「受け持っている学生がJLPTのN3を受験するけど、合格するためにはどんな勉強方法がいいのかな?」
「N3合格のための教え方がわからない」
初めてN3の学生を受け持つことになった日本語教師の方!こんなことで悩んでいませんか?
初級の勉強が終わったら、N3合格を目指す学生が多いのではないでしょうか。
N4までは独学で合格できても、N3からは闇雲に勉強しても合格することはできません。
N3に合格するためには、「N3に合格するための勉強」が必要です。
この記事は、JLPTの指導をあまりしたことがない日本語教師の方向けに書いています。
この記事を読めば、以下の疑問が解決します。
「受け持っている学生がJLPTのN3を受験する」「JLPTのN3に合格するためにどんな勉強方法がいいのか知りたい」なら、ぜひこの記事をご覧ください。
目次
JLPTのN3について知ろう
まずはJLPTのN3について、どんな試験なのかを知りましょう。
N3の試験科目
N3の試験科目は3つに分かれています。
言語知識(文字・語彙) | 30分 |
言語知識(文法)・読解 | 70分 |
聴解 | 40分 |
合計 | 140分 |
N3の得点配分
得点配分です。
言語知識(文字・語彙・文法) | 0~60点 |
読解 | 0~60点 |
聴解 | 0~60点 |
総合得点 | 0~180点 |
N3の合格点は95点です。
足切り点数があり、19点以下の科目があったら、総合で95点以上をとっても不合格です。
例えば、合計点数が100点でも、言語知識(文字・語彙・文法)が40点読解18点、聴解32点なら、不合格になります。
ここは学生が見落としがちなので、最初に説明してくださいね。
得点配分を見ると、読解と聴解が60点なのに対して、文字・語彙・文法を合わせた言語知識が60点しかありません。
つまり、N3に合格するためのポイントは、「読解」「聴解」でいかに点数が取れるかです。
JLPTの勉強方法
それでは、各科目の勉強方法を見ていきましょう。
漢字は試験科目は文字語彙の中に入りますが、一つの勉強科目として章立てをしています。
漢字
JLPTに合格するためには、漢字は「書ける」ことは必要じゃありません。大切なのは「読み方」「意味」です。
N3に合格するためには、漢字を書く勉強はやめましょう!
漢字を覚えるときは、その漢字を使った言葉を一緒に覚えるようにしましょう。漢字と言葉を一緒に覚えることで、語彙の知識が増え、語彙対策にもなります。
漢字は覚えれば覚えるほど、点数アップになります。
N3の漢字は約700個と言われていますから、毎日少しずつ繰り返して覚えていきましょう。
漢字を覚えるのにはポイントがあります。
「【漢字の教え方】日本語教師は知ってて当たり前?漢字の4つルール!」という記事を書いていますので、ご覧ください。
語彙
N3になると、漢語が増えます。出題される語彙は日常会話で普段からよく耳にする言葉も多いです。
試験に出やすいのは、みんなが間違えやすい問題です。
つまり、学生がよく間違える言葉は出題される可能性が高いです。
語彙はたくさんの量を覚えなければならないので、膨大な数の言葉を一つずつ覚えていくのは効率がいいとはいえません。
模擬試験や語彙の問題集で数をこなして、間違えた問題を確実に覚えていくようにしましょう。
実際に試験で出題される言葉は、模擬試験や問題集で何回も見る言葉なので、要チェックですよ!
N3以上になると、似ている語彙も増えていきます。類似文型を指導するときには「類語辞典」が役に立ちます。
「JLPTのN3以上を教えるときに「類語例解辞典」が役に立つ!」という記事に詳細を書いていますので、ご覧ください。
文法
まずはN4までの文法の基礎をしっかり固めましょう。N3までは、まずは文法の基礎をしっかりと固めることが大切です。
普通形、受身形、使役形を正しく使うことはできますか?
