N3(文法分析)

「~まま」と「~て/~っぱなし/~ながら」の違い|例文で考えよう!

先日、学習者から「~まま」と「~て、」の違いについて質問されました。

「~まま」は学習者から、意味が似ている文型との違いについて、よく質問がある文型です。

 

たのすけ
たのすけ
この記事を書いているのは、日本語教師のたのすけ(@t_tanosuke)です。以前は日本語学校で専任講師をしていましたが、現在はオンライン日本語教師として働いています。

 

この記事では、学習者から「~まま」との違いについて質問が出やすい文型との違いをまとめました。

よく聞かれるのは、以下の3つとの違いです。

  • ~て、(付帯状況)
  • ~っぱなし
  • ~ながら(同時進行)

 

学習者から聞かれたときに答えられるように、ポイントを押さえておきましょう。

 

「~まま」と「~て、…/~っぱなし/~ながら」の違い

「~まま」と「~て、」の違い

「~まま」と「~て、」は、現在の状態が異なります。

  1. 靴を脱いだまま、入ってください。
  2. 靴を脱い、入ってください。

①は、現在靴を脱いだ状態です。②は、現在靴を履いた状態です。今靴を履いているので、これから「靴を脱ぐ→入る」です。

 

例えば、玄関に写真のようにお客様が立っていたとします。

①と②のどちらの文を言うのがいいでしょうか?

靴を履いている人

正解は②です。このときは、①の「靴を脱いだまま、入ってください」は言いません。なぜなら、今現在、靴を履いている状態だからです。

②の「靴を脱いで、入ってください」と言うのがいいです。

 

「~まま」と「~っぱなし」の違い

「~まま」と「~っぱなし」は、注目する視点が異なります。

  1. 娘は部屋のエアコンをつけたまま、出かけてしまった。
  2. 娘は部屋のエアコンをつけっぱなしで、出かけてしまった。

①は、エアコンをつけた状態で出かたことを表します。

②は、エアコンをつけた状態で出かけたことに対して、不満やあきれた気持ちを表します。

 

「~まま」は今の状態が続くことに注目し、「~っぱなし」は続いている行為に対して、本来するべきことをしないで、話者の不満やあきれた気持ちがあることに注目しています。

 

次の例文を見てください。

息子はいつも服を脱いだままだ。

息子はいつも服を脱ぎっぱなしだ。

どちらの文も日本語としては、正解です。しかし、「どうして脱いだ服をそのままにするの!?」と、不満の気持ちを表すなら、「~っぱなし」を使ったほうがいいです。

 

「~まま」と「~ながら」の違い

  1. 電気をつけたまま、寝てしまった。
  2. 電気をつけながら、寝てしまった。×

①は電気をつけた状態で寝ることを意味します。

②の「ながら」の文は非文です。理由は、「~ながら」は同時進行の意味なので、「電気をつける」ことと「寝る」ことは同時にできないからです。

 

「~ながら」には逆説の意味もあります。詳しくはこちら≫~ながら(も)

 

「~まま」と「~て、/~っぱなし/~ながら」の違いがわかる例文

下記の例文では、「~まま」しか使えません。

アメリカでは、靴を(〇履いたまま ×履い ×履きっぱなしで ×履きながら)、家の中に入ります。

今現在外にいると仮定すると、すでに靴を履いているので、「靴を履いて」は変です。

アメリカでは家の中でも靴を履いているので、不満な気持ちはないので、「靴を履きっぱなし」は言えません。

「靴を履きながら」家の中に入るのも不自然です。(「ながら」は例外を除いて瞬間動詞には接続しにくいです)

瞬間動詞:立つ、座る、(電気を)つける、(電気を)消す、死ぬ etc…

 

【まとめ】違いがわかる例文を準備しておこう!

「~まま」と「~て、」「~っぱなし」「~ながら」の違いを例文で紹介しました。

もう一度、それぞれの特徴をまとめます。

AままB:Aの状態を変えないでBする。

Aて、B:Aをして、その状態でBする。

AっぱなしB:Aの状態が続いていることを表す。話者の不満やあきれた気持ちを表す。

AながらB:AとBを同時進行でする。

★アメリカでは、靴を(〇履いたまま ×履いて ×履きっぱなしで ×履きながら)、家の中に入ります。

たのすけ
たのすけ
学習者から質問されたときに、違いがわかるような例文を準備しておくといいですね。

 

以上、たのすけでした。

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