「どうしたら学生の日本語力が伸びるんだろう…」
「効果的に日本語を学習する方法はないかな?」
日本語教師に方!こんな悩みをお持ちではないですか?
この記事は、『外国語学習の科学-第二言語習得論とは何か』の中から、効果的な外国語学習法について書かれた部分を参考に、効果的な外国語の学習方法を7つ紹介しています。
▼本はこちら

外国語の学習方法は、どの言語も共通していることだと思います。
この本で紹介された外国語の学習方法を日本語学習に置き換えて、どうやって日本語を学習したらいいのか、私なりのポイントを書いています。
「効果的な外国語の学習方法について知りたい」と思うなら、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。
目次
効果的な外国語の学習方法7選
効果的な外国語の学習方法を7つ紹介します。
- 分野を絞ってインプットする。
- 例文を暗記する。
- 毎日アウトプットする。
- 文脈で覚える。
- 単語・発音をまねる。
- 動機づけを高める。
では、詳しく解説していきます。
分野をしぼってインプットする

外国語を勉強するとき、学習する教材は何でもいいというわけではありません。
効果的に学習するなら、教材は、自分の専門分野や興味があってよく知っている内容の教材を選びましょう。
理由は、インプット(聞くこと・読むこと)は、理解するときに背景知識が必要になるからです。母語でも内容を理解できないような教材を使うのは、無駄です。
自分の専門分野や興味のある内容なら、単語の知識がないところは推測ができるし、推測することで知らなかった単語を習得することができます。
それから、学習が長続きするという点でも、自分の専門分野や興味のある内容の教材を選んだほうがいいです。
母語でも興味のない内容を勉強するのは嫌ですよね。それが外国語なら、それだけでその言葉が嫌いになってしまいます。
まずは分野をしぼって基礎的部分を身につけて、その後で、違う分野の背景知識や単語を覚えるのが効果的です。
例文を暗記する

ある研究で、日常的に使われる言葉のかなりの部分は、決まり文句で構成されているという研究結果があります。
ネイティブらしい自然な表現を身につけるために、よく使う表現や例文、会話などを暗記することが効果的です。
特に、母語と学習している言語の距離が遠いほど、例文を暗記するのは効果的だと言われています。
実際に、ネイティブがよく使うフレーズをポロっというだけで、「あれ?話せるのかな?」と相手に印象づけることもできるし、暗記したフレーズを言うだけなので、自分で文を考えて組み立てるよりも簡単です。
フレーズで覚えるなら、この本がおすすめです。
毎日アウトプットをする

アウトプット(話すこと・書くこと)は、少しでもいいので毎日しましょう。
語学はインプットだけでは、なかなか身につきません。
日記を書く、独り言を言う、チャットをするのもアウトプットで、今日から簡単に始めることができます。
アウトプットの機会を増やすことで、外国語で考えるようになります。
外国語で話すようになれば、外国語脳になってきている証拠です。相手に話しかけられてから答えるまでの反応スピードが、速くなります。
また、話すときは、正しい文や発音を意識しましょう。
最初は単語レベルでも意味が通じればいいですが、長期的にみると、間違った言い方が固定してしまう恐れがあります。
文脈で単語を覚える

母語の場合は、読書から新しい単語を習得することができますが、外国語の場合だと、そうはいきません。
理由は、外国語は知らない言葉が多すぎて、推測がうまくいかないからです。
文脈で単語を覚えるメリットは、コロケーションや文法的情報も一緒に覚えられることです。
特に、動詞の場合は、どんな名詞を主語にするのかや目的語に取るのかを知ることができます。
母語ならば、このような情報を無意識のうちに身につけていますが、外国語となるとそうはいきません。
単語を覚えるときに、文脈と一緒に覚えることで、意識的に身につけることができます。
単語は知っているだけでは使えないですが、文脈で覚えれば、実際に使える単語になります。
コロケーションなら、こちらの本がおすすめです。
発音・音声をまねる

ある研究では、外国語の発音のよさは、次のことが重要とされています。
- 学習を開始した年齢
- 外国語に親しむ環境にどのぐらいいたか
- 性別(女性のほうがよい)
- 模範能力
- 発音の正確さに関する興味
- どれぐらい外国語を使っているか
この中で、自分でコントロールしやすいのが「発音の正確さに関する興味」です。
発音・リズム・イントネーションを正確にまねる練習が効果的です。
発音一つ一つを正確にまねるのは難しくても、イントネーションやリズムなどの「特徴をまねる」ことが、自然な発音の習得に役立ちます。
日本語の発音に関しても同じことが言えます。詳しくは別の記事に書いていますので、ご覧ください。
【参考】【発音指導】たったこれだけ?日本語の発音の教え方4つのポイント!
【参考】シャドーイングの3つの学習効果|日本語がペラペラになる!?
シャドーイングにおすすめの本は、こちらです。
動機づけを高める

まずはどんなものでいいので、「外国語を習得したい」という動機を高めましょう。
仲間を作って勉強するのもいいし、資格試験を受験してもいいです。また、外国語でブログを書いてみるものいいかもしれません。
一番いいのは、学習している外国語を話す人々の文化に興味を持つことです。
興味がわくと、その内容に詳しくなるのでインプットの理解が高まります。それが、相乗効果となって、さらに動機づけが高まります。
リスニングは理解できる内容を選ぶ

リスニングは、聞いて20%しか理解できないものより、80%理解できるものを聞いたほうが効果があります。
言語習得のポイントは、インプットを理解することです。意味がわからないものを聞くより、意味がわかるものを聞いたほうが効果があるのです。
スクリプトがある場合は、聞き取れないところは文字で確認してから、もう一度聞きましょう。
同じ教材をリスニングとリーディングの両方に使うのも効果的です。
例えば、リスニングではスピードが速すぎで単語でしか聞き取れなくても、リーディングの場合は時間がかけられるので、文法構造まで理解することができます。
リスニング→リーディングをした後は、もう一度リスニングをしましょう。そうすることで、文法処理まで持って行くことができます。
【まとめ】効果的な外国語学習方法で、日本語力アップを目指そう!
効果的な外国語学習法を7つ紹介しました。
もう一度、7つの学習方法をまとめます。
- 分野をしぼってインプットをする。
- 例文を暗記する。
- 毎日アウトプットをする。
- 文脈で単語を覚える。
- 音声・発音をまねる。
- 動機づけを高める。
- リスニングは理解できる内容を選ぶ。
日本語教師は、常にどうやったら学生の日本語力が伸びるのかを考えていますよね。
日本語が今よりできるようになれば、学生の世界は広がるし、日本語を使ってできるようになることが増えます。
ぜひ、今回紹介した外国語の学習方法7つを、学生の日本語力アップに役立ててみてくださいね。
効果的な学習方法は、勉強するタイプによっても異なります。
詳しくは、「効果的な勉強方法|視覚・聴覚・運動の3タイプで勉強方法は異なる!」の記事をどうぞ。
▷紹介した本はこちら
以上、たのすけでした。
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日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。