基礎がないと、N3の文法を勉強しても意味がありません。
N3の文法試験には日常会話で使う表現がたくさん出てきます。
模擬試験や問題集で練習するのもいいですが、自分で文を作って、実際に使ってみましょう。場面や状況を理解しやすいです。
中級文法の教え方については「【実際の導入例を紹介】日本語「中級文法」の教え方と5つのポイント」の記事で詳しく解説しているので、どうぞ。
読解
読解は苦手意識がある学習者が多いです。
しかし、苦手だからといって読解の練習をしないでいると、いつまでたってもできるようになりません。
読解の勉強で大切なことは3つあります。
- たくさん文章を読む
- スピードを意識する
- 辞書を使わない
読解力は読めば読むほどついてきます。ポイントは、なるべく多くの種類を読むことです。
小説、新聞、雑誌・・・ジャンルを問わずいろいろな文章を読みましょう。
試験は時間が決まっているので、読むスピードも大切です。毎回、「この文章は〇分で読む」と時間を意識するようにしてください。
文章を読んでいるとわからない言葉がたくさんあると思いますが、辞書を使ってはいけません。辞書を使わないで、意味を推測することが大切です。
なぜなら、試験では辞書を使うことができないからです。
漢字の意味から、文脈の前後関係から、意味を推測していきましょう。
読解は一度読んで答え合わせをしてから、次は辞書で意味のわからない言葉を調べて、再度読みます。
読解の文章は違えど問題スタイルは同じなので、なぜ正解なのか、なぜ間違えなのかまで毎回考える癖をつけましょう。
読解ついては「読解の授業は読んで終わりにしていない?|日本語の読解授業の進め方」に、授業の進め方を書いていますので、ご覧ください。
聴解
まずは日本語に慣れることが大切です。毎日少しでもいいので、CDを聞きましょう。
聴解も読解と同じように、わからない言葉があったら意味を推測するようにしてください。
聴解は言葉を知らないとわからないことが多いです。聴解対策として語彙力をつけることも有効です。
また、話し言葉で音が変化している場合もあります。丁寧な言い方が話し言葉ではどう変化するのか理解することも大切です。
聴解もパターンは同じなので、試験問題を繰り返し聞いてパターンに慣れることも大切です。
【まとめ】JLPTのN3合格の勉強方法
N3に合格するために、どんな勉強方法のアドバイスをすればいいのかわかったでしょうか。
JLPT対策におすすめの本は「日本語教師におすすめの本|文法書・初級・中級・JLPT・ビジネスなど」で紹介しています。
N3に合格するためには勉強方法だけではなく、「勉強するためのマインドセットをする」こと「試験までの勉強スケジュールを立てる」ことが大切です。
日本語を勉強している人は、N2に合格することを目標にしている人が多いと思います。
N3は通過点に過ぎませんが、N3も簡単に合格できるものではありません。しかし、きちんと対策をして勉強すれば、N3に合格できます。
JLPTのN3に短期間で効率よく合格するために、「効率のいい勉強方法」を指導しましょう。
【参考】できる人の勉強方法9選|日本語教師から学生へ学習アドバイスしよう
タイプによって、効果的な勉強方法が異なるので、「効果的な勉強方法|視覚・聴覚・運動の3タイプで勉強方法は異なる!」の記事も参考にどうぞ。
日本語教師になったばかりで授業のやり方に自信がない、と悩んでいませんか・・・?
授業に必要な準備のやり方と、日本語教師としておさえておきたいことをギュッと7日間にまとめました。
それは、こちらでお届けしています。
以上、たのすけでした。
日本語教師のまとめ記事はこちら
≫日本語教師になりたい方向けのまとめ記事
≫授業のやり方や教え方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
≫【完全保存版】日本語授業のやり方や教え方がわかるまとめ記事
≫働き方で悩んでいる日本語教師の方向けのまとめ記事
日本語教師たのすけです。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案・周りの目を気にしすぎる私でも、日本語教師の仕事にやりがいを持って働けるようになった授業のやり方を中心に、発信しています。