できる日本語

【教案】できる日本語|初中級L15(ST2)

たのすけ
たのすけ
できる日本語の初中級L15(ST2)の教案です。L15(ST1)はこちらです。
教案の見方

N:名詞、V:動詞、イA:い形容詞、ナA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント

概要】できる日本語 初中級L15(ST2)

Can-do

Can-do
日々の生活の中で気になるニュースや事柄について、自分なりに疑問を持って調べ考えたことを周りの人に伝えて、やりとりすることができる。
ST2あるテーマについて調べた情報やそれについての自分の考えを発表することができる。

 

学習項目

学習項目
ST2Vてきました
~ために、~(原因)
Vていきます

 

【教案】できる日本語 初中級L15(ST2)

状況イラストの確認

  • 何をしているところですか。

 

【チャレンジ1】Vてきました

チャレンジの絵・導入

(上のイラストを指して)

T:パクさんは今から発表します。発表を始める前に、何と言ったらいいですか。
S:今から発表を始めます。
T:これは写真ですね。パクさんは何と言いますか。
S:写真を見てください。これはクマです。
T:クマはどこにいますか。
S:家の前です。

(下のイラストを指して)

T:それから?パクさんは?
S:新聞で見たんですが、10年前からクマが来るようになりました。
T:それはどうしてですか?
S:山の木が少なくなったからです。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:パクさんは「写真を見てください」と言いました。最近人の住んでいるところにクマが・・・どうしましたか?
S:出てくるようになりました。
T:そうですね。最近人が住んでいるところへクマが出てくるようになりました

(板書して、リピート)

最近人が住んでいるところへクマが出てくるようになりました。

T:「~てきます」は、もう勉強しました。覚えていますか?
S:買ってきます?
S:歩いていく?
T:そうです。「コンビニで飲み物を買ってきます」、この「~てきます」は、ある場所へ行って、また戻ってくるという意味でした。「歩いていきます」は、私の場所から向こうへ行くときに使いました。今日は違う意味を勉強します。

導入

T:このグラフを見てください。何のグラフだと思いますか?

世界の人口の推移グラフ
出典:国連

S:人口?
T:そうです。世界の人口の数です。前です。今です。人口がどんどん増えました。世界の人口の数がどんどん増えてきました

T:このグラフは、日本の子供の数です。

日本の子供の数の推移グラフ
出典:総務省統計局

T:子供の数は・・・
S:減りました。
T:そうです。日本は子供の数がだんだん減ってきました

(板書して、リピート)

  • 世界の人口の数がどんどん増えてきました
  • 日本の子供の数がだんだん減ってきました

★Vテ形+きます

T:この「~てきます」は、変化が私のところに来る意味があります。前は、世界の人口は少なかったです。でも、だんだん・・・増えます。今、増えました。増えてきました。

  • ここの「~てきます」は、物事や状況が話し手や聞き手の方に近づく意味。
  • 「できる日本語」初級L10(ST1)で、行って戻ってくるの意味の「~てきます」を既習。「できる日本語」初中級L10(ST2)で自分のいる場所に近づいてくる意味を既習。

練習

①別冊:言ってみよう P58(1)

 

【チャレンジ2】~ために、~(原因)

チャレンジの絵・導入

T:ワンさんが発表しています。ワンさんはどんな発表をしていると思いますか?
S:山の木が少なくなりました。クマの食べ物が少なくなってきたので、クマが家が人の住んでいるところへ出るようになりました。
T:いいですね。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:ワンさんは何と言っていましたか?
S:山の木が少なくなって、クマの食べる物が減ったために、クマが人の住んでいるところへ出てくるようになったそうです
T:そうですね。

(板書して、リピート)

山の木が少なくなって、クマの食べる物が減ったために、クマが人の住んでいるところへ出てくるようになったそうです。

T:次は、「ために」を勉強します。「ために」も、もう勉強しましたね。Sさん、覚えていますか?
S:はい、覚えています。
T:では、例文を教えてください。
S:日本の大学に入るために、日本語を勉強しています。
T:いいですね。前勉強した「ために」は目的でした。今日の意味は、原因・理由の意味です。「ので」と同じです。

導入

T:去年はとても寒かったです。寒いと、風邪を引く人はどうなりますか?
S:増えます。
T:そうです、風邪を引く人が増えます。去年はとても寒かったために、風邪を引いた人が多かったです

