できる日本語

【教案】できる日本語|初中級L10(ST2)

たのすけ
たのすけ
できる日本語の初中級L10(ST2)の教案です。L10(ST1)はこちらです。
教案の見方

N:名詞、V:動詞、イA:い形容詞、ナA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント

概要】できる日本語 初中級L10(ST2)

Can-do

Can-do
旅行先で予期できない状況や不利益な状況になったとき、その状況や問題点などを簡単に説明することができる。
ST2現在の自分の状況や目前のものなどについて簡単に説明することができる。

 

学習項目

学習項目
ST2Vるところです/Vているところです/Vたところです
Vてきます
Vていきます
AそうにV
~みたいです(比況)
受身(無生物主語)

 

【教案】できる日本語 初中級L10(ST2)

状況イラストの確認

  • ここはどこですか。
  • 今、何をしていると思いますか。
  • これから何が始まると思いますか。

 

【チャレンジ1】Vるところです/Vているところです/Vたところです

チャレンジの絵・導入

T:ワンさんとナタポンさんが話しています。ワンさんはナタポンさんに何を聞きましたか。
S:ペンギンショーは始まった?
T:ナタポンさんは何と言いましたか。
S:まだです。今からです。
T:いいですね。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:パクさんがナタポンさんに「ペンギンショー、始まった?」と聞きました。ナタポンさんは何と言いましたか。
S:ううん、今から始まるところだよ

(板書して、リピート)

今から始まるところだよ。

T:今日は「ところです」を勉強します。この「ところ」は場所じゃありません。

導入

T:絵を見てください。今から何をしますか。

ご飯を食べるところ

S:ご飯を食べます。
T:そうですね。「いただきます」と言いました。今からご飯を食べるところです。ご飯を食べる「すぐ前」です。

T:今、何をしていますか。

ご飯を食べている

S:ご飯を食べています。
T:そうです。今、ご飯を食べています。今、ご飯を食べているところです

T:もうご飯は食べましたか。

ご飯を食べたところ

S:はい、もうご飯を食べました。
T:今、ご飯を食べました。終わりました。「ごちそうさまでした」と言いました。今、ご飯を食べたところです。ご飯を食べた「すぐあと」です。

(板書して、リピート)

  • 今から、ご飯を食べるところです
  • 今、ご飯を食べているところです
  • 今、ご飯を食べたところです

★Vじしょ形/Vている形/Vタ形+ところです

T:動詞の辞書形のときは、「すぐ前」です。食べる「すぐ前」なので、「ご飯を食べるところです」と言いました。

T:動詞のている形のときは、「している」ときです。「~ているところです」を使うのは、説明するときです。例えば、今、ご飯を食べています。友達から電話が来ました。「これから、夜ご飯を食べに行かない?」でも、私は今、ご飯を食べています。そのときは「今、ご飯を食べているところだよ。ごめんね」と言います。説明するときは、「~ています」じゃなくて、「~ているところです」を使いましょう。

T:動詞のた形のときは、「すぐあと」です。食べた「すぐあと」なので、「ご飯を食べたところです」と言いました。

  • 「~ところです」の「ところ」は場所ではない。
  • 「~ところです」は、直前・最中・直後を強調するときに使う。
  • 「~ています」と「~ところです」は、状況によって使う場面が違う。説明するときや言い訳をするときは「~ところです」を使う。
  • 独り言では使わない。

練習

①絵カード練習

②別冊:言ってみよう P37(1)練習1・38(1)練習2・3

③本冊:言ってみよう P144(1)

 

【チャレンジ2】Vてきます

チャレンジの絵・導入

T:マルコさんとパクさんは何を見ていますか。
S:ペンギンです。
T:そうですね。マルコさんはペンギンを見て、何と言いましたか。
S:ペンギンが来ました。かわいいです。
T:では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:マルコさんは何と言いましたか。
S:あ、ペンギンが出てきた
T:そうですね。

(板書して、リピート)

ペンギンが出てきた

T:次は、チャレンジ3も聞きましょう。

「~てきます」と「~ていきます」は一緒に導入・説明をしたほうがわかりやすいので、一緒にする。

 

【チャレンジ3】Vていきます

チャレンジの絵・導入

(左のイラストを指して)

T:ナタポンさんがペンギンを見て、言いました。何と言いましたか。
S:ペンギンが階段を上っています。
T:ワンさんは?
S:ペンギンが歩いています。

(右のイラストを指して)

T:マルコさんとワンさんが話しています。どんな話をしていますか。
S1:ペンギンが泳いでいます。
S2:魚をもらっています。
T:いいですね。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:ナタポンさんはペンギンを見て、何と言いましたか。
S:ペンギンたちが階段をのぼっていくよ
T:いいですね。

(板書して、リピート)

ペンギンたちが階段をのぼっていくよ。

T:次は「~てきます」と「~ていきます」を勉強します。

導入

(教室の外に出て、ドアから教室に入る)

T:先生が教室に入ってきます

(教室からドアに向かって歩きながら)

T:先生が教室から出ていきます

(板書して、リピート)

  • 先生が教室に入ってきます
  • 先生が教室から出ていきます

★Vテ形+きます⇔Vテ形+いきます

T:「~てきます」は、私のところへ来るときに使います。「~ていきます」は、私のところから遠くへ行くときに使います。

「~てきます」と「~ていきます」

練習

①別冊:言ってみよう P38(2)・39(3)

②本冊:言ってみよう P144(2・3)

 

