N:名詞、V:動詞、イA:い形容詞、ナA:な形容詞
青枠:板書
赤枠:注意・ポイント
目次
【概要】できる日本語 初中級L3(ST2)
Can-do
Can-do | |
課 | 自分の目標や計画を話したり進路の参考のために周りの人から話を聞いたりすることができる。 |
ST2 | 自分の将来のことで興味があることについて、周りの人に話したり質問したりすることができる。 |
学習項目
学習項目 | |
ST2 | Vるために |
~んですか 〈疑問詞〉~んですか | |
Vなければなりません |
【教案】できる日本語初中級L3(ST2)
Can-doの確認
自分の将来のことで興味があることについて、周りの人に話したり質問したりすることができる。
状況イラストの確認
- ここはどこですか。
- パクさんは何をしていますか。
【チャレンジ1】Vるために
チャレンジの絵・導入
T:パクさんとダニエルさんが話しています。ダニエルさんはパクさんに聞きます。夢?
S:夢は何ですか。
T:パクさんは何と言いますか。
S:映画を作ることです。映画の勉強をしたいので、日本へ来ました。
T:下の絵は?
S:卒業したら、専門学校に入るつもりです。明日、説明会に行こうと思っています。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんの将来の夢は映画を作ることですね。パクさんは、どうして日本へ来たと言いましたか。
S:映画の勉強をするために、日本へ来ました。
映画の勉強をするために、日本へ来ました。
T:日本へ来ました。映画の勉強をしたいからです。でも、「ために」は強い気持ちがあります。「映画の勉強をしたい!」だから日本へ来ました。
導入
T:S1さんは、どうして日本へ来ましたか。
S1:日本語を勉強したいですから、日本へ来ました。
T:そうですか。日本語を勉強するために、日本へ来ました。この学校を卒業したら、進学しますか。
S1:はい、進学したいです。
T:そうですか。S1さんは進学したいですね。進学するために、何かしていますか。
S1:日本語を勉強しています。
T:進学するために、日本語を勉強しています。
(板書をして、リピート)
- 日本語を勉強するために、日本へ来ました。
- 進学するために、日本語を勉強しています。
★Vじしょ形+ために
T:「ために」の前は動詞の何形ですか。
S:辞書形です。
T:そうです。Nも大丈夫です。例えば、「進学するために」は「進学のために」になります。
T:S2さんは、アルバイトをしていますか。
S2:はい、しています。
T:アルバイトの給料はどうしますか。
S2:貯金します。
T:どうしてですか。
S2:旅行に行きたいですから。
T:S2さんは、旅行に行きたいです。それで、貯金をしています。「ために」を使って言います。旅行のために、貯金しています。もちろん「旅行するために」でも大丈夫です。
(板書をして、リピート)
- 進学のために、日本語を勉強しています。
- 旅行のために、貯金しています。
★Nのために
T:「ために」を使う時は強い気持ちがあると言いました。「ために」の前は絶対にやりたいことです。後ろは、それをしたいので、頑張ること、頑張っていることがきます。
- 「~ために」の意味は目的。(類似文型の「~ように」は初中級L9(ST1)で勉強する)
- 意志動詞を使う。
- 前件と後件の動作主は同じ人。
- 「人のために」は、「できる日本語」では取り扱わないので、注意。
練習
①作文練習(例)
- 日本の大学に入るために、__________。
- ________ために、貯金しています。
②別冊:言ってみよう P12(1)
③本冊:言ってみよう P50(1)
状況イラストの確認
- ここはどこですか。
【チャレンジ2-1】~んですか
チャレンジの絵・導入
T:この人はリンさんです。リンさんは映画の専門学校の学生です。パクさんがリンさんに何か聞きます。何を聞いていると思いますか。
S:撮影?リンさんが撮りましたか。
T:リンさんは何と言いますか。
S:はい、私が撮りました。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんはリンさんに何と聞きましたか。