T:東京は交通が便利です。電車、地下鉄、バス、タクシー、、、いろいろあります。でも、田舎が交通が不便です。交通が不便なので、田舎に住んでいる人は何を持っていると思いますか?
S:車・・・?
T:そうです。田舎に住むなら、車が必要です。田舎は交通が不便なために、車が必要です

T:友達が1カ月学校を休んでいます。どうしてだと思いますか?
S:たぶん病気だと思います。
T:そうですね。友達は病気です。病気のために、1カ月学校を休んでいます

(板書して、リピート)

  • 去年はとても寒かったために、風邪を引く人が多かったです。
  • 田舎は交通が不便なために、車が必要です。
  • 病気のために、1カ月学校を休んでいます。

★ふつう形+ために、~ *ナA~だ→な、N~だ→の

T:「ために」は原因・理由言う時に使います。「ので」は話し言葉です。「ために」は、書き言葉です。ニュースや新聞、発表するときは、「ので」より「ために」を使ったほうがいいです。

  • ここの「ために」は原因・理由の意味。
  • 目的の意味は、「できる日本語」初中級L3(ST2)で既習。
  • 「ので」は話し言葉で、「ために」は書き言葉。「ために」の方がより丁寧な印象。

練習

①変換練習(例)

  • 太りました
  • 寝られませんでした
  • 危険です

②後件作文(例)

  • 携帯電話が壊れたために、________。
  • 観光客が多くなったために、________。

③別冊:言ってみよう P58(2)

④本冊:言ってみよう P208(1)(2)

 

【チャレンジ1】Vていきます

チャレンジの絵・導入

(上のイラストを指して)

T:ナタポンさんが発表しています。何と言っていると思いますか?
S:クマの食べ物が少ないために・・・これから、人の住んでいるところへ来るクマが増えます。

(下のイラストを指して)

T:ナタポンさんはクマが来ないように、何をすると言っていますか?
S:木を植えたり、必要ない木を切ったりします。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:今、クマの食べ物は少ないと言っていました。そのために、人の住んでいるところへ出てくるクマはどうなると言っていましたか?
S:これからも増えていくと言っていました。
T:そうです。ナタポンさんは「人の住んでいるところへ出てくるクマは、これからも増えていくと思います」と言っていました。

(板書して、リピート)

人の住んでいるところへ出てくるクマは、これからも増えていくと思います。

T:次は、「~ていきます」を勉強します。「~ていきます」はもう勉強しました。Sさん、どんな意味でしたか?
S:私のところから、遠くへ行きます。
T:そうです。例えば、「ボールが飛んでいきます」は、私のところからボールが向こうへ飛んで、行くという意味でしたね。ここでは違う意味を勉強します。ここの「~ていきます」は、今日勉強した「~てきます」と反対の意味です。

導入

T:このグラフを見てください。

世界の人口、日本の人口の推移グラフ
出典:朝日新聞デジタル

T:今は2022年です。今まで世界の人口は増えてきました。これからも、世界の人口は・・・
S:増えます。
T:そうです。これからも世界の人口は増えていきます
T:では、日本の人口は今まで減ってきましたね。これから、どうですか?
S:減って・・・いきます?
T:そうです。これからも日本の人口は減っていきます

(板書して、リピート)

  • これからも世界の人口は増えていきます
  • これからも日本の人口は減っていきます

T:この「~ていきます」は、変化が私のところから向こうへ行く意味があります。今まで世界の人口は増えてきました。2050年、2100年、これからも世界の人口は増えます。増えていきます。

練習

①QA練習(例)
*「~てくる」「~ていく」のどちらを使ってもよい。

  • 日本に留学に来る人の数は、どうなると思いますか?
  • 物の値段はどうなると思いますか?
  • 〇〇さんの国の子供の数は、どうなると思いますか?

②別冊:言ってみよう P59(3)

③本冊:言ってみよう P208(3)

 

やってみよう

①CDを聞いて、答える。

②P205で選んでニュースについて、ポスターを見て発表する。

 

以上、たのすけでした。

日本語教師向けのまとめ記事一覧

日本語教師のまとめ記事はこちら

日本語教師になりたい方向けのまとめ記事
授業のやり方や教え方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
【完全保存版】日本語授業のやり方や教え方がわかるまとめ記事
働き方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事

日本語教師たのすけです。

恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

詳しいプロフィールはこちら