っています(いました)」「~らしいです」と一緒に使うと自然だと思います。

 

例文

  • 今晩はレストランで食事しようと思っています。
  • 日曜日は映画を見に行こうと思っています。
  • 夏休みになったら、北海道を旅行しようと思っています。
  • 今年は1カ月に1冊本を読もうと思っています。
  • 将来、田舎に住もうと思っています。
たのすけ
たのすけ
前から思っていた自分の希望を述べる例文がわかりやすいですね。

 

「~つもりです」の用法

接続

V辞書形/Vない形+つもりです

 

意味

話者の強い意志(決意)を述べる。(目的実現のために努力する)

 

ポイント

自分の強い意志(決意)を表す

「~つもりです」は、話者が以前から思っていた心の中の計画や予定を述べるときに使います。

つまり、自分の強い意志(決意)を述べるときに使います。

大学を卒業したら、アメリカへ留学に行くつもりです

将来、医者になるつもりです

 

日常のことには使えない

「~つもりです」は、自分の強い意志(決意)を述べる言い方なので、日常のことには使えません。

× スーパーへ卵を買い行くつもりです

たのすけ
たのすけ
スーパーへ卵を買いに行くのに、強い決意は必要ないですよね。

正しくは、「買いに行きます」や「買いに行こうと思っています」が自然です。

 

その場で決めたことには「~つもりです」は使えない

「~つもりです」は、その場で決めたことには使えません。

A:これから、カラオケに行きませんか?

B:いいですね。行くつもりです。×(正しくは「行きます」)

「~つもりです」は、自分の「心づもり」を言う表現なので、以前から思っていたときに使ういます。

なので、その場で決めたときには「行くつもりです」と言わずに、「行きます」を使ったほうが自然です。

心づもり(心積もり):あらかじめ心の中で考えておくこと。

 

現実的でない仮定には使えない

「~つもりです」は、現実的ではない「もし~」の仮定には使えません。

× もし100万円あったら、車を買うつもりです

正しくは、「もし100万円あったら、車を買いたいです」にするのが自然です。

 

目上の人に「~つもりですか」と質問するのは失礼

目上の人に「~つもりですか」と質問すると失礼になるので、気をつけましょう。

× 部長、明日は会社に何時に来るつもりですか

 

質問するなら、敬語表現を使ったほうがいいです。

〇 部長、明日は会社に何時にいらっしゃいますか。

 

第三者の意志も表せる

「~ようと思っています」と同様に、「~つもりです」も第三者の意志を表せます。

キムさんは来月国へ帰るつもりです

 

実際には、自分以外のことなので、明確にわかっていない場合は、以下のように言ったほうがいいです。

キムさんは来月国へ帰るつもりのようです

キムさんは来月国へ帰るつもりだと言っています

たのすけ
たのすけ
他にも「国へ帰るつもりらしいです」などの言い方をしてもいいですよね。

 

例文

  • 大学を卒業したら、働くつもりです。
  • 30歳までに結婚するつもりです。
  • 将来、医者になるつもりです。
  • 英語を勉強したいので、アメリカに留学するつもりです。
  • 健康に悪いので、たばこをやめるつもりです。
  • アルバイトが忙しいので、夏休みは、国へ帰らないつもりです。
たのすけ
たのすけ
自分の強い意志(決意)を述べるような例文がわかりやすいですね。

 

【補足】

否定の「~つもりです」の言い方

基本的に「~つもりです」は動詞のナイ形に接続しますが、「~つもりはありません」という形も取れます。

「~つもりです」の否定の言い方は2つあるので、補足として覚えておきましょう。

①今年の夏休みは、国へ帰らないつもりです

②今年の夏休みは、国へ帰るつもりはありません

①「帰らないつもりです」は、帰る可能性が少しあります。②「帰るつもりはありません」は全否定の表現で、帰る可能性がないことを表します。

たのすけ
たのすけ
初級の段階では学習者への説明はしなくてよく、教師が把握しておけばいいお思います。

 

「~つもりだった」にすると、意味が異なる

「~つもりだった」という形は、別の文法になります。

意味は、「~だと思っていたが、実際は…していなかった/そうではなかった」です。

友達にLINEをしたつもりだったが、送れていなかった。

 

【補足】「~予定です」の用法

「~ようと思っています」「~つもりです」と「~予定です」は未来の予定を述べる点では似ているので、「~予定です」の用法についても確認しておきましょう。

接続

V辞書形/Nの+予定です

 

意味

予定を述べる。

 

ポイント

計画や公的意味の日程を言うときに使う

「予定」は、事前に決めらた計画や公的意味の日程を述べるときに使います。

4月7日は入学式が行われる予定です

 

自分の意志を含まないときも使える

自分の意志とは関係ない場合や自分が決定していないときにも使えます。

来週、家族で温泉旅行に行く予定です

 

家族で温泉旅行に行くことは、家族が決めたことであって、自分が決めたかどうかは問題にしていません。

理由は、「~予定です」は自分の意志よりも、客観的に予定の事実を伝える言い方だからです。

たのすけ
たのすけ
「~予定です」は誰が決定したのかは問題にしないと覚えておきましょう。

 

例文

  • 今週の日曜日、友達と遊ぶ予定です。
  • 来週、学校のテストがある予定です。
  • 学校でお花見に行く予定です。
  • 4月10日に入学式の予定です。
  • 今日の午後は、美術館を見物の予定です。
たのすけ
たのすけ
カレンダーや手帳を用いて説明できる例文がわかりやすいですね。

 

【まとめ】

「~ようと思っています」と「~つもりです」の違いについて解説しました。

もう一度、まとめます。

  • 意志の強さは、「~ようと思っています」より「~つもりです」の方が強い。
  • 日常のことを述べるときは「~ようと思っています」を使う。
  • 「~ようと思っています」は、Vナイ形の接続はない。

「みんなの日本語」では、「~予定です」の文法も一緒に出てくるので、合わせて把握しておきたいですね。

 

以上、たのすけでした。

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日本語教師たのすけです。

恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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