S:この映画はリンさんが撮ったんですか。
この映画はリンさんがとったんですか。
T:「~んです」はN5で勉強しましたね。S1さん、覚えていますか。
S1:はい。「どうしたんですか」です。
T:そうです。N5では「どうしたんですか」「頭が痛いんです」この「~んです」を勉強しました。S2さん、どんな意味でしたか。
S2:いつもと違いますから、聞きます。それから、説明します。
T:そうです。「どうしたんですか」を使うときは、いつもと違うからです。いつも元気な友達が、今日は元気じゃなさそうです。その時に「どうしたんですか」と聞きました。友達は、自分のことを説明するときに、「~んです」を使って、「頭が痛いんです」と答えました。
T:今日勉強するのは違う意味です。リンさんが「授業で作った映画です」と言いました。それを聞いてパクさんはどう思いましたか。
S:その映画はリンさんが作ったと思いました。
T:パクさんはリンさんが作った映画だと思ったので、それを確認したいです。知りたいです。その気持ちがあるので「リンさんが撮ったんですか」と「~んですか」を使って聞きました。今日の「~んです」は見たり聞いたりして思ったことを、確認するときに使います。その時に気持ちは、「知りたい」「教えて」です。
導入
T:この絵を見てください。ここは学校です。先生はどんな話をしていると思いますか。
S:夏休みは8/1から8/31までです。
T:そうですね。夏休みがあります。先生は学生たちが旅行に行きますか。行きませんか。わかりません。そのときは、何と聞きますか。
S:夏休み、旅行に行きますか。
T:そうですね。これはもう勉強しました。次の絵を見てください。
T:女の人は何を持っていますか。
S:スーツケースです。
T:どうしてですか。
S:多分、今から旅行に行くと思います。
T:そうですね。女の人はスーツケースを持っているので、旅行に行くと思います。確認したいです。確認したいとき、知りたいときは「~んですか」を使います。どう言いますか。
S:旅行に行くんですか。
T:そうです。「~んですか」を使うと、旅行に行くと思うけど、それを確認したいから教えて!の気持ちがあります。
T:この絵を見てください。
T:男の人は何をしていますか。
S:勉強しています。
T:男の人の耳、、、顔も、、、勉強を頑張っていますね。みなさんは、この男の人はどうして勉強していると思いますか。
S1:明日、テストがあると思います。
S2:明日、N2の試験です。
T:では、確認してみましょう。S1さん、何と聞きますか。
S1:明日、テストがあるんですか。
T:S2さんは?
S2:明日、N2の試験なんですか。
(板書をして、リピート)
- 夏休み、旅行に行きますか。
- 旅行に行くんですか。
- 明日、テストがあるんですか。
- 明日、N2の試験なんですか。
★ふつう形+んですか *ナA・N~だ→な
T:「~んですか」の前は何形ですか。
S:普通形です。
T:スペシャルは?
S:な形容詞と名詞は、「だ」が「な」です。
T:「~んですか」は自分が見たり聞いたりして思ったことを、相手に確認するときに使います。その時、「知りたい!教えて!」の気持ちがあります。
- 「~んですか」は見たり聞いたりしたことを確認するときに使う。(できる日本語初級のL12では「どうしたんですか」「~んです(説明)」を既習)
- 「~んですか」を使う時と使わないときに違いが難しいので、丁寧に説明する。
練習
①変換練習(例)
T:作ります S:作るんですか
T:書きました S:書いたんですか
- 接続は普通形なので、すべての品詞で否定、過去、過去否定の練習をする。
②絵カード練習
③別冊:言ってみよう P12(2)-1
④本冊:言ってみよう P50(2)-1
【チャレンジ2-2】〈疑問詞〉~んですか
チャレンジの絵・導入
T:パクさんとリンさんが話しています。パクさんはリンさんに何と言いますか。
S:いつ日本へ来ましたか。
T:リンさんは?
S:去年の4月に来ました。それから、日本語学校で日本語を勉強しました。
T:下の絵は?
