先日、学習者から「~まま」と「~て、」の違いについて質問されました。
「~まま」は学習者から、意味が似ている文型との違いについて、よく質問がある文型です。
この記事では、学習者から「~まま」との違いについて質問が出やすい文型との違いをまとめました。
よく聞かれるのは、以下の3つとの違いです。
学習者から聞かれたときに答えられるように、ポイントを押さえておきましょう。
目次
「~まま」と「~て、…/~っぱなし/~ながら」の違い
「~まま」と「~て、」の違い
「~まま」と「~て、」は、現在の状態が異なります。
- 靴を脱いだまま、入ってください。
- 靴を脱いで、入ってください。
①は、現在靴を脱いだ状態です。②は、現在靴を履いた状態です。今靴を履いているので、これから「靴を脱ぐ→入る」です。
例えば、玄関に写真のようにお客様が立っていたとします。
①と②のどちらの文を言うのがいいでしょうか?
正解は②です。このときは、①の「靴を脱いだまま、入ってください」は言いません。なぜなら、今現在、靴を履いている状態だからです。
②の「靴を脱いで、入ってください」と言うのがいいです。
「~まま」と「~っぱなし」の違い
「~まま」と「~っぱなし」は、注目する視点が異なります。
- 娘は部屋のエアコンをつけたまま、出かけてしまった。
- 娘は部屋のエアコンをつけっぱなしで、出かけてしまった。
①は、エアコンをつけた状態で出かたことを表します。
②は、エアコンをつけた状態で出かけたことに対して、不満やあきれた気持ちを表します。
「~まま」は今の状態が続くことに注目し、「~っぱなし」は続いている行為に対して、本来するべきことをしないで、話者の不満やあきれた気持ちがあることに注目しています。
次の例文を見てください。
息子はいつも服を脱いだままだ。
息子はいつも服を脱ぎっぱなしだ。
どちらの文も日本語としては、正解です。しかし、「どうして脱いだ服をそのままにするの!?」と、不満の気持ちを表すなら、「~っぱなし」を使ったほうがいいです。
「~まま」と「~ながら」の違い
- 電気をつけたまま、寝てしまった。
- 電気をつけながら、寝てしまった。×
①は電気をつけた状態で寝ることを意味します。
②の「ながら」の文は非文です。理由は、「~ながら」は同時進行の意味なので、「電気をつける」ことと「寝る」ことは同時にできないからです。
「~ながら」には逆説の意味もあります。詳しくはこちら≫~ながら(も)
「~まま」と「~て、/~っぱなし/~ながら」の違いがわかる例文
下記の例文では、「~まま」しか使えません。
アメリカでは、靴を(〇履いたまま ×履いて ×履きっぱなしで ×履きながら)、家の中に入ります。
今現在外にいると仮定すると、すでに靴を履いているので、「靴を履いて」は変です。
アメリカでは家の中でも靴を履いているので、不満な気持ちはないので、「靴を履きっぱなし」は言えません。
「靴を履きながら」家の中に入るのも不自然です。(「ながら」は例外を除いて瞬間動詞には接続しにくいです)
瞬間動詞:立つ、座る、(電気を)つける、(電気を)消す、死ぬ etc…
【まとめ】違いがわかる例文を準備しておこう!
「~まま」と「~て、」「~っぱなし」「~ながら」の違いを例文で紹介しました。
もう一度、それぞれの特徴をまとめます。
AままB:Aの状態を変えないでBする。
Aて、B:Aをして、その状態でBする。
AっぱなしB:Aの状態が続いていることを表す。話者の不満やあきれた気持ちを表す。
AながらB:AとBを同時進行でする。
★アメリカでは、靴を(〇履いたまま ×履いて ×履きっぱなしで ×履きながら)、家の中に入ります。
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。