まず、下記の例文をご覧ください。
昼とご飯を食べたら、出かけます。
昼ご飯を食べてから、出かけます。
学習者から「先生、この文は何が違いますか?」と質問されたら、どう答えますか?
確定条件の「たら」と「てから」は、違いはあるのでしょうか。
意味の似ている文法は、学習者から、その違いについて質問されることが多いですよね。
今回は、「てから」と確定条件「たら」の違いについて考えてみたいと思います。
目次
確定条件「たら」と「てから」の違い|3つのポイントを紹介します
「てから」の方が、前後関係がはっきりしている
冒頭の例文に戻ると、どちらも正しい文です。
〇 昼ご飯を食べてから、出かけます。
〇 昼とご飯を食べたら、出かけます。
じゃあ違いはというと、「てから」は、「前件が起こって、はじめて、後件が起こる」という、前件と後件の前後関係がはっきりしていることを表すときに使います。
ですので、上記の2つの例文は、ニュアンスが異なります。
「てから」の方が、昼ご飯を食べないと出かけないよ、というニュアンスを伝えることができます。
過去形のときは「たら」は使えない
〇 学校が終わってから、映画を見に行きました。
× 学校が終わったら、映画を見に行きました。
確定条件の「たら」は、これからのことを表すので、話者の意志がある過去のことには使えません。
過去の場合、前件→後件の順序を表す、「てから」を使います。
前件がきっかけとして後件が起こる場合は、「たら」の方が自然
△ ご飯を食べてから、お皿を洗っておいてください。
〇 ご飯を食べたら、お皿を洗っておいてください。
ご飯を食べる→お皿を洗う、という前後関係をはっきりさせたい場合は「てから」を使っても間違いではないですが、
ご飯を食べ終わることがきっかけとして、お皿を洗っておくので、「たら」の方が自然になります。
「たら」を使うことで、ご飯を食べ終わる→じゃあ、お皿を洗っておいてね、というニュアンスになります。
【まとめ】違いを説明するときは、違う点に注目しよう!
「てから」と確定条件「たら」の違いについて紹介しました。
もう一度まとめます。
- 前後関係をはっきりさせたいときは「てから」を使う。
- 過去形のときは「たら」は使えない。(例)学校が(〇終わってから ×終わったら)、映画を見に行きました。
- 前件がきっかけとして後件が起こる場合は、「たら」の方が自然。(例)ご飯を(△食べてから 〇食べたら)、お皿を洗っておいてください。
学習者から「『昼ご飯を食べてから、出かけます』と『昼ご飯を食べたら、出かけます』は置き換えOKですか?」など、例文が置き換えできるかどうか聞かれたら、OKという回答でいいと思います。
じゃあ、「『てから』と『たら』の違いは何ですか?」と聞かれたら、違う点について回答しましょう!
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。