S:どうしてこの学校を選びましたか。
T:リンさんは何と言いますか。
S::体験授業が一番おもしろかったですから。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんはリンさんに「いつ日本へ来ましたか」聞きました。何と聞きましたか。
S:いつ日本へ来たんですか。
T:リンさんは何と言いましたか。
S:去年の4月に来て、日本語学校で1年勉強しました。
T:それから、パクさんはまた聞きます。どうしてこの学校…
S:どうしてこの学校を選んだんですか。
T:リンさんは何と言いましたか。
S:この学校の体験授業がいちばんおもしろかったんです。
(板書をして、リピート)
Q:いつ日本へ来たんですか。
A:去年の4月に来て、日本語学校で1年勉強しました。
Q:どうしてこの学校をえらんだんですか。
A:この学校の体験授業が一番おもしろかったんです。
★Q:〈ぎもんし〉~んですか。 A:~です。
★Q:どうして~んですか。 A:~んです。
T:「~んですか」を使う時はどんなときですか。
S:確認するときです。
T:どんな気持ちですか。
S:知りたいです。教えてください。
T:この「~んですか」は疑問詞と一緒に使っています。S1さん、疑問詞は何ですか。
S1:何、どこ、誰、いつ、どうして…です。
T:そうですね。疑問詞を使う時は、わからないから知りたいときです。ですから、疑問詞と「~んですか」は一緒に使うことが多いです。答えるときは「~んです」を使いません。「~んです」を使うのは説明するときですから。
導入
T:この絵を見てください。
T:友達が新しい髪になりました。とてもかっこいいです。どこで切りましたか。知りたいです。何と聞きますか。
S:どこで切ったんですか。
T:男の人は言います。あおぞら美容室で切りました。
T:この絵を見てください。
T:男の人はどうですか。
S:顔がすごいです。疲れています。
T:疲れていますね。どうして疲れていますか。知りたいです。何と聞きますか。
S:どうして疲れているんですか。
T:男の人は言います。昨日、寝られなかったんです。
(板書をして、リピート)
Q:どこで切ったんですか。
A:青空美容室で切りました。
Q:どうしてつかれているんですか。
A:昨日、ねられなかったんです。
T:「どうして~んですか」はいつも「~んです」とセットです。
- 「〈疑問詞〉~んですか」と聞かれたときの答えは「~です」。事実を答えるときは「~んです」は使わない。
- 「どうして~んですか」の質問には「~んです」で答える。
練習
①絵カード練習
②別冊:言ってみよう P13(2)-2練習1・2
③本冊:言ってみよう P50(2)-2
【チャレンジ3】Vなければなりません
状況イラストの確認
- ここはどこですか。
チャレンジの絵・導入
T:パクさんとダニエルさんが話しています。ダニエルさんはパクさんに何を聞いていますか。
S:説明会はどうでしたか。
T:パクさんは何と言いますか。
S:よかったです。リンさんと話しました。
T:下の絵のダニエルさんは何と言いますか。
S:これは何ですか。
T:パクさんは何と言いますか。
S:作文です。入学試験で作文があります。
T:では、CDを聞きましょう。
(CDを聞く)
T:パクさんは作文について、どう言いましたか。
S:入学試験で作文があるので、書く練習をたくさんしなければならないんです。
書く練習をたくさんしなければならないんです。
T:この「~んです」は説明するときの「~んです」です。
S1さん、N5で「~なければなりません」を勉強しましたね。どんな意味でしたか。
S1:ルールです。
T:例文は?
S1:車に乗るとき、シートベルトをしなければなりません。
T:そうですね。N5で勉強した意味は会社・国などのみんなのルールです。今日勉強する意味は、自分のルールです。「書く練習をしなければならない」はみんなのルールじゃなくて、パクさんが決めた自分のこと、自分のルールですね。
導入
T:明日はテストがありますね。S2さん、今日は勉強するんですか。
S2:はい、勉強します。テストでいい点を取りたいですから、たくさん勉強します。
T:「~なければなりません」を使って言ってください。
S2:今日はたくさん勉強しなければなりません。
T:S3さんは、毎朝何時に家を出ますか。
S3:8時半です。
T:そうですか。では、毎朝何時に起きなければなりませんか。
S3:毎朝、7時半に起きなければなりません。
- 今日はたくさん勉強しなければなりません。
- 毎朝、7時半に起きなければなりません。
★Vナイ形~ない+ければなりません
T:「なければなりません」は動詞のない形の「な」がありません。
- 「~なければなりません」は個人のルール(義務)。(社会のルール(義務)は初級L14で既習済み)
練習
①QA練習(例)
- 日本語が上手になるために、毎日何をしなければなりませんか。
②別冊:言ってみよう P13(3)
③本冊:言ってみよう P51(3)
やってみよう
①CDを聞いて答える。
②絵を見てペアで会話を作る。
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以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。