時を表す言葉の後ろに助詞「に」があるとき、「に」がないときとありますよね。
例えば、
明日、東京へ遊びに行きます。
には明日の後ろに「に」がないですが、
10月1日に東京へ遊びに行きます。
だと、10月1日の後ろに「に」があります。
さて、どうやって「に」のある・なしを判断したらいいのでしょうか?
この記事では、時を表す言葉の後ろに、どんなとき「に」があって、どんなとき「に」がないのか3つのパターンと、「に」があるとき、ないときのルールを紹介しています。
「何となく使い分けていたけれど、学習者に聞かれたら説明できないかも・・・」
というのなら、ぜひこの記事を読んでみてください。
目次
時を表す言葉とは
まずは、時を表す言葉が何かを明確にしておきますね。
時と表す言葉とは、
〇時〇分、〇月〇日、〇年、〇曜日、毎〇、朝、昼、晩、午前、午後、昨日、今日、今週、来週、来年、夏休み、春休み、夏、冬・・・
などです。
時を表す言葉につく助詞「に」の『ある』『なし』は3パターン
時を表す言葉の後ろに「に」がつくかどうかは、3つのパターンに分けられます。
①「に」が必要なとき
②「に」が不要なとき
③「に」が必要かどうかは場合による
では、それぞれどんなときか詳しく見ていきましょう。
①「に」が不要なとき
時間(〇時、〇分)、日付(〇月、〇日、〇年)など。
- 8時に起きます。
- 4月3日に日本へ来ました。
- 3月に日本語学校を卒業します。
- 2024年にパリでオリンピックが開かれます。
②「に」が不要のとき
先週、昨日、今朝、明日、今月、来月、今年、今、毎~など。
- 昨日、漢字のテストがありました。
- 先週、東京へ遊びに行きました。
- 来年、日本語学校を卒業します。
- 毎日、9時から12時まで勉強します。
- 今、10時14分です。
③「に」が必要かどうかは場合による
〇曜日、朝、昼、晩、夜、春、夏、夏休み、午前、午後・・・など。
- 日曜日、東京へ遊びに行きました。
- 疲れたから、宿題は夜にやります。
- 夏休みに北海道へ旅行するつもりです。
- 午後、図書館へ行きます。
助詞「に」のあるなしルールは?
どうやって、時を表す言葉に助詞「に」が必要かどうか判断すればいいのでしょうか?
いくつかルールがあるので、それを紹介します。
絶対変わらない時間には「に」をつける
時間や日付(〇月〇日)は、いつでも変わらない時間であると言えます。
例えば、10月1日は今日から考えても、明日から考えても、来週から考えても、10月1日は変わらない時間です。
このように、いつを基準にしても絶対変わらない時間を表す言葉(絶対的時間名詞)には「に」が必要になります。
他の考えとしては、「に」には時点を特定する働きがあるので、
時間や日付は「〇時」「〇日」というふうに、絶対に変わらない時を特定するので、「に」をつけると考えることもできます。
今を基準に考える言葉には「に」が不要
先ほどの時間や日付(絶対的時間名詞)と違って、今朝、昨日、今週などは、今を基準に考えます。
例えば、10月3日の昨日ならば10月2日ですが、10月4日の昨日だと10月3日になります。
今を基準と考えたときの昨日なので、昨日という言葉は変わらなくても、中身は変わりますよね。
このように、今を基準に考える言葉には「に」が不要になります。
他の考え方として、「に」をつけるときは、「〇時」「〇日」と特定するときだとお伝えしました。
逆を言うと、「に」をつけないのは、特定しないときで、時間に一定の幅があるときです。
下の図を見てもらうとわかるのですが、昨日、今日、明日は一定の幅がありますよね。
つまり、時間に幅があり、時点の特定できません。
「に」が必要かどうか場合によるときは、どう判断すればいい?
「に」が必要なとき、不要のときはいいですが、困るのは③の「場合による」ときだと思います。
では、どうやって「に」のあるなしを判断すればいいのでしょうか?
ポイントは2つあります。
今を基準に考える言葉(相対的時間名詞)は「に」が不要
「に」が不要なときは、②の先週、昨日、今朝、明日、今月、来月、今年、今、毎~などの言葉でした。
つまり、今を基準に考える言葉(相対的時間名詞)ですね。
③の場合による言葉は、②の今を基準に考える言葉と一緒に使うときは、「に」が必要ありません。
- 昨日の夜、21時から23時まで日本語を勉強しました。
- 明日の午後、図書館へ行きます。
- 今年の夏休み、北海道へ旅行に行こうと思っています。
- 毎朝、6時に起きます。
時点を強調したいときは「に」をつける
今を基準に考える言葉と一緒に使うときは、「に」が不要だとお伝えしました。
ですが、例外があって、時間を強調したいときは「に」をつけるといいと思います。
①今年の夏休み、北海道へ旅行に行こうと思っています。
②今年の夏休に、北海道へ旅行に行こうと思っています。
「に」をつけると、いつ行くのかが強調されます。
他の例も紹介しますね。
A:いつ旅行から帰ってきたんですか?
B:①日曜日、帰って来ました。 ②日曜日に帰って来ました。
A:宿題やったの?
B:①朝やるよ! ②朝にやるよ!
どちらも「に」があってもなくてもいいと思いますが、②の「に」があった方が、その時を強調している気がしませんか?
理由は、「に」をつけると時点を特定できるからだと思います。
ですので、その時を強調したいときは「に」があるといいです。
学習者にはどうやって説明する?
学習者には、シンプルに最低限のことを伝えるといいと思います。
数字には「に」をつける。
- 8時に起きます。
- 4月3日に日本へ来ました。
- 3月に日本語学校を卒業します。
- 2024年にパリでオリンピックが開かれます。
昨日、今日、明日、先〇、今〇、来〇、毎〇には「に」をつけない。
- 昨日、漢字のテストがありました。
- 先週、東京へ遊びに行きました。
- 来年、日本語学校を卒業します。
- 毎日、9時から12時まで勉強します。
【まとめ】ポイントを押さえよう!
時を表す言葉に助詞「に」があるとき、ないとき、場合によるときの3つのパターンと「に」のあるなしのルールを紹介しました。
もう一度ポイントをまとめます。
- 「に」が必要なとき:時間、〇月、〇日、〇年など数字のとき。
- 「に」が不要のとき:〇曜日、朝、昼、晩、夜、春、夏、夏休み、午前、午後・・・など。今を基準にしたときに変わる言葉のとき。
- 「に」が必要かどうか場合による:〇曜日、朝、昼、晩、夜、春、夏、夏休み、午前、午後・・・など。
- 今を基準としたときに変わる言葉と一緒に使うときは「に」が不要だが、時点を強調したいときは「に」をつける。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。