日本語の教案

「は」と「が」の違いを7つのポイントで解説|日本語文法の基礎知識

学習者から、「は」と「が」はどう違いますか?

こんな質問をされて困ったことはありませんか?

 

日本人なら「は」と「が」を自然に使い分けていますが、それを学習者に説明するのは難しいですよね。

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

今回は「は」と「が」の違いを7つのポイントに分けて解説していきます。

もっと細かく違いはあると思いますが、日本語教師として、まずはここだけ知っておきたい「は」と「が」の違いを7つ紹介します。

 

「は」と「が」の違いを7つのポイントで解説

それでは、「は」と「が」の違いについて、日本語教師が知っておきたいことを7つ紹介します。

1.どこを伝えたいのかで「は」と「が」を使い分ける

この2つの文を読んで、ニュアンスが違うのはわかりますか?

田中さん休みました。

田中さん休みました。

 

「は」を使うときは、「は」の後ろが伝えたいことです。田中さんが「休んだ」ことを伝えたいです。

「が」を使うときは、「が」の前が伝えたいことです。休んだ人が「田中さん」であることを伝えたいです。

「は」と「が」の区別:どこが伝えたいことか

 

どこを強調したいのかで「は」と「が」を使い分けます。

たのすけ
たのすけ
どこが伝えたいかで使い分けるという説明は、学習者も納得してくれることが多いです。

 

2.疑問詞のときは、疑問詞の位置によって「は」と「が」を使い分ける

次の2つの疑問文では、どうして「は」と「が」を使い分けているのでしょうか?

これですか。

食べ物で好きですか。

 

疑問詞を使うときは、疑問詞が伝えたいことなので、

疑問詞の位置が後ろなら「は」を使い、疑問詞の位置が前なら、「が」を使います。

たのすけ
たのすけ
1のどこを伝えたいのかで「は」と「が」を区別する考え方と同じです。

 

3.主題(トピック)を表すときは「は」を使う

まずは、主題(トピック)について説明します。

主題(トピック)とは、話し手と聞き手の両方が知っている話題のことです。

 

例えば、

A:「子供泣いているよ」

B:「本当だ。どうしたのかな?」

A:「子供お母さんを探しているみたいだね」

 

最初はAとBにとって子供が共通の話題(トピック)ではないので「が」を使いましたが、

2回目のAの発言のときは、子供がAとBともに知っている話題(トピック)になっています。

 

このように、共通の話題である主題(トピック)のときは「は」を使います。

たのすけ
たのすけ
学習者によっては、主題(トピック)が何かわからない学習者もいるので、例のような会話例で説明するとわかりやすいです。

 

4.否定したい部分をはっきり言いたいときは「は」を使う

私は弟いません。

私は野菜好きじゃありません。

 

日本語文法で学習するのは、「(兄弟)がいます」「Nが好きです」という言い方です。

本来なら、

私は弟いません。

私は野菜好きじゃありません。

となるはずですが、はっきりと否定したいときは「は」を使うことが多いです。

たのすけ
たのすけ
いつもじゃありませんが、否定文のときは「は」を使うことが多いです。

 

5.対比するときは「は」を使う

日曜日忙しかったですが、月曜日暇でした。

英語話せますが、フランス語話せません。

上の文では「日曜日」と「月曜日」、下の文では「英語」と「フランス語」を比べています。

このように、対比するときは「は」を使います。

たのすけ
たのすけ
対比の「は」で混乱する学習者はあまりいません。

 

6.目や耳に入ってくること、気づいたこと(発見)を言うときは「が」を使う

降っています。(目からの情報)

子供の声聞こえます。(耳からの情報)

財布落ちています。(気づいたこと)

 

目や耳などから入ってくる情報を描写するときや、気づいたこと(発見)を言うときは「が」を使います。

たのすけ
たのすけ
「見えます」「聞こえます」の助詞が「が」であることを思い出せば、納得ですよね。

 

7.複文のとき、主節の主語は「は」、従属節の主語は「が」を使う

これ撮った写真です。

友達くれたケーキを食べました。

名詞修飾文の中にある主語は「が」になります。

たのすけ
たのすけ
名詞修飾を勉強したばかりのときは、間違えやすい学習者が多いです。

 

【まとめ】「は」と「が」の違いは、まずは7つのポイントを覚えよう!

日本語教師といえども、「は」と「が」の違いについては上手く説明するのは難しいですよね。

もう一度まとめます。

  1. どこを伝えたいのかで「は」と「が」を使い分ける
  2. 疑問詞のときは、疑問詞の位置によって「は」と「が」を使い分ける
  3. 主題(トピック)を表すときは「は」を使う
  4. 否定したい部分をはっきり言いたいときは「は」を使う
  5. 対比するときは「は」を使う
  6. 目や耳に入ってくること、気づいたこと(発見)を言うときは「が」を使う
  7. 複文のとき、主節の主語は「は」、従属節の主語は「が」を使う

 

まずは、今回紹介した7つのポイントを押さえましょう。

学習者が「は」と「が」の間違えをしたら、7つのどれに当てはまるかを考えてみましょう。

たのすけ
たのすけ
特に①の「どこを伝えたいのかで使い分ける」ことは頭に入れておきたいですね。

 

でも、「は」と「が」を間違えたところでコミュニケーション上で何も問題はありません

だから、間違えるのが怖くて話せない…と思うのではなく、「間違っても意味は通じるし、何も問題ないよ!」ということを学習者には伝えていきたいですね。

 

教えるには事前の準備が必要ですよね。

そうはいっても、授業に必要な準備って何だろう・・・?そんな疑問があると思います・・・!

こちらに、授業に必要な準備をギュッと7日間にまとめました。

 

以上、たのすけでした。

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恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。

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