【チャレンジ4】AそうにV

チャレンジの絵・導入

T:パクさんが何か言っています。何と言っていますか。
S:先月、サルの赤ちゃんが生まれました。…と書いてあります。
T:そうですね。ワンさんとマルコさんは何を見ていますか。
S:サルの赤ちゃんです。
T:かわいいですね。サルの赤ちゃんは何をしていますか。
S:ミルクを飲んでいます。
T:いいですね。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:サルの赤ちゃんを見て、ワンさんは「かわいいね」と言いました。マルコさんは何と言いましたか。
S:おいしそうにミルクを飲んでいる。
T:はい、そうですね。

(板書して、リピート)

おいしそうにミルクを飲んでいる

T:次は「~そうに…」を勉強します。

導入

T:女の人を見てください。今何をしていますか。

おいしそうに食べるイラスト

S:ご飯を食べています。
T:そうです。ご飯を食べていますね。おいしい?おいしくない?どうですか。
S:おいしいです。
T:そうですね。女の人の顔を見て、「おいしそうです」と思いました。女の人はおいしそうにご飯を食べています。見て思うとき「おいしいそうです」を勉強しましたね。うしろに動詞を使うときは、「~そうに」になります。

T:男の人は何をしていますか。

心配そうに考えているイラスト

S:考えています。
T:そうですね。今、考えています。でも、今、どんな気持ちですか?
S:心配です。
T:そうですね。男の人の顔を見て、「心配そうです」と思いました。男の人は心配そうに考えています

(板書して、リピート)

  • 女の人はおいしそうに料理を食べています
  • 男の人は心配そうに考えています

★<イA>~い+そうに、V
★<ナA>~な+そうに、V

T:この「そうに」は、見て思うときに使う「そうです」と同じです。後ろに動詞が来るときは、「~そうに…」になります。

練習

①別冊:言ってみよう P39(4)

②本冊:言ってみよう P145(4)

 

【チャレンジ5】~みたいです(比況)

チャレンジの絵・導入

T:ナタポンさん、ワンさん、パクさん、マルコさんは博物館の近くを歩いています。ナタポンさんはワンさんに何を聞きましたか。
S:あれは何?
T:ワンさんは何と言いましたか。
S:あれは博物館です。
T:その後ナタポンさんは何と言いましたか。
S:ヨーロッパの建物です。
T:いいですね。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:ワンさんが「あれは博物館だよ」と言ったあと、ナタポンさんは何と言いましたか。
S:ヨーロッパの建物みたい
T:はい、いいですね。

(板書して、リピート)

ヨーロッパの建物みたい

T:今日の「~みたいです」は、昨日勉強した「~みたいです」とは意味が違います。今日の「~みたいです」は、本当は違います。でも、似ているので、そう思います。例えばです。

導入

T:この写真を見てください。ここはどこだと思いますか?

横浜中華街

S:中国です。
T:中国…じゃありません。ここは日本です。
S:あ、知っています。横浜です。
T:そうです。「横浜中華街」と言います。日本の横浜にあります。ここは中国じゃありません。でも、中国だと思いました。そのときに「中国みたいです」と言います。それから、中国に来たと思いますよね。そのときは「中国に来たみたいです」と言います。

  • 中国みたいです
  • 中国に来たみたいです

★ふつう形+みたいです
*ナA・N~だ→✕

練習

①絵カード練習

②別冊:言ってみよう P39(5)

 

【チャレンジ6】受身(無生物主語)

チャレンジの絵・導入

T:ナタポンがパクさんに聞きます。何を聞きましたか。
S:あの博物館はいつ建ちましたか。
T:パクさんは何と答えましたか。
S:110年前です。銀行…でした?
T:いいですね。では、CDを聞きましょう。

(CDを聞く)

T:ナタポンさんは「いつごろ建てられたの?」と聞きました。パクさんは何と答えましたか。
S:今から110年前に建てられたそうだよ
T:そうですね。

(板書して、リピート)

今から110年前に建てられたそうだよ。

T:「建てられた」は、何動詞ですか?
S:受身動詞です。
T:そうです。今日は、また受身の勉強をします。

導入

T:2021年に東京でオリンピックを行いました。次のオリンピックはいつですか?
S:2024年です。
T:どこで行いますか?
S:パリです。
T:そうですね。2024年にパリでオリンピックを行います。受身で言います。オリンピックは2024年にパリで行われます

T:ワインは何からつくりますか。
S:ぶどうです。
T:ワインはぶどうからつくられます

T:これは何ですか。

木で作られた家

S:家です。
T:そうです。家ですね。この家は何でつくりましたか。
S:木です。
T:そうです。この家は木でつくられました

  • オリンピックは2024年にパリで行われます
  • ワインはぶどうからつくられます
  • この家は木でつくられました

T:この受身は「誰がしましたか」は、なくていいです。この受身は人の「嫌だ」の気持ちはありません。

  • この受身は無生物主語の受身で、人の気持ちがない。
  • 「いつ」「どこで」が強調され、誰がしたのかは問題ではない。
  • 「から」「で」の違いは、「原料+から」「材料+で」

T:Sさん、電話は誰が発明したか、知っていますか?
S:はい、ベルです。
T:そうです。ベルは電話を発明しました。この文を受身にしてください。
S:電話はベルに発明されました。
T:半分、いいです。有名な人のときは、「に」じゃなくて「によって」を使います。電話はベルによって発明されました

(板書して、リピート)

電話はベルによって発明されました

  • 有名人の場合は「に」ではなく「によって」を使う。
  • この受身の文は使う動詞が決まっている。(例)発明します、発見します、書きます、描きます、建てますetc…

練習

①作文(例)

・_______食べられています。
・_______つくられました。
・___は___によって_____。

②別冊:言ってみよう P40(6)練習1・2

③本冊:言ってみよう P146(5)(6)

 

やってみよう

①CDを聞いて、答える。

②絵を見て、ペアで会話する。

 

 

以上、たのすけでした。

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日本語教師たのすけです。